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受験英語【だけ】頑張った私に足りないのは語彙力『英語の読み方』

単語の意味、分かるだろうか? (私はほぼ全滅)。

 1. US China Trade Deal - BBC News より
  ceasefire
  reciprocal
  subsidize
  thorny
  truce

 2. China warned to show Taiwan respect - BBC News より
  decent
  reckless
  predecessor
  infurate

 3. Coronavirus whistleblower doctor is online hero in China - CNN より
  epidemiologist
  death toll
  detain
  quarantine
  whistleblower

受験英語よりは少しレベルが高いけれど、BBCやCNNのニュースによく出てくる単語ばかりだという。

ceasefire は映画かゲームで「撃ち方止め!」と知っていた。 whistleblower は笛を吹いて警告する人(内部告発者)かなと覚えていた。decent は「ちゃんとした」のはず……あとはさっぱりだ。

大学受験に求められる語彙力は、5,000~7,000語だという。『英語の読み方』(北村一真著) によると、ニュースで使われる語彙は7,500~15,000語レベルなので、圧倒的に足りない。

多読多聴で浴びるようにやればいいのだが、そんなに英語を頑張る気はない。SNSやgoodreadsがサクっと読めればいいだけなので、なるべく楽に、より楽しく学びたい。

本書を読むと、次に私がどうすれば良いかが分かる。

N/A

語彙力を底上げする

そこでお薦めされたのがこれ。

N/A

単語をパーツに分けて、それぞれの意味を解説していく。語源や形を知ることで、芋づる式に単語が出てくるようになるという。

たとえば、bell という語。元は Bellona というローマ神話の戦争の女神から来ており、bell が付いていると争いに関連していると推察できる(ちなみに彼女の夫は Mars で、これまた古代ローマの軍神)。

antebellum : ante(前の)bellum (戦争)で、戦前という意味になる(英語だと第一次・第二次世界大戦前で、米語だと南北戦争前)

bellicose : ケンカ好き、好戦的。20世紀だと、ドイツのヴィルヘルム2世、イタリアのムッソリーニ、日本の東條によく使われる

こんな感じで増やしていく。ちょっとニヤっとしたのが、これ。

rebellion : 反逆、反乱。集団になった反逆者たちは、政府をも転覆することもある。アメリカ独立戦争は、イギリスの立場から見ると rebellion になる

これ、『リベリオン』やんけ!!

ガンアクションとマーシャルアーツが合体した映画で、めちゃめちゃカッコいい一方、ストーリーはキレイに忘れていた。ラストで民衆が蜂起してたので、なるほどだから「反逆」なのかと腑に落ちる。

語源や成り立ちから解き明かしているので、うんちくが溜まっていく。勉強というより雑学ネタを拾い上げる楽しみがある。

ネットの英語は癖がある

Yahoo ニュースの見出しは15文字までだから、より短い言葉に置き換えたり、助詞を削ったりしている。それと同様に、英語も短い言葉にしている。本書で解説されている中から、いくつか紹介する。

見出しの頻出 意味 一般的な単語
air 放送する broadcast
ban 禁止する prohibit
bar 妨害する prevent
eye 検討する consider
halt 中断する suspend
ire 怒らせる provoke
pry 調査する investigate
rule 支配する dominate

「ON AIR」から air の動詞は想像がつくし、SNSで「banされる」と見たことがある。だが、eye 「検討する」や bar 「妨害する」という意味は知らなかった。p.67の「見出しでよく使われる動詞」大量あるので、これだけ押さえておけば、もっと素早くニュースを掴めるだろう。

あるいは、語数制限があるtwitterでも、省略的な表現が出てくる。

So disappointed that #MarkZuckerberg values profit more than truthfulness that I’ve decided to delete my @Facebook account. I know this is a big “Who Cares?” for the world at large, but I’ll sleep better at night.

Mark Hamill 2020.1.13

https://twitter.com/HamillHimself/status/1216482695061966848

マーク・ザッカーバーグが真実よりも利益のほうを重んじるということにひどく失望したので、フェイスブックのアカウントを消しました。世間一般の人にとっては「それがどうした?」という話題であるのは承知ですが、おかげで夜は気分よく眠れます。

最初の文の頭に I was を補う必要がある。でないと主語と動詞がない形になってしまうから。いきなり So that で始まる文章は見覚えがあるので大丈夫だが、2つ目の that の使い方がポイントだという。

最初の that はdisappointed の理由を示す副詞節だが、2つ目の that は so に呼応して、がっかりした結果を示している。

他にも、ネットの英語は独特なので、SNSがスラスラ読めるようになりたい私は押さえておきたい。たとえばこんなの。

  • Are you dissing him? (彼をディスってんの?)
  • How many likes do you want to get? (いくつ「いいね!」が欲しい?)
  • friend/unfriend(facebookで友だちになる、友だちからはずす)
  • tweetable (ツイートする価値がある)
  • instagenic,instagrammable(インスタ映え)
  • go viral(バズる。もとはvirusウィルスという語から派生)

動画は宝の山

物理や料理の番組を youtube で観るけれど、ほぼ日本語に限られている。海外の番組も紹介されるけれど、言葉の壁を乗り越えるのは難しい。

ここからは、「あわよくば」私が観れるようになるといいなと期待するリンクを紹介する。

● Michael Sandel:What's the right thing to do? [URL]
「マイケル・サンデル:正しい行いとは何か?」『これからの正義の話をしよう』の動画版といったところか。50分

● The Tyranny of Merit: What's Become of the Common Good? [URL]
「マイケル・サンデル:能力主義の横暴」同名の書籍のダイジェストなのかも。9分

● Yuval Noah Harari: What explains the rise of humans? [URL]
「ユヴァル・ノア・ハラリ:人類の台頭はいかにして起こったか」サピエンス全史と一部重なる。17分

● Steven Pinker: Is the world getting better or worse? [URL]
「スティーブン・ピンカー:データで見ると、世界は良くなっているのか、悪くなっているのか」『暴力の人類史』が18分で紹介してもらえるとするなら、破格の効率だ。

こうした動画をきちんと理解して、紹介できるようにまでなりたい。

他にも、Google検索を使った英文チェックや、情報の流れや構造から読解する技法など、「使える英語が身につく」とはどういうことか、身をもって分かるようになっている。同著者の書籍は、『英文解体新書』を読んだが、『英語の読み方』の方が間口が広く入りやすい印象だ。

受験英語は頑張ったけど、いまいち英語が読めないという方にお薦め。というより私がもう一度読むべき一冊。

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