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世界文学全集を語り尽くすためのリストを作る

日常生活には質量があるので、「いま・ここ」で生きることに、痛みや、息苦しさを感じることがある。そんなとき、違う人生を違う言葉で描いた文学を読んでいる。読んでいる限り、いっときのあいだ、「いま・ここ」から離れることができる。

性別も文化も言語も時代も飛ばして、まったく馴染みのないほうがいい。今の自分から遠ければ遠いほうがいい。「いま・ここ」から、目を背けることができる。

現実から目を背け、見知らぬ感情を追体験していると、あっという間に時が経ち、気づいたら、息をするのが楽になっている。一方で、自分と同じ痛みに、自分と違うやり方で向き合う様を見て、目を背けていた現実に向き合わされることもある。

そうした、自分と伴走してきた文学を持ち寄ると、世界文学になる。世界文学について語るときに私たちが語ることは、あったはずの人生だったり、あるはずもない現実のカタログになる。

この、現実のカタログとしての世界文学について、秋草俊一郎准教授が特別講座を行う。

100年前、ゴーリキーは「世界文学出版所」をたちあげ、文学全集を作り上げようとした。それは、ソ連版「世界文学全集」とも言うべき存在になる。秋草先生はこれを踏まえ、日本を含めた全世界のカタログとして世界文学を紹介するとのこと。 

 
ゴーリキーと世界文学出版所――シリーズ「世界文学の最前線」

 9月29日(日)14:30-16:00

 日本大学通信教育部1号館

 無料・予約不要

Sekaibungaku

秋草先生の特別講座「世界文学の最前線」はこれで3回目で、これまでのは以下にまとめている。世界文学をメタに見た分析はたいへん鋭く、興味深いので、参加をお薦めする。

第1回 文学とコンピュータが出会うとき―――デジタル・ヒューマニティーズの現場

第2回 アメリカの世界文学全集における「日本文学」のシェア

わたしも見てくるつもりだが、せっかくだから推しを教えてくれないか? あなたの人生に寄り添って、あなたと伴走してきた文学があるはず。@Dain_sugohon につぶやいてほしい。

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