とんかつ定食はいつ食べるのがベストか?
食べたいけど健康が気になる人に、新たな視点を設ける一冊。
とんかつ定食に限らず、ラーメンもそう。食べたいときに食べればいいが、そうも言ってはいられない。脂質とか塩分とか、はたまた翌日の胃もたれとか。そういう気になるお年頃の健康に、ちょっと変わった視点から役立つかも。
それは、「いつ」食べたらよいかという視点である。
今までの栄養学は、「なにを」「どれだけ」という観点だった。健康な生活を維持していく上で、どのような食品を、どれくらい食べることが求められるか、という考え方である。その上でメニューが組み立てられ、食事が「設計」される。
本書では、「時間栄養学」なる概念が登場する。「なにを」「どれだけ」に加え、それを「いつ」食べることが重要か解説されている。
たとえば、とんかつ定食を食べるタイミングとしてベストなのは、昼のランチだという。午前中の疲労回復のためのビタミンB1と、午後を乗り切るためのエネルギーをつくるナイアシン、高カロリーで腹持ちがよいので、食べるならお昼になる。
あるいは、ラーメンを食べるなら夕方にせよという。食べれば確実に血圧を上昇させるから、1日の中で最も血圧が高くなる14時前後は避ける。では最も血圧が低くなる深夜ならいいかというと、脂肪やカロリーが高いので、これも避けたい。間をとって夕方になる。
この「いつ」食べればよいかという発想の根底に、概日リズムがある。体内時計とも言われ、ほとんどの生物に存在する。概日リズムは内在的に形成されるが、光や温度、食事などの刺激によっても修正される。本書によると、ヒトの概日リズムは25時間周期で、地球の自転のズレをリセットする必要がある。そのための食事であり、運動が紹介されている。
他にも、「運動は朝より夕方のほうが効果的」「筋トレは2日おきにすべし」「先に野菜を食べると太りにくい」など、面白いTipsが沢山得られる。『夜中にラーメンを食べても太らない技術』にもあったが、トータルで摂れていればOKという発想がいい。ランチの野菜が少なければ、夕食に多めに摂ればいい。カップ麺を食べた次の食事は野菜ジュースだけにするなど、体内で帳尻あわせを心がけるという発想だ。
わたしがよく使う技は、夜中にお腹が空いたら、めんつゆをお湯で割って飲むこと。tumblrで知ったのだが、塩分、糖分、アミノ酸の"味の信号"をまとめて脳に叩き込むことができる。お試しあれ。

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