知性の性差という地雷『なぜ理系に進む女性は少ないのか』【リンク追加】【2019.9追記】
「女ってバカだなぁ」こう自問する瞬間がある。
もちろんこの問いそのものが間違っていることは分かっている。バカな男がいるように、バカな女がいるだけの話だし、そもそもわたしの母・嫁・娘だけで一般化することにムリがある。一番バカなのは、問うたわたし自身だ。男女のスレ違いを如実に表わしたコピペ「車のエンジンがかからないの…」の正解は、二行目で「それは大変!僕が送っていくよ」だ。オスカー・ワイルドの「女とは愛すべき存在であって、理解するためにあるものではない」を噛みしめながら、ヴィトゲンシュタインの「語り得ぬものについては沈黙しなければならない」を守るべし。
だが、あえて問うたのが本書だ。
発端はハーバード大学学長ローレンス・サマーズの発言。数学と科学の最高レベルでの研究において、統計的に見ると、男性より女性が少ない適性を持つかもしれないと述べたのだ。これは「女性が科学・技術・工学・数学のキャリアにおいて少数派であるのは、認知能力において劣っているからである」と受け取られ、激しい抗議の声がメディアじゅうに響き渡り、ついに退陣に至る。人は自分の受け取りたいように受け取り、自分の観測範囲で判定した価値観に基づいて攻撃した。
「知性に性差が存在するか?」問うた瞬間、フェミニズム十字砲火を喰らう、極めて微妙な質問を、徹底的に検証したのが本書である。サマーズの発言を「なぜ理系に進む女性は少ないのか」に置き換え、科学者による論証を批判的に解釈することで答えようとしている。米国、カナダ、英国を代表する研究者による15の論説をまとめている。
- 「理系に女性が少ない」は、そもそも本当か
- それは能力が低いからなのだろうか
- 単に関心が低いからなのだろうか
- 脳構造やホルモンなど、生態学的なものか
- 性淘汰など遺伝的・社会的状況の組み合わせの結果か
- 生まれつきの能力の差異があるのだろうか
- 文化のせいなのか
- 社会が女性を家庭に束縛しているのだろうか
上記の観点を、エビデンスに基づく(evidence-based)主張で展開している。ややもすると感情と政治と修辞法に満ちたものになりがちな議論を、経験的なデータを示し、注釈と文献を示すことで、懐疑的な読者が自分で評価できるようにしている。本書を読むと、性差についての問題提起をいかにないがしろにしきたか、どれだけ自分の経験だけで一般論を語っていたかがよく分かる。
特に、「性差は原因ではなく結果である」という主張や、無意識のバイアス「セルフハンディキャップ」という観点は目鱗だった。セルフハンディキャップとは、自分の失敗を外的条件に求め、成功を内的条件に求めるような行動の選択。すなわち、自分自身にハンディキャップを付けることで、この問いと研究自体がセルフハンディキャップのメッセージに変わる危険性があるというのだ。
そして、主張はともかく「認知能力に性差がある」エビデンスは存在する。学術雑誌『サイエンス』における、ラリー・ヘッズとエイミー・ノウェルの論文だ。認知能力における性差に関する分析結果で、1960-1994年に公表された十代の若者の事例をもとにしている。中央値、平均値は男女でほとんど変わらないが、分布の端の方である上位1%、5%、10%で著しい性差がある。
男性は、科学、数学、空間推理力や機械操作スキルはもちろん、社会的学習能力においても、女性より優れていた。女性は言語能力、連想記憶力、知覚速度において男性より秀でていた。劇的な点は、数学や空間推理力の上位1%において、男性は女性に対して7対1の比率で、圧倒的に数が多かった。
他の例として、カミラ・パーソン・ベンボウの調査もある。これによると、SAT-M(Scholastic Assessment Test-Mathematics/大学進学適性試験の数学)で上位0.1%では男性対女性の割合がほぼ10対1になる。また、ジュリアン・スタンレーによる研究では、科学や数学の教師からずばぬけた才能があると推薦を受けたボルチモアの12-14歳のうち、最高の女子より高得点の男子が43人いたという。能力の分布の右端においてジェンダーのアンバランスがあることは明白だというのが、議論の出発点になる。
だが、そこから先の展開はバラバラに分かれており、どれも非常に興味深い。
例えば、女はヒトに、男はモノに注目する傾向があることを指摘する。女の赤ちゃんは「ヒト」に対する指向性を持って生まれてくるのに対し、男は「モノ」に対する嗜好性を持つため、興味の方向性が徐々に異なるようになるというエビデンスは、わたしの子育て経験上からいって納得できる。
あるいは、「ステレオタイプ」をソフトに表現する用語「ジェンダースキーマ」を創り出し、ステレオタイプで説明してきたことを再説明する科学者もいる。ジェンダースキーマによって男女に対する認識と評価が歪められ、男性を過大評価し、女性を過小評価してしまうというのだ。
また、ハンターとしての男性に着目したものもある。猟採集社会で男は一般にハンターであり、獲物を追い、狙うための武器を作るといった行動において、空間認知能力を必要としたため、そうした能力が性差として現れたのだというのだ。公平を期するため補足すると、空間認識能力は採集者たる女も同様で、さまざまな種類の食用植物を、それぞれが実る季節に見つけるため、かごを編んだり焼き物をつくるために必要だと述べている。
性差よりも国の格差の方が大きいと指摘するレポートもある。国際数学・理科教育調査による、第8学年(日本だと中学2年)の数学の試験成績を比較したもので、米国の男女差よりも、日米の差の方がはるかに大きいのだ。平均で見たとき、米国の性差はわずかである一方、米国男子よりも日本女子の方が圧倒的に高得点なのだ。数学や理科の上位はアジア勢が優位であるにもかかわらず、ノーベル賞やフィールズ賞がそうとは限らないため、試験成績でもって性差を判断するのはおかしいという。[※1]
同一のデータやエビデンスについて、異なる見解が示されるのが面白い。自説を通すため、レトリカルに解釈する“らしくない”科学者も若干おり、詭弁術の好例としても読める。たかだか数年の調査だけで生物学や進化論に結びつける態度が性急すぎておもしろい。
しかし、これらが即ち「数学のノーベル賞“フィールズ賞”の受賞者に女性はまだいない」理由になるだろうか?[※2]わたしは反対に、下位の方に目を向けたい。上位0.1%に男性が集中している傾向は、下位でも同じように見られる。男女比で成績を見ると、男子は下に凸の釣鐘型、女子は上に凸の釣鐘型になる。平均的なところでは、女性は男性より優れているが、上端や下端では男が占める。つまり、超天才は男に多いが、超バカも男性ばかりであることが見落とされている。単純に、男性のスコアは、女性に比べるとばらついているだけなのだ。この事実をスルーして、上端だけで議論をするのは、ネタとしてはスリリングだが大いなる欺瞞だろう。
さらに、「なぜ理系に進む女性は少ないのか」(Why aren't more women in science?)という問いそのものが中立的ではない。ハーバード大学学長の言に引きずられ、「理系=物理学、工学、数学」という枠から出発しているため、生物学、化学、医学、天文学などの分野が漏れている(そしてまさに、そうした分野で女性の優位性を指摘する論もある)。性差は、知性のどの領域に有意に現れるのか、そしてそれはなぜかを考える方が、より有意義だろう。こうした反論を誘うための呼び水的なタイトルであるならば、このタイトルは大成功しているといえる。
知性の性差という地雷原は、エビデンスをベースに注意深く進んでいくと、大いに得るものがある。わたしはまだ(というかこれからもずっと)女性を分かっていないだろうし、オスカー・ワイルドの箴言はこう書き換えるべきだろう。「異性とは愛しあうべき存在であって、理解するためにあるものではない」とね。
※1 性差と同じなのかも⇒「アジア人は欧米人よりIQが高いのに、なぜ文明が遅れているのか」
※2 興味深い考察⇒数学の歴史上の人物で、なぜ女性はいないの? (教えて!goo)
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2019.9.15追記
アメリカにおける数学のSAT(※)スコアは男女差が減少しているという研究。
「女は数学に弱い」は固定観念であり事実ではなくなってきているというレポート。面白いのは、アジア系アメリカ人だと上位1%で男女差が逆転する(つまりめっちゃ数学ができるグループは女性が多い)ところ。
一方で、物理学と工学についてはジェンダーギャップが残ったままだという指摘もある。この差が適応によるものか、セルフハンディキャップを刷り込む社会に還元されるものか、追いかけてみると面白そう。
Gender Similarities Characterize Math Performance
(PDF)In tests of extreme math intelligence, boys still outscore girls in the US but the gap is closing fast
Ratio of males to females in math SAT scores of 7th graders
※SATはアメリカの標準的な試験。高校により成績評価基準の差があるため、大学進学の適正を判断し、合否を決めるために高校生が受験する。
コメント欄で教えていただいた名無しさん、ありがとうございます!
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コメント
>>
「上端だけを扱う」と冒頭にしつこく書いているし、生物学や医学を無視していない。ちゃんと書いてる。
<<
という貴殿の読み間違えはは別所(Facebook)で書いたとおりですが、その読み間違えが惨すぎます。
さらに、冒頭と締めに同性愛者として英国政府に辱めを受けたオスカー・ワイルドの言葉を使ったのは意図的ですか? それともご存じなかっただけですか?
ちなみに私はフェミニストではありません。ただ「許し難い本の感想」を看過できないだけです。
投稿: Marika UCHIDA | 2014.01.13 00:21
>>Marika UCHIDA さん
コメントありがとうございます。こんな感想文が刺さってしまい申し訳ありません。また、ご指摘によってわたしの言葉の拙さがよく分かりました、ありがとうございます。
1.「上端だけを扱う」と冒頭にしつこく書いている
「上端だけを扱う」理由は、タイトルの問いかけに答えるためです。さらに、平均に近いところであれば男女ほとんど変わらないため、性差が如実に顕われる「上端だけ」を扱っていると理解しています。わたしは、まさにその前提を疑っています。「男性はばらつきがある」「女性は平均に集まる傾向がある」ことが分かっていながら、なぜそうなのか?という視点なしで議論しちゃって大丈夫?と問うているのです。
2.生物学や医学を無視していない。ちゃんと書いてる
『なぜ理系に進む女性は少ないのか』の「理系」を、物理学や数学、工学分野として扱っている議論が多いと感じました。空間認識能力や心的回転能力の男性優位を、物理、数学、工学の分野と結びつけた論説があったからです(5章のノラ・ニューカム、8章のリチャード・ヘイヤー)。p.9の「理系のある分野において女性が少ない原因と結果について」の“ある分野”とは、まさに物理学や工学、数学を指していると読み取りました。
その一方で、ご指摘の通り、生物学や医学について触れている議論もあります(9章のダイアン・ハルパーン)。これはわたし自身も承知しており、「そしてまさに、そうした分野で女性の優位性を指摘する論もある」と補足しています。しかし、ニューカムやヘイヤーは自説を生物学や医学に適用していません。空間認識能力や心的回転能力の男性優位が、なぜ物理学や工学に結びつけられて、なぜ生物学や医学ではないのか、スルーされていると感じました。
3.オスカー・ワイルドの言葉
ワイルドの言葉は、裏にある「女は理解しがたいもの」という皮肉を汲み取って、彼の性癖にからめて茶化したつもりです(あんまりお上品ではないと思いますが……)。
Marika UCHIDAさんの批判を招いたのは、ひとえにわたしの文章の拙さによると考えます。これからもっと精進することとします。ご指摘ありがとうございました。書評のお仕事、頑張ってくださいね。
投稿: Dain | 2014.01.13 18:26
フェミニストとか全く関係なく、普通の脳みそ持った男女なら、このブログの内容が少なくとも女性を貶めるようなベクトルで書かれてはないと判断すると思うのですが...何か気になったんですかね
いやそれよりはむしろ、メタ的なネタで少し面白いですが、まさに能力に嫉妬した結果、よくわからない絡み方をしてしまったのか
主さんが丁寧な応対をされたのに、通りがけに好き勝手な事書いてすみません反省します
⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーーーン
投稿: | 2014.01.29 00:48
>>名無しさん@2014.01.29 00:48
コメントありがとうございます。世の中には色々な方で満ちあふれているからこそ、面白いのだと思います。名無しさんのコメントは、まさに正鵠なのですが、この“感想文”もいろいろな「読み」をしてもらえるとキーボード冥利に尽きます。
あと、通りがけの好き勝手、大歓迎です。ついでに面白かった本などを添えていただけると喜びます。
投稿: Dain | 2014.01.29 22:29
>平均的なところでは、女性は男性より優れているが、上端や下端では男が占める。
上下が少ない分中央の数が多いだけなのを優れているとかメチャクチャな飛躍ですな
つまり、超天才は男に多いが、超バカも男性ばかりであることが見落とされている。単純に、男性のスコアは、女性に比べるとばらついているだけなのだ。この事実をスルーして、上端だけで議論をするのは、ネタとしてはスリリングだが大いなる欺瞞だろう。
いや底辺を持ち出して上位者の成果をチャラにしようとするほうが欺瞞でしょ
底辺なんてどうせ頭使う仕事になんかつけないんだから
その中での知能の差なんて意味ないよ
実際食品工場だの小型家電工場だので働いてる下の中レベルの女より
ド○タだの溶接工だの下の下レベルの男のほうが生産性高いし
投稿: | 2014.02.03 18:51
アメリカのSTEMではもう女子の点が高くて、その差はどんどん広がってるっていう記事がつい最近出たようだ。
投稿: | 2019.05.09 05:29
>>名無しさん@2019.05.09 05:29
ありがとうございます。わたしも一つの記事で目にしたような気がします。これが積み重なると、また別の立論ができそうですね。
投稿: Dain | 2019.05.09 22:45
アジア系アメリカ人では数学の突出した上位グループで女性比率が高かったという調査がありました。
(Gender Similarities Characterize Math Performance)
確か7~80年代の調査だと13:1くらいだったのが、その後変化を追ったら2:1まで数学のスコアのばらつきの差が縮まっていたそうなので、今はもっと変化しているかも。
アメリカでも数学の点のばらつきの性差って時代とともに著しく減少してて、どうやら国によってはばらつきが無いそうです。文化に比例するそうですね。
(Gender, culture, and mathematics performance)
投稿: | 2019.07.21 13:41
>> 名無しさん@2019.07.21 13:41
情報ありがとうございます! それぞれ、以下のURLを参照しました。
Gender Similarities Characterize Math Performance
https://www.researchgate.net/publication/51427273_Gender_Similarities_Characterize_Math_Performance
Gender, culture, and mathematics performance
https://pdfs.semanticscholar.org/4e12/7dc9e45bf6f0bf74ff4dcb28a7f539321764.pdf
数学の上位数パーセントにおける男女の格差よりも、アジア系アメリカ人と白人の差の方が大きいといった話は耳にしたことがあります(おそらく、この資料がソースなのだと思います)。
一方で、物理学と工学についてはジェンダーギャップが残ったままだという指摘もあります(Gender Similarities Characterize Math Performance)。この差が適応によるものか、社会に還元されるものか、追いかけてみると面白そうですね。
投稿: Dain | 2019.07.24 20:34
こんにちは、返信ありがとうございます。
この調査は白人とアジア人の傾向が真逆なのが興味深いですよね。
こんな記事もありました。
https://qz.com/812663/in-test-scores-indicating-extreme-math-intelligence-us-boys-still-outscore-girls-but-the-gender-divide-is-closing-fast/
自分はこの"数学のスーパースター"(リンク先の面白い言い方なので拝借w)に関する統計の変化に興味があってよく調べるのですが、こちらの記事のグラフによると上位0.01%の差が大きく縮まっているみたいです。
投稿: | 2019.08.01 05:20
>>名無しさん@2019.08.01 05:20
おお、情報ありがとうございます!
「数学のスーパースター」という表現、面白いですね。そして、数学のスーパースターといえば、女性初でフィールズ賞を受賞したマリアム・ミルザハニですが、(いま調べたら)2017年に逝去されていたんですね……
SATスコアのトップレベルの男女差が小さくなっているのは、(もともと男女差なんてものはなく)社会的な条件付けが変化したため、という見方もできますね。そうなると、認知能力に性差があるという観点から分析した本書のいくつかの論文は、見直しが必要になりそうですね。
投稿: Dain | 2019.08.09 09:39
>>マリアム・ミルザハニ
まだ40代だったのに、残念ですよね。
亡くなった当時ニュースを見て驚きましたよ。
まだまだ研究したいことが山ほどあったろうに・・。
SATの言語トップレベルの比率は数十年前までは男子女子が同数くらいで、現在女子のほうが高いそうなのですが、ちょっと調べたところ言語科目は女子のほうがばらつきが大きいらしく(?)、不思議です。
前コメで貼らせていただいたリンク先の数学のグラフ、2007年あたりから変化が少し大きくなってますけど、ここら辺って何かあったのでしょうか?
調べても謎なんです。
投稿: | 2019.08.11 11:56
>>名無しさん@2019.08.11 11:56
これですね。
https://www.theatlas.com/charts/rJN3FlV1l
このグラフのtop0.01%(茶色の線)における2007-2011
あたりの傾きのことでしょうか。たしかに少し急になっていますが、何かあったのかもしれません。
むしろ、1982-1992の傾きが急である一方、その後は収束しているので、そっちが気になります。
投稿: Dain | 2019.08.13 17:43
こんばんは!
こういうのは最初は一気で後はゆっくり、という謎の固定概念があったせいで見逃してました(笑)
確かにそっちの変化のほうが気になります。
アメリカは60年代?(50かも?)くらいはまだ男子は理科を~女子は家庭科を~という教育だったそうですが、80年代はどんな具合だったのか分からないので謎ですね。
もしよろしければ、コメント欄に書き込ませて頂いた研究たちも記事に追記して頂くことはできないでしょうか・・?
私のように調べ物で検索エンジンからこちらのブログに流れ着いた人たちの参考になると思うのです。
投稿: | 2019.09.10 23:49
>>名無しさん@2019.09.10 23:49
アドバイスありがとうございます!
たしかに検索エンジンから来訪された方にとって、「その後」の研究は有用ですね。記事の末尾にリンク先を追記しておきました。
投稿: Dain | 2019.09.15 08:58
<<女の脳は劣等脳>>
皆さん!よく「男性は右脳型で、女性は左脳型」ということを聞きませんか?これは、男性ホルモンが右脳を大きく発達させる作用があるから、そう言われているんですね。しかし、これは、「男女の脳が同じ大きさだったら」と換算したもので、女の女による女のための比べ方に過ぎないんです。実は、言語野が広がっている左脳だけに限っても、男性の方が女性よりも大きく発達しているんです!知ってましたか?
女性はすぐに成長が止まる早熟タイプであるため、話し始める時期は少し早いんですが、成人する頃には総合的な言語性IQに男女差はなくなっているんです。実際に、成人以上で測定するpiaacでは9割の先進国で成人男性は成人女性よりも読解力、数学的思考力、IT問題解決能力の全てで優れていることが判明している。
これは、左脳の言語中枢が、男性の方が大きく発達している(女性の大脳皮質ニューロン数は男性の80%程度しか無い)というだけではないんです。実は、言語処理には言語野だけでなく、イメージ能力など右脳の処置も関わります。哲学や理論などは、概念を空間的・構造的に位置付ける高度な言語操作が必要になります。だから、数学的思考力や理論理解力が男性の方が高いので、言語能力の上限が男性の方が女性よりも高くなっているんです。実際に、夏目漱石やアインシュタインなど、偉大な文豪や学者は男性だらけですね!
女の脳は井戸端会議レベルで終わってしまう劣等脳だというお話でした!
投稿: | 2021.10.21 02:25
アジア系アメリカ人の中上位1パーセントではなく
全人種の中の上位1パーセントです
最上位では男子が多いとタバロックに指摘されていたような
テストも30年前と内容や難易度が変わってるので単純に比較できないと思います
国際的な成人のスキル調査のPIAACを見ると参加した先進国全体の傾向で
数学的思考力はもちろん
女性が優れると言われる読解力においても最上位層、平均ともに男性が優れており
若年成人でも差は変わっていない
投稿: | 2021.10.21 04:29
>>名無し@ 2021.10.21 02:25さん
コメントありがとうございます。「女の脳は劣等脳」について、様々なトピックや数字を記載いただきましたが、その根拠となる資料をご教示いただけるとありがたいです。できれば、どこかのネット記事ではなく、エビデンスとなる論文タイトルやURLを教えていただけると幸いです。
>>名無し@2021.10.21 04:29さん
コメントありがとうございます。男性が優れていると主張されていますが、その根拠となる資料をご教示いただけるとありがたいです。できれば、どこかのネット記事ではなく、エビデンスとなる論文タイトルやURLを教えていただけると幸いです。ご指摘の通り、本書に用いられているデータは古くなっていると思うので、新しいデータを元にした研究をご存知であれば、ご教示ください。
投稿: Dain | 2021.10.21 14:00
男の子って若い時には、女の子に負けたくない心理が働くので、どうしても、「そりゃ、男の方が賢いよ」と言いたくなってしまうのですが、大人になって冷静に考えてみると、そもそも、何をもって「賢い」とするのか?って基準が結構あいまいなことに気づかされます。
実際、IQテストと呼ばれるものは、ほとんどが、論理的な推論能力を試すものですが、一般に「賢い」と言われている人々が、常に論理的か?と言われるとそうでないケースも多々あるのではないでしょうか。IQテストは飽くまで、IQテストによって測られる能力の指標なのであり、一般的に言われる「賢さ」とは異なるのではないかと思うわけです。
なぜ、こんなことを考えるのかと言うと、男女差に着目してIQが語られる場合、その背後にはいつも政治的思惑が見え隠れしている気がするからです。女と男どちらが「賢い」か?なんて問いは、冒頭でふれたように、子供の思考回路からしか出てこないような問いですが、IQの高い(であろう)人々が大人になってもそんなことをネチネチと議論している姿を見ると、やはりIQが高いからといって、賢いとまでは言えないんじゃないかと思えてきませんか?
ちなみに、私が調べた限り、男女間でIQの差は見られないというのが定説のようです。分散に関しては諸説あるようですが、IQが(「賢さ」かどうかは別として)論理的推論能力の指標になるるなら「女は論理に弱い」という定説は誤りですね。
では、なぜ理系の分野で活躍する女性が少ないのか?というと、私はひそかに「性格」が関係しているのではないかと言う気がします。私が最初に入った中小企業で、入社試験の成績が歴代一位だったのは女性の社員だということでしたが(ちなみに、私は歴代二番目だったそうです、じまぁぁぁぁん!)、私が入社する前にさっさと結婚して退職し、会社にはたまにヘルプで出社してくるようなポストに収まっていました。もちろん、フルタイムで働いていたころは、優秀な技術者だったそうなのですが、仕事に生きるより、のんびり生きる方を選んだようです。これが、IQに差がないにもかかわらず、就職や研究結果の分野で男女差が出る一番大きな要因なのかも。まぁ、考えようによっては、男は「結婚・出産」に対して、仕事ほど本気になれないと言い換えることもできるのかもしれません。
一般に語られる「賢さ」とは、こういうことまで含んでのものだと私は思います。第一、一般企業で普通に仕事をしていて、高度な論理的推論なんてしないですからね。アパレルやマーケティングなら、どの程度トレンドに対してアンテナを立てれるかとか、技術分野にしても新規技術に対する好奇心とか…仕事に影響する能力って、論理的なものばかりではないのが現実です。ひとこと「理系」といっても、学術研究だけが「理系」としての生き方でもないわけで、「なぜ理系に進む女性は少ないのか」という問いって、実のところ我々自身の偏見を反映しているだけのもので、明確な答えなど探しようがないもののようにも思えてきます。
もちろん、タ〇バンのように、あからさまに女性に教育を与えないのは問題ですが、生まれた土地の文化という偏った土壌で暮らす女性たちが、自然に生きてきた結果、「IQが高くても、研究で名を上げようとまでは思わない」と言う価値観を持って、このような結果になっているのであれば、ことさら問題視することではないのではないかと、私は思っています。
投稿: 通りすがり | 2021.11.24 17:11
あくまでも性差を各々が理解をし、日々の生活の中での配慮や適性としての判断材料の1つとして用いられるべきであって、くだらない蔑視の理由付けに用いるべきでは無い。
そんな事をこの記事で見れば筆者も思っているはずなのに、わざわざコメント欄でも煽っている人を見ると超バカについてもっと議論をした方がいいんじゃないかと思ってしまいます〜
ワイはもっと普段の生活の中で、性差を理解しつつも男女の境界線の部分は自身で曖昧にしておくべきだとも思いますね。
あくまで人間って括りで見た方がお互い気楽やない?
投稿: 人間 | 2023.04.26 10:56
2008年のHydeの研究のアジア系アメリカ人は、
10州全体のデータでなく、ミネソタ州のNCLBテストのデータに基づいたもので、SATとは全く別のテストです。論文の後半にテストの分析があります。
やはり、複雑な思考を必要とする問題はほとんど出題されておらず、
高度な数学的問題解決能力はここでは測られていないようです。
テストが簡単だと能力でなく、ミスで成績が左右されるようになるため、
最上位層を見る際には、テストの難度も見る必要があります。
引用
We computed the percentage of items at levels 3 or 4 for each state for each grade, as an index of the extent to which the test tapped complex problem-solving. The results were disappointing. For most states and most grade levels, none of the items were at levels 3 or 4. Therefore, it was impossible to determine whether there was a gender difference in performance at levels 3 and 4.
性差を検出するには、テストの複雑性が低過ぎたのでしょう。
そもそも、州テストはどの子も置き去りにしない法に基づいて
作られたテストです。つまり落ちこぼれを出さない事を理念に
した法律で作られたテストです。
そのようなテストであれば、多くの人が満点近くに達するため、
上端は圧縮され、隠され、真の差を識別できなくなる。
跳び箱を8段以上飛べる人を探すためには、段数が3段しか無い跳び箱は使いません。
8段以上の段がある跳び箱を用意しなければなりません。
同様に認知能力の最上位層及び性差を測定するためには、
十分な難度があり上限の幅が十分に広いテストでなければなりません。
十分な上限と難度がある場合に男女差は歴然になります。
ヘッズとノウェルが調査に使用したテストは十分な天井を備えていました。
AMCやCATの上限数学オリンピックのメダリストはアジア系も含め女性が少ない。
また、著者らは州テストで男女差がなかったことから、
ジェンダー類似性仮説を証明した主張しているが、
最後次のように述べています。
引用
An unexpected finding was that state assessments designed to meet NCLB requirements fail to test complex problem-solving of the kind needed for success in STEM careers, a lacuna that should be fixed.
したがって、この研究では本当に検証するべき男女差を調べる事ができていませんでした。
著者によれば問題解決は高校生において男性が高い
事が先行研究でわかってるそうなので、
高度な思考を使う問題が含まれていないことにより、
平均差も過小評価された可能性があります。
機械的推論など他の認知能力にも言えることですが、
数学の性差で大きなものは複雑で高度な難しい課題に存在するため
難度が天井が低い場合、男性の分散と平均の両方を過小評価してしまいます。
そういえば、タバロックがブログでこの研究に対し反論してました。
https://marginalrevolution.com/marginalrevolution/2008/07/summers-vindica.html
投稿: | 2023.05.30 23:49
ジェンダー類似性仮説とは
この研究の著者であるHydeが提唱した
男性と女性の心理学的特性の大部分は類似しているという仮説です
投稿: | 2023.06.04 08:58
>>名無しさん@2023.05.30 23:49
>>名無しさん@2023.06.04 08:58
情報ありがとうございます。参考にします。性差と能力差については、長期的に追いかけていく必要があると思っています。
投稿: Dain | 2023.06.06 10:05