やっぱり恋が好き『堀さんと宮村くん』
火傷しても幻滅しても、いくつになっても恋が好き。
嫁さんにゃ軽くいなされるだけだから、せめてラブコメで補給する。「人を好きになる」というのは、わたしにとっての生きるチカラそのものであり、「その人を好きでいつづける」というのは、そのチカラを費やす能動的な行為(好意?)やね。
「好き」と言えば簡単なのに、そこをあえて回避させ、それでも惹きあうシチュを捻って捏ねってドラマティックに演出する。ケータイやメールが行き届き、(わたしの時代よりも)障壁が少なくなった今、どういうハードルを設けるか、作家の腕の見せどころが、読者の頬のニヤケどころ。『ハルヒ』や『とらドラ!』や『化物語』好きにオススメしたいのがこれ。
それは、『堀さんと宮村くん』。
ニヤニヤが、やめられない、とまらない。かなりの中毒性を持つ。注意書きにもあるとおり、「色々な友情・恋愛の形」が楽しめる。「気になる」→「好きだ」→「離さない」という三段活用で、性格も外見も変わってゆく(というか、顕になってゆく)過程が面白い。自分を隠したい気持ちと、好きになった相手に伝えたい欲求の狭間にもみくちゃにされるがいい。
要注意なとこもある。高校生の生活を描いた、一見たあいもない日常と思いきや、ストレートじゃなかったり、病んでたり、暗かったりする地雷つき。いわゆる日常系の、きゃっきゃうふふではないのだ。特に「※」で警告される鬱展開は読まないほうが吉(本編にさしつかえなし)。イマドキの高校生(?)のヤることヤってる感は、見なくてもいいものを見てしまったような後ろめたい気持ちになる。
もちろんこれはノスタルジー、だけど、わたしにとっては無かった過去を懐古するファンタジー。なぜなら、“そういう話”は全然なく、あったとしても気づいたのはずっと後の祭りだったから。感度が低くてニブチンのまま学生を終える典型やね。たまこマーケットつまらんという感度では、高校たのしめないだろうな。
ええトシこいたオッサンにとって、アニメやラノベの高校生は、ファンタジーそのもの。たとえニャル子や蟹娘が出なくとも、「高校生の日常」そのものが貴重品。
甘しょっぱいラブコメ補給に、『堀宮』をどうぞ。リアルのドロ生しさの、コミカルなコピーとしても酔えるから。

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コメント
いつも更新楽しみに見させてもらってます。
ブログ始めたのでもし良かったらリンクお願いします。
投稿: | 2013.02.13 19:39