スゴ本オフ@2011ベスト
好きな本を持ちよって、飲みつつ食べつつ熱く語るスゴ本オフ。
今回は(というか毎回)スゴい本が集まった。あと甘(うま)い酒と美味しい料理を堪能した。質量ともに凄いレポートは、ずばぴたさんのまとめ「スゴ本オフ2011年ベスト」を参照いただくとして、ここでは思い出すままつらつら書く(妄想込み)。
まず、参加いただいた方、協力いただいた方、ありがとうございます。毎回毎回語っているんだけど、「今回が最高」でした。やるたびに発見と読みたいリストがガンガン増えていくので、嬉しい悲鳴が止まらない。
そして、見てみて、狩りの成果。
全ラインナップは、以下の通り。
まずアツくなったのは、開高健。全著作を読んだわたしにとって、「夏の闇」を高く評価するかなこさんに強く共感する。ただ、闇三部作(輝、夏、花)のうち、「輝ける闇」をピカイチとするわたしと、「夏の闇」を一番とする彼女と意見が割れた。「輝ける闇」は、「ベトナム戦記」と併せて読むとガツンときますぜ。どちらもベトナム戦争を扱ってはいるものの、「輝ける闇」は文学の姿をとったルポルタージュの傑作で、「ベトナム戦記」はルポルタージュの文体を借りた文学の傑作だから。
そして、自炊派のまみやさんが、「『はてしない物語』だけは自炊不可、というかこの本という形で読まないとダメ」と熱く語ってくれて嬉しい。同じ文句で口説き落としたので、おもわずガッツポーズをしてしまう。あらためてくり返す。物語が大好きなのに、「はてしない物語」を読んでないのは損、そしてハードカバーで読まないのは大損。理由は、読めば分かる。分かったとき、きっと「あっ」と叫ぶはず。
そのまみやさんが、「スゴ本のイメージイラストを描いてきました」とiPadで見せてくれる。ちょwwwこれwwwなにwww美少女なんですけど。いや好みだからいいケド、曰く「少女でなくショタ」だそうです。ありがとうございます、ここに飾っておきますね。
読みたくなったのが、「E=mc^2」。あちこちでオススメされてたのを思い出す。それぞれの要素、E、m、cについての物語と、それらをイコールでつないだ物語で、主役はこの式そのものだそうな(これは楽しみ)。また、「知は変わるが方法は不変」と喝破するISIS編集学校の教科書である「知の編集術」は、沢山得るものがありそう。
ここで完結を知ったのが、コミック版「孤高の人」と「ぼくらの」。「孤高の人」は新田次郎の方を読んでいたが、「山の本」はそのうち取り組むつもりなので、とりかかるか。ちなみに山の本として未読だが味読予定は、夢枕獏「神々の山嶺」、井上靖「氷壁」、ジョン・クラカワー「空へ」、沢木耕太郎「凍」、吉村昭「高熱隧道」あたり。
膝うつ惹句もたくさん、未読既読に関わらず、おもわず読みたい!と思わせる名セリフがどんどんでるでる。「読むと自分に言い訳できなくなる(究極の鍛錬)」や、「演歌版マクロス(俺節)」、「読むと鎌倉に行きたくなる!(ビブリア古書堂の事件手帖/海街diary)」は納得。思わず唸ったのが、「タイトルの意味がわかると鳥肌(サクリファイス)」だ、まさにそのとおり。
さらに、「ラノベの定義だって!?作家がラノベといったらラノベ。ただし編集者との力関係で覆されるときもある(ビブリア古書堂の事件手帖)」や、「『どう死ぬ』から『どう生きる』に変わっていくとき、悲壮感から救われる(ぼくらの)」など、琴線かかりまくり。決定的なのが、「これこそiPad/iPhoneで読むべき(スティーブ・ジョブズ)」だね。電子書籍の波を受けて、「紙の」本ではなく、iPadやiPhoneやReaderでプレゼンする方が幾人か。
わたしが紹介したのをいくつか。まず、「千夜一夜物語」。これは2011ベストなのだが、対照的な2冊を持ってきた。ひとつは、有名な「シンドバットの冒険」が入っている7巻で、面白さレベルでいうと中くらい。もうひとつは、1番おもしろい「カマル・アル・ザマンの物語」が収めてある4巻。だが実は、「1番おもしろい」より面白いのがある。「千夜一夜」は、シャーラザットの夜伽話であるメタ物語の構成をとっている。最高なのは、このシャーラザットそのもののお話だ。少年少女版では削除されている、彼女の身の上に起きたことがラストで明らかになるとき、きっとグッとくる。最終11巻の大団円は、ハンカチを用意して。
そして、「この本がスゴい!2011」で紹介しそびれたもの。あまりに沢山ありすぎて、載せるのを忘れてしまってたやつを放流。まずは鶴田謙二「冒険エレキテ島」。鶴田作品はコミック版「おもいでエマノン」で楽しませてもらっているが、これはエエで。発育豊かな処女の冒険的日常を窃視できる、ため息ついて堪能せい。ただし、超遅筆作家なので、2巻が出るのに2年は待たないと。来年のアフタヌーンで続きが連載されるらしい。eBookJapanの電子書籍で読もうかなぁ。また、夫婦のすれ違いを「妻」目線で描いた、「しんきらり」。妻帯者必読と強調したら、会場で回し読みされたw。さらに、「ゴヤ」4巻を放流。上野の国立美術館でやっている「ゴヤ展」の予習にオススメだね。
本ばかりでない。見てくれ、この料理を。どれもこれも美味くて上手くて、美味しくいただきました。酒も料理も、ホントはもっと大量にあったのだけど、消えるのが早くて追いつけなかったw。写真がちっとも美味しそうに見えないのは、わたしのせい。まず、「押せば撮れる」という発想を捨てる、そして練習だ。
今回の気づき1。余裕大事。平日夜にすると、どうしても2時間でこなすことになる。必然的にプレゼン時間は「ひとり5分」になる。マシンガントークは面白いが、どうしても駆け足になってしまう。また、twitter連動だと打ち込みが厳しい。これが、5時間まったりできるとなると、ゆったり話せる、つぶやける。平日夜にするなら、人数を絞って回数を増やすのもありかと。
今回の気づき2。facebook便利すぎる。告知から通知からリマインダー、メニューの調整、質疑応答、スケジューリングなど、リアルとの「つながり」を考えると、いちばん使える。mailやtwitter、blogといったメディアは、あくまで「あっち」の中でやりとりする手段。もちろん「こっち」にも接続できるが、「つなげる」ためのカスタマイズが必要。facebookとは、「リアルと同じ位相のあっち」なんだね。「facebookはトモダチコレクション」だと思い込んでたのは要反省。
そして、次回のテーマも決まっている→「戦争」だ。戦争を軸に、これはという本を持ってきて語ろう。リアルでも空想上でもいい、国家でも個人でもいい、過去・現在・未来どれでもあり、フィクションでもノンフィクションでも、文字でも写真でも、紙でも電子でも、自分が戦争だと思う一冊を選ぼう。ただし制約つきだ、「持ってくるのは何冊でもいいけれど、プレゼンするのは1冊(1作品)だけ」。これは難しい。「戦争」をテーマとするなら、書架どころか、それこそ図書館ができるくらいの質量になるから。2月上旬になりそうなので、本屋オフで選ぼうかなぁ…(そして積本の標高が上がっていく)
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コメント
お世話になります。
勢いでやった、今は反省している・・・・。
とにかく素晴らしいひとときを、
ありがとうございました。
投稿: 匿名希望 | 2011.12.06 08:38
うぁーん参加したかったぁあああ
FaceBookに登録してないと告知自体がもう分からないんですね・・・・早速登録しに行きます~。
投稿: zemukuripu | 2011.12.08 19:00
申し訳ありません、告知あったんですね。。心からお詫び申し上げます。
投稿: zemukuripu | 2011.12.08 19:15
>>匿名希望さん
勢い大事、生きてるうちは、勢い込んでいきましょう!
>>zemukuripuさん
無問題です。facebookの「スゴ本オフ」に参加すれば一目で分かりますが、ここでもちょくちょく公開しますから、チェックしてくださいませ。
投稿: Dain | 2011.12.08 23:16