子どものために、できること「40歳の教科書」
親業の確認のつもりで読む、だいたい合ってた。
親を見て子は育つ。だから、子の努力を望むなら、まず親が努力する。「幸せ」とは何か伝えたかったら、親がイライラするのをやめる。「英語」はツールにすぎないが、「お金」の教育は重要。学校は人間関係を学ぶところだから、失敗の練習場と思え。社会に出ると、失敗は有償だぜ。
受験マンガ「ドラゴン桜」を本にした「16歳の教科書」、その番外編が「40歳の教科書」になる。以下の4テーマに対し、強いメッセージ性をもつ人からのインタビュー集といったところか。一問一答に「まとめ」ると、こんなん。
英語早期教育
「もっと早く英語の勉強をしておくんだった…」
「小学校から英語なんて、破滅するぞ!」
中高一貫校
「早いうちにいい学校に入れば、あなたがラクできるのよ
「その受験で幸せになるのは、子どもじゃなくてあんただろ!」
お金と仕事
「お金の話をするのは恥ずかしい」
「お金で人生を踏み外す人がいるのに、しないでいいのか?」
挫折と失敗
「第一志望に行けなかった」
「それがどうした、良かったじゃないか」
まず母国語である日本語をマスターせよ、というのが至上命令。一番重要な科目は「国語」だと伝えてある。なぜなら、「相手の意図を間違いなく受け取る」「自分の意思を正確に伝える」は、科目に関係なく、生きていくうえで最重要だから。Thinking in English はいいけれど、日本語でちゃんと考えられないような奴は、英語でも無理。どんなに研鑽しても、英語力は日本語力を越えられない。
だから、小学英語は適当でいい、中高は「受験英語」をちゃんとやれと言っている。もちろん、力を入れるのは、グラマーだ(後がラクだから)。受験英語は役立たないという奴に限って、ちゃんと英語やってない(ソース俺)。「最大の問題は、『親の』英語コンプレックス」とある。然り。ン十万する、ディ○○ーの幼児英語教育セットを、夫婦で話し合ったこともあったな…(遠い目)。
お金について。「お金」の教育は、むずかしい。というのも、「この世でいちばん大切なカネの話」を渡せば済むという話ではなく、わが身をもって、子どもとの対話で伝えていかないと。「カネさえあれば幸せになれる」といったら異論が出るだろうが、「カネさえあればかなりの不幸を回避できる」は本当だ。カネを使って不幸を撃破しつつ、幸せに匍匐前進するのが"勝ち目"のある戦い方だろう
「お金の教育」で西原理恵子氏のメッセージが重たい。正直、この章だけでも充分に読む価値がある。自分で読み返すため、ここにまとめる。
- 専業主婦ってものすごくリスクが高い職業
- 「夫が一生健康」&「夫の会社が一生安泰」&「夫が一生自分だけを愛してくれる」&「夫のことを一生愛することができる」極めて限られた条件下で、ようやく成立する職業が、専業主婦
- 他人(夫)の感情に自分と子どもの人生を預けてしまうなんて、ほとんどギャンブルのような行為だと思いません?
- 稼ぎ頭の夫が心身を壊したら、家族でサポートするが、稼がない専業主婦が心を壊しても「面倒くせーな」のひと言で終わる
- このとき、いちばん被害を受けるのは子ども
- 「自由」と「責任」って、有料なんですよ
- お金のことを口にするのは卑しい、という考えは昭和で終わった
「やりたいこと」の選択の自由を広げるには、お金が必要。言い換えると、お金がないことは自由がないことと同義。「やりたいことが見つからない/決まらない」あいだは、お金を貯めることに徹せよ、やりたいことを見つけたときに、すぐ取りかかれるように―――と伝えるつもり。
アルバイトは重要だけど、「バイトに明け暮れる」はダメ。ポイントは「カネ」そのものではない。知らない年上に揉まれること、知らない年下を扱うことに慣れるのが、バイト。バイトで失う最も痛いものは、時間だ。小遣いに毛が生えた程度のカネを手にするために、若い貴重な時間を使い果たすのは愚かだ(ソース俺)―――と伝えるつもり。
そして、もっとも期待値の高い投資は、自己投資。目標像とのFIT/GAPから必要なものを一覧化→自分で自分を教育する(足りないものは外から「買う」)のだ。この「自分で自分を教育する」が教育の最終目標だ。自律して学んでいけるようになれば、職も遊びも安泰だ。これはわたしが身をもって実践しているところ。
わたしの中で、かなり大事な位置を占めつつあるのに、本書で一切言及されていないのが、「食べたいものを食べる自由」。それはカネさえあれば代替できるというものではない。自分で作れるようにならないと。ただ空腹を紛らわすための食はむなしいことなのに、おざなりにしてきた。「食べる」は生きる基本、生きることは食べることに等しい。だから、料理をちゃんと教えよう(というより、わたし自身も学びながら、だね)。

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