« 雲マニア必携「驚くべき雲の科学」 | トップページ | 「2011最もオススメする本」をビブリオバトルで紹介する »

「死ぬまでにやりたいゲーム1001」はスゴ本

 読まずに死ねない本があるように、死ぬまでにやりたいゲームがある。

死ぬまでにやりたいゲーム1001

 本とゲームの違うところは、「読まずに死ねない本」の大半は既知だが、「やらずに死ねないゲーム」は未知であるところ。つまりゲームは日々進歩しつづけており、スゴゲー(すごいゲーム)とはこれから出てくるものと思っていた。ところが本書で振り返って、どうやら違うようだ。

 世界初の家庭用ゲーム機Odysseyが発売されたのが、1972年。以降、2010年の初頭ぐらいまでの、家庭用ゲーム、携帯ゲーム、筐体ゲーム、PCゲームが発売年順に並んでいる。対応機種やジャンルと併せて、スクリーンショットも掲載しており、強烈に懐かしさをかき立てる。一方で、自分が熱中していたゲームが「クラッシックゲーム」扱いされてガクゼンとする(「懐メロ」と一緒やね)。

 「スペースインベーダー」、「パックマン」といった伝説級はもちろん、ドラクエ・FFといったRPG、ストII・VF・鉄拳の格闘モノ、リッジやBOPといったレース、DoomやHaloのFPS、マリオ・ソニック・ゼルダの定番、DDRやパラッパなどの音ゲーなど、およそ思いつく名作ゲームは全部あるといっていい。「シェンムー」や「シーマン」といった"お騒がせ"したものや、よくぞ入れてくれたと感涙モノの「クロノ・トリガー」「R-TYPE」を見てるだけで胸が熱くなる。

 20年30年というロングスパンで見ると気づかされる、セガは時代を先取りすぎや…また、最初の頃はグラフィックもシステムも知名度も、日本のゲームが群を抜いていたのが、年を追うごとに海外勢に埋もれていく。さらにこれからは、iPhoneアプリやFacebookのソーシャルゲームが席巻していくのだろうか。レイトン教授の人狼モドキなんて伸びていきそうだ。

 逆に、この本に教えられたことも沢山あった。ドリキャスにトドメを刺した「シェンムー」に続編が出ていたとは知らなかったし、あの「人喰いの大鷲トリコ」が未だにリリースされていないことを知って驚く。出たらPS3ごと買いだな(+アンチャーテッド)。零シリーズの評価が高いらしいが、未プレイだった(サバイバルホラー好きなのに)。激賞されている「魔界戦記ディスガイア」は未プレイだったのでPSPで手を出してみるか。他にも、「ベヨネッタ」「犬神」など、未プレイだったのを思い出させてもらう。ある意味危険な本でもある。

 ただし、注意を要するのは、これはアメリカ人が編集したこと。隠れた名作やゲームの歴史を塗り替える傑作まで、網羅性を目指しているものの、どうしても偏りが出る。どころか、(意図的か無知かによる)モレヌケも生じる。日本人とのセンスが違うのか、それともわたしがマイナーなのか…

 例えば、Wizardoryシリーズや、Y'sシリーズ、三国志シリーズ、大戦略シリーズは、充分資格ありなのに選外。また、「ノベルゲーム」というジャンルそのものが無い。黎明期の「テキストアドベンチャー」に該当するいくつかはあるが、あくまで初期マイナーとして。「かまいたちの夜」や「EVER17」「ひぐらしのなく頃に」なんて傑作の類に入るのに(やはりマイナーなのか?)。「ギャルゲー」は難しいところだが、一切無い。「プリンセスメーカー」や「アイドルマスター」、「ラブプラス」はゲームとの付き合い方を変えてしまった作品だと思うぞ。

1001games も一つ、注意が必要なのは、広辞苑レベルの扱いにくさ。このデカさは書影だと分かりにくいので以下をどうぞ。鈍器並みの殺傷力を持っていることが分かるだろう。これこそiPadで欲しかった。7000円超える本書は、原書(1001 Video Games You Must Play Before You Die)だと2600エンぐらいで手に入るが、扱いにくさは一緒だろう。こういうのは持ち出して、飲み屋でワイワイ言いながら懐かしがるものだから(ついでにニコニコへ飛びたくなるから)ね。

Photo

 数えてみたら、本書で紹介されている中でわたしがプレイしたことがあるのは、以下の105本だった。

1970s

  • スペースインベーダー(タイトー)
  • ギャラクシアン(ナムコ)
1980s
  • パックマン(ナムコ)
  • ドンキーコング(任天堂)
  • STAR WARS(Atari)
  • フロッガー(コナミ)
  • ドラゴンズレア(Cinematronics)
  • ディグダグ(ナムコ)
  • ゼビウス(ナムコ)
  • ハイパーオリンピック(コナミ)
  • スパルタンX(アイレム)
  • 空手道(データイースト)
  • パックランド(ナムコ)
  • 戦場の狼(カプコン)
  • グラディウス(コナミ)
  • スーパーマリオブラザース(任天堂)
  • テトリス(Alexey Pajitnov)
  • ダライアス(タイトー)
  • アウトラン(セガ AM2)
  • ドラゴンクエスト(エニックス)
  • スペースハリアー(セガ)
  • スーパーハングオン(セガ)
  • R-TYPE(アイレム)
  • 大魔界村(カプコン)
  • シムシティ(Maxis)
  • ヘルツォーク・ツヴァイ(テクノソフト)
  • ポピュラス(Bullfrog Productions)
  • ストライダー飛竜(カプコン)
1990s
  • クラックス(Atari)
  • R-360(セガ)
  • ボンバーマン(ハドソン)
  • コラムス(セガ)
  • シヴィライゼーション(Microprose Software)
  • ソニック・ザ・ヘッジホッグ(セガ)
  • ゼルダの伝説 神々のトライフォース(任天堂)
  • ドラゴンクエストV(チュンソフト)
  • ファイナルファンタジーV(スクウェア)
  • ソニック・ザ・ヘッジホッグ2(セガ)
  • バーチャレーシング(セガ)
  • ウルティマVII(Origin Systems)
  • ストリートファイターII(カプコン)
  • ミスト(Cyan Worlds)
  • デイトナUSA(セガ)
  • リッジレーサー(ナムコ)
  • バーチャファイター(セガ)
  • 鉄拳(ナムコ)
  • Doom II:Hell on Earth(id Software)
  • ファイナルファンタジーVI(スクウェア)
  • タクティクスオウガ(Quest)
  • バーチャコップ2(セガ)
  • クロノ・トリガー(スクウェア)
  • セガラリー・チャンピオンシップ(セガ)
  • ガーディアンヒーローズ(トレジャー)
  • ナイツ(Sonic Team)
  • バイオハザード(カプコン)
  • パラッパラッパー(七音社)
  • タイムクライシス(ナムコ)
  • ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド2
  • I.Q.(ソニー・コンピューターエンタテインメント)
  • グランツーリスモ(ポリフォニー・デジタル)
  • シャイニング・フォース(キャメロット)
  • バーニングレンジャー(Sonic Team)
  • ダンス・ダンス・レボリューション(コナミ)
  • 電脳戦機バーチャロン(セガ)
  • パンツァードラグーン(チーム アンドロメダ)
  • バイオハザード2(カプコン)
  • ソニックアドベンチャー(Sonic Team)
  • ゼルダの伝説 時のオカリナ(任天堂)
  • サイレントヒル(コナミ)
  • シェンムー(セガ)
  • シーマン(ビバリウム)
  • スペースチャンネル5(United Game Artists)
2000s
  • バイオハザード コード:ベロニカ(カプコン)
  • ファンタシースターオンライン(Sonic Team)
  • 罪と罰 地球の継承者(トレジャー)
  • ゼルダの伝説 ムジュラの仮面(任天堂)
  • バルダーズゲート2・ダークアライアンス(Snowblind Studios)
  • デビルメイクライ(カプコン)
  • サイレントヒル2(Team Silent)
  • ピクミン(任天堂)
  • クレイジータクシー(ヒットメーカー)
  • ソウルキャリバーII(ナムコ)
  • ゼルダの伝説 風のタクト(任天堂)
  • アヌビス Zone Of The Enders(コナミ)
  • Zuma(PopCap Games)
  • ドラゴンクエストVIII(レベルファイブ)
  • 塊魂(ナムコ)
  • ピクミン2(任天堂)
  • ぷよぷよフィーバー(Sonic Team)
  • 脳を鍛える大人のDSトレーニング(任天堂)
  • ゴッド・オブ・ウォー(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
  • おいでよ どうぶつの森(任天堂)
  • ワンダと巨像(Team Ico)
  • バイオハザード4(カプコン)
  • The Elder Scrolls IV:オブリビオン(Bethesda Game Studios)
  • ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス(任天堂)
  • ポケットモンスター ダイヤモンド・パール(ゲームフリーク)
  • バーチャファイター5(セガ AM2)
  • Wii Sports(任天堂)
  • メトロイドプライム3コラプション(任天堂)
  • Wii Fit(任天堂)
  • バーンアウトパラダイス(Criterion Games)
  • Dead Space(Electronic Arts)
  • 大乱闘スマッシュブラザーズX(任天堂)
  • バイオハザード5

 おまけ。この中で、わが「ベストゲーム」を5つ挙げるなら、以下になる。最もプレイ時間を費やし、最も熱中し、最も胸が熱くなるやつ。ハード指定で、リメイク、移植されたものはバランスが変えられているので論外。

   タクティクスオウガ 【SFC】
   ヘルツォーク・ツヴァイ 【MD】
   ゼルダの伝説 時のオカリナ 【N64】
   R-TYPE 【筐体】
   ワンダと巨像 【PS2】

 タクオは、70時間超×4回やった(もちろんカオス→ロウ→ニュートラルの順にクリアして、もう一度カオスだ)。寝食忘れて死者の宮殿をさまよったが、SFCなら再プレイしたい。ヘルツォークは知られざる傑作。一見シューティングなのに、戦略性と高度なマネジメントを要求される、シビアーなゲーム。WiiかXboxでダウンロードできる日を首長くして待ってる(or このためにMDを買ってもいい)。R-TYPEは2周するまでやりこんだが、Xboxのダウンロード版では戦艦で早くも撃沈、鈍ったな。ゼル伝は来週が楽しみすぎる。ワンダと巨像(とICO)ともども、子どもにやらせたいゲーム。

 そう、「子どもに読ませたい必読書」ではなく、「子どもにやらせたい必須ゲーム」がある。いい本は放っておいてもそのうち出合うが、いいゲームは導きが必要。しょうもないクリックゲーに時と金を吸い取られるよりも、とーちゃんが教えてやろう、人生を一変させるスゴゲーを。

ゼルダの伝説 プレイ・オア・ダイ級のゲームが1001本、まずはDragonAgeからいくか、それとも来週発売のゼルダ新作から攻めるか、あるいは来月発売のオブリビオン新作にしようか。まだまだ死ねないなw

このエントリーをはてなブックマークに追加

|

« 雲マニア必携「驚くべき雲の科学」 | トップページ | 「2011最もオススメする本」をビブリオバトルで紹介する »

コメント

遅かれ速かれ人間氏ぬ時は氏ぬんだよそして人間滅びろ

投稿: グロメン | 2011.11.20 19:15

並べていただいたタイトルを見ているだけで、あまりのなつかしさに涙目に・・・。ちなみに私のゲーム原体験はゼビウス、ベストオブベストはゼル伝・時のオカリナです。でももうひとつのベスト、ウィザードリィが入っていないのはいただけませんな。ぷんぷん。

投稿: hachiro86 | 2011.11.20 22:42

>>hachiro86さん

xeviousですかー!
いま"xevious"でGoogleったらトップに面白いサイトがありました。ぜひ探してみてください。あのオープニング曲に感涙するかも。
「時のオカリナ」は本書でも評価が高かったです。最新ゼルダが楽しみー

投稿: Dain | 2011.11.22 00:56

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「死ぬまでにやりたいゲーム1001」はスゴ本:

» 作品としてのゲーム [書評テトリス]
私はゲームが好きだ。最近はさすがに時間がなくあまりやらなくなりましたが、昔はよくやったもんです。 ゲームにも「システム」・「世界観」・「コンテンツとしてのメッセージ性」が感動を呼ぶほど高いレベルで融合している作品があります。忘れないようにまとめておきたく... [続きを読む]

受信: 2011.11.21 12:36

« 雲マニア必携「驚くべき雲の科学」 | トップページ | 「2011最もオススメする本」をビブリオバトルで紹介する »