「死ぬまでにやりたいゲーム1001」はスゴ本
読まずに死ねない本があるように、死ぬまでにやりたいゲームがある。
本とゲームの違うところは、「読まずに死ねない本」の大半は既知だが、「やらずに死ねないゲーム」は未知であるところ。つまりゲームは日々進歩しつづけており、スゴゲー(すごいゲーム)とはこれから出てくるものと思っていた。ところが本書で振り返って、どうやら違うようだ。
世界初の家庭用ゲーム機Odysseyが発売されたのが、1972年。以降、2010年の初頭ぐらいまでの、家庭用ゲーム、携帯ゲーム、筐体ゲーム、PCゲームが発売年順に並んでいる。対応機種やジャンルと併せて、スクリーンショットも掲載しており、強烈に懐かしさをかき立てる。一方で、自分が熱中していたゲームが「クラッシックゲーム」扱いされてガクゼンとする(「懐メロ」と一緒やね)。
「スペースインベーダー」、「パックマン」といった伝説級はもちろん、ドラクエ・FFといったRPG、ストII・VF・鉄拳の格闘モノ、リッジやBOPといったレース、DoomやHaloのFPS、マリオ・ソニック・ゼルダの定番、DDRやパラッパなどの音ゲーなど、およそ思いつく名作ゲームは全部あるといっていい。「シェンムー」や「シーマン」といった"お騒がせ"したものや、よくぞ入れてくれたと感涙モノの「クロノ・トリガー」「R-TYPE」を見てるだけで胸が熱くなる。
20年30年というロングスパンで見ると気づかされる、セガは時代を先取りすぎや…また、最初の頃はグラフィックもシステムも知名度も、日本のゲームが群を抜いていたのが、年を追うごとに海外勢に埋もれていく。さらにこれからは、iPhoneアプリやFacebookのソーシャルゲームが席巻していくのだろうか。レイトン教授の人狼モドキなんて伸びていきそうだ。
逆に、この本に教えられたことも沢山あった。ドリキャスにトドメを刺した「シェンムー」に続編が出ていたとは知らなかったし、あの「人喰いの大鷲トリコ」が未だにリリースされていないことを知って驚く。出たらPS3ごと買いだな(+アンチャーテッド)。零シリーズの評価が高いらしいが、未プレイだった(サバイバルホラー好きなのに)。激賞されている「魔界戦記ディスガイア」は未プレイだったのでPSPで手を出してみるか。他にも、「ベヨネッタ」「犬神」など、未プレイだったのを思い出させてもらう。ある意味危険な本でもある。
ただし、注意を要するのは、これはアメリカ人が編集したこと。隠れた名作やゲームの歴史を塗り替える傑作まで、網羅性を目指しているものの、どうしても偏りが出る。どころか、(意図的か無知かによる)モレヌケも生じる。日本人とのセンスが違うのか、それともわたしがマイナーなのか…
例えば、Wizardoryシリーズや、Y'sシリーズ、三国志シリーズ、大戦略シリーズは、充分資格ありなのに選外。また、「ノベルゲーム」というジャンルそのものが無い。黎明期の「テキストアドベンチャー」に該当するいくつかはあるが、あくまで初期マイナーとして。「かまいたちの夜」や「EVER17」「ひぐらしのなく頃に」なんて傑作の類に入るのに(やはりマイナーなのか?)。「ギャルゲー」は難しいところだが、一切無い。「プリンセスメーカー」や「アイドルマスター」、「ラブプラス」はゲームとの付き合い方を変えてしまった作品だと思うぞ。
も一つ、注意が必要なのは、広辞苑レベルの扱いにくさ。このデカさは書影だと分かりにくいので以下をどうぞ。鈍器並みの殺傷力を持っていることが分かるだろう。これこそiPadで欲しかった。7000円超える本書は、原書(1001 Video Games You Must Play Before You Die)だと2600エンぐらいで手に入るが、扱いにくさは一緒だろう。こういうのは持ち出して、飲み屋でワイワイ言いながら懐かしがるものだから(ついでにニコニコへ飛びたくなるから)ね。
数えてみたら、本書で紹介されている中でわたしがプレイしたことがあるのは、以下の105本だった。
1970s
- スペースインベーダー(タイトー)
- ギャラクシアン(ナムコ)
- パックマン(ナムコ)
- ドンキーコング(任天堂)
- STAR WARS(Atari)
- フロッガー(コナミ)
- ドラゴンズレア(Cinematronics)
- ディグダグ(ナムコ)
- ゼビウス(ナムコ)
- ハイパーオリンピック(コナミ)
- スパルタンX(アイレム)
- 空手道(データイースト)
- パックランド(ナムコ)
- 戦場の狼(カプコン)
- グラディウス(コナミ)
- スーパーマリオブラザース(任天堂)
- テトリス(Alexey Pajitnov)
- ダライアス(タイトー)
- アウトラン(セガ AM2)
- ドラゴンクエスト(エニックス)
- スペースハリアー(セガ)
- スーパーハングオン(セガ)
- R-TYPE(アイレム)
- 大魔界村(カプコン)
- シムシティ(Maxis)
- ヘルツォーク・ツヴァイ(テクノソフト)
- ポピュラス(Bullfrog Productions)
- ストライダー飛竜(カプコン)
- クラックス(Atari)
- R-360(セガ)
- ボンバーマン(ハドソン)
- コラムス(セガ)
- シヴィライゼーション(Microprose Software)
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ(セガ)
- ゼルダの伝説 神々のトライフォース(任天堂)
- ドラゴンクエストV(チュンソフト)
- ファイナルファンタジーV(スクウェア)
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ2(セガ)
- バーチャレーシング(セガ)
- ウルティマVII(Origin Systems)
- ストリートファイターII(カプコン)
- ミスト(Cyan Worlds)
- デイトナUSA(セガ)
- リッジレーサー(ナムコ)
- バーチャファイター(セガ)
- 鉄拳(ナムコ)
- Doom II:Hell on Earth(id Software)
- ファイナルファンタジーVI(スクウェア)
- タクティクスオウガ(Quest)
- バーチャコップ2(セガ)
- クロノ・トリガー(スクウェア)
- セガラリー・チャンピオンシップ(セガ)
- ガーディアンヒーローズ(トレジャー)
- ナイツ(Sonic Team)
- バイオハザード(カプコン)
- パラッパラッパー(七音社)
- タイムクライシス(ナムコ)
- ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド2
- I.Q.(ソニー・コンピューターエンタテインメント)
- グランツーリスモ(ポリフォニー・デジタル)
- シャイニング・フォース(キャメロット)
- バーニングレンジャー(Sonic Team)
- ダンス・ダンス・レボリューション(コナミ)
- 電脳戦機バーチャロン(セガ)
- パンツァードラグーン(チーム アンドロメダ)
- バイオハザード2(カプコン)
- ソニックアドベンチャー(Sonic Team)
- ゼルダの伝説 時のオカリナ(任天堂)
- サイレントヒル(コナミ)
- シェンムー(セガ)
- シーマン(ビバリウム)
- スペースチャンネル5(United Game Artists)
- バイオハザード コード:ベロニカ(カプコン)
- ファンタシースターオンライン(Sonic Team)
- 罪と罰 地球の継承者(トレジャー)
- ゼルダの伝説 ムジュラの仮面(任天堂)
- バルダーズゲート2・ダークアライアンス(Snowblind Studios)
- デビルメイクライ(カプコン)
- サイレントヒル2(Team Silent)
- ピクミン(任天堂)
- クレイジータクシー(ヒットメーカー)
- ソウルキャリバーII(ナムコ)
- ゼルダの伝説 風のタクト(任天堂)
- アヌビス Zone Of The Enders(コナミ)
- Zuma(PopCap Games)
- ドラゴンクエストVIII(レベルファイブ)
- 塊魂(ナムコ)
- ピクミン2(任天堂)
- ぷよぷよフィーバー(Sonic Team)
- 脳を鍛える大人のDSトレーニング(任天堂)
- ゴッド・オブ・ウォー(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
- おいでよ どうぶつの森(任天堂)
- ワンダと巨像(Team Ico)
- バイオハザード4(カプコン)
- The Elder Scrolls IV:オブリビオン(Bethesda Game Studios)
- ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス(任天堂)
- ポケットモンスター ダイヤモンド・パール(ゲームフリーク)
- バーチャファイター5(セガ AM2)
- Wii Sports(任天堂)
- メトロイドプライム3コラプション(任天堂)
- Wii Fit(任天堂)
- バーンアウトパラダイス(Criterion Games)
- Dead Space(Electronic Arts)
- 大乱闘スマッシュブラザーズX(任天堂)
- バイオハザード5
おまけ。この中で、わが「ベストゲーム」を5つ挙げるなら、以下になる。最もプレイ時間を費やし、最も熱中し、最も胸が熱くなるやつ。ハード指定で、リメイク、移植されたものはバランスが変えられているので論外。
タクティクスオウガ 【SFC】
ヘルツォーク・ツヴァイ 【MD】
ゼルダの伝説 時のオカリナ 【N64】
R-TYPE 【筐体】
ワンダと巨像 【PS2】
タクオは、70時間超×4回やった(もちろんカオス→ロウ→ニュートラルの順にクリアして、もう一度カオスだ)。寝食忘れて死者の宮殿をさまよったが、SFCなら再プレイしたい。ヘルツォークは知られざる傑作。一見シューティングなのに、戦略性と高度なマネジメントを要求される、シビアーなゲーム。WiiかXboxでダウンロードできる日を首長くして待ってる(or このためにMDを買ってもいい)。R-TYPEは2周するまでやりこんだが、Xboxのダウンロード版では戦艦で早くも撃沈、鈍ったな。ゼル伝は来週が楽しみすぎる。ワンダと巨像(とICO)ともども、子どもにやらせたいゲーム。
そう、「子どもに読ませたい必読書」ではなく、「子どもにやらせたい必須ゲーム」がある。いい本は放っておいてもそのうち出合うが、いいゲームは導きが必要。しょうもないクリックゲーに時と金を吸い取られるよりも、とーちゃんが教えてやろう、人生を一変させるスゴゲーを。
プレイ・オア・ダイ級のゲームが1001本、まずはDragonAgeからいくか、それとも来週発売のゼルダ新作から攻めるか、あるいは来月発売のオブリビオン新作にしようか。まだまだ死ねないなw

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コメント
遅かれ速かれ人間氏ぬ時は氏ぬんだよそして人間滅びろ
投稿: グロメン | 2011.11.20 19:15
並べていただいたタイトルを見ているだけで、あまりのなつかしさに涙目に・・・。ちなみに私のゲーム原体験はゼビウス、ベストオブベストはゼル伝・時のオカリナです。でももうひとつのベスト、ウィザードリィが入っていないのはいただけませんな。ぷんぷん。
投稿: hachiro86 | 2011.11.20 22:42
>>hachiro86さん
xeviousですかー!
いま"xevious"でGoogleったらトップに面白いサイトがありました。ぜひ探してみてください。あのオープニング曲に感涙するかも。
「時のオカリナ」は本書でも評価が高かったです。最新ゼルダが楽しみー
投稿: Dain | 2011.11.22 00:56