「夏を感じる」スゴ本オフ
第3回スゴ本オフの話。
7/16に麹町でオフ会をする。会場を貸していただいているKDDIコミュニケーションズ様、やすゆきさん、大木さん、ずばぴたさん、ともこさん、ありがとうございます。「オススメ本を持ち寄って、まったりアツく語り合う」コンセプトで始めたオフ会だ。わたし単品だったらゼッタイ無理だったこの企画も、はや3度目。どんだけ感謝してもし足りない。
で、ヤる度にびしびし感じるのだが、本読んでないね、わたし。読んでないというより、ハナっから知らない。知らない本がザクザク出てくる。ふつう、ほとんどの本は知らないだろう常識的に考えて―――というツッコミごもっとも。でも、そうじゃないのだ。自分の好きな範囲なら、たとえ未読であっても、「少なくともタイトル/作者は聞いたことがある本」だろう。だが、自分の観測範囲ですら知らない本がたくさん出てくるのだ。つまり、目に入っていながら見てすらいない。
それが、「このテーマならコレ!」という形でプッシュされる。あるいは、プレゼン時に、「ソレが良いならコレなんてどお?」なんて提案される。今回のテーマは「夏」、その戦利品としてコレクトされた本は、以下の通り。
- 【Dain】 よつばと!/あずまきよひこ/アスキー・メディアワークス
- 【Dain】 欲望という名の電車/テネシー・ウィリアムズ/新潮文庫
- 【Dain】 Air/桂遊生丸/カドカワコミックエース
- 【Dain】 蝉しぐれ/藤沢周平/文春文庫
- 【チャーリー】 青が散る/宮本輝/文春文庫
- 【サンペーリ】 WORLD WAR Z/マックス・ブルックス/文藝春秋
- 【サンペーリ】 えんにち(こどものとも傑作選)/五十嵐豊子/福音館
- 【ユースケ】 パイの物語/ヤン・マーテル/竹書房
- 【ユースケ】 姑獲鳥の夏/京極夏彦/講談社文庫
- 【マチノ】 初秋/ロバート・B・パーカー/ハヤカワ・ミステリ文庫
- 【清太郎】 庭のつるばら/庄野潤三/新潮文庫
- 【清太郎】 しずかな日々/椰月美智子/講談社文庫
- 【ケンタロー】 城崎にて・小僧の神様/志賀直哉/新潮文庫
- 【春子】 百物語/杉浦日向子/新潮社
- 【春子】 オフシーズン/ジャック・ケッチャム/扶桑社ミステリー
- 【春子】 墜落遺体/飯塚訓/講談社プラスアルファ文庫
- 【点子】 午後の曳航/三島由紀夫/新潮文庫
- 【点子】 高丘親王航海記/渋澤龍彦/文春文庫
- 【点子】 DIVE!!/森絵都/角川文庫
- 【ぽかり】 鉄塔武蔵野線/銀林みのる/新潮文庫
- 【???】 夏と花火と私の死体/乙一/集英社文庫
- 【たなべ】 スティル・ライフ/池澤夏樹/中公文庫
- 【うすい】 夏の花/原民喜/集英社文庫
- 【うすい】 ナツノクモ/篠房六郎/IKKI COMICS
- 【おぎじゅん】 悲しみよこんにちは/フランソワーズ・サガン/新潮文庫
- 【ばん】 あまんちゅ!/天野こずえ/BLADE COMICS
- 【ばん】 サマーバレンタイン/唯川恵/幻冬舎文庫
- 【はやしだ】 はじめての - ひと夏の経験-/久保田裕子/伊藤隼也/英知出版
- 【マツモト】 ロストハウス/大島弓子/白泉社文庫
- 【モギー】 素晴らしきラジオ体操/高橋秀実/小学館文庫
- 【モギー】 バシズム/日本橋ヨヲコ/講談社ヤングマガジンKC
- 【モギー】 海を抱く/村山由佳/集英社文庫
- 【ともこ】 海街diary 1 蝉時雨のやむ頃/吉田秋生/小学館
- 【ともこ】 夕凪の街 桜の国/こうの史代/双葉文庫
- 【ずばぴた】 サウスバウンド/奥田英朗/角川書店
- 【ずばぴた】 冒険者たち/斎藤敦夫/岩波少年文庫
- 【やすゆき】 蝿の王/ゴールディング/新潮文庫
夏本なので、さわやかなーとか暑苦しいーとかホラーな話になるかと思いきや、「死」のネタに反応する。夏といえば生命力あふれる季節である分、むしろ「死」がコントラストされるのだろうか。お盆とか、原爆とか、終戦記念日とか、御巣鷹山とか、夏と死を結びつける話になる。飯塚訓「墜落遺体」や、志賀直哉の「城崎にて」、原民喜「夏の花」、こうの史代「夕凪の街 桜の国」について話していくうち、生きているというこの事実は、実は偶然にすぎないことに気づかされる。夏とは、偶然に生きた自分と、偶然に死んだ誰かを思いやる季節なのだろうか。
知っているけど手を出していないという本もいっぱい。単なる食わず嫌いか、いまの積読本に押しだされている作品がある。たとえば、天野こずえ「あまんちゅ!」とか吉田秋生「海街diary」とか。そいつを、「コレはスゴいぞ」と目ぇキラキラさせながらプッシュされると→「読みます、読めば、読もう」となる。面と向かって人からオススメされた本は、優先順位が上がる傾向になる。次にあったとき「面白かった」or「それならコイツをオススメだ」を言いたいから。
読書とは、独りぼっちで書き手と向かい合う行為だと思っていたが、こんなに仲間がいるなんて!「それがスゴいなら、コレなんてどう?」「あの人がオススメするなら読んでみよう」と、読書は「つながり」で増えていく。そのリアルが共有できて、楽しすぎる場ですな。恋バナならぬ本バナが、こんなにも楽しいなんて!「読書会」というと有志のクローズドな雰囲気だけど、ネットを上手くつかってオープンにしているところが、スゴ本オフの特徴。といってもこれは、やすゆきさんと、ずばぴたさん、大木さんのおかげ。ありがとうございます。この楽しさをおすそ分け、Twitterの発言をずばぴたさんがまとめたものをどぞ→「第3回スゴ本オフ・ Book Talk Cafe 夏篇まとめ」
これまでのオフ会は以下の通り。
次回は8/27、お題は「ポップ」、場所は変わって、BEAMS原宿店でヤります。受け付けは、あらためて告知しますので、楽しみにしてお待ちください。

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コメント
>こんなに仲間がいるなんて!
文芸部とか漫研の活動ってそういうもんじゃないでしょうか?
おもしろいものを知ったらだれかに進めたくなるもの。
そしてものの捉え方は人それぞれなために、いろんな読み方があるというのに気づく二重のおもしろさ。
投稿: ななし | 2010.07.22 20:08
>>ななしさん
「二重のおもしろさ」って、上手いこといいますね、その通りです。そして、いま、その楽しさを味わってますー
投稿: Dain | 2010.07.23 00:37
いつも参加したいなぁと思いつつ、時間的に厳しかったり。
夏って言えば甲子園。
夏って言えば熱い!!
そう、おいらのオススメは定番?
漫画
島本和彦
逆境ナイン 全6巻
コレでしょう。
いやー、熱すぎて読めないって人も何人かいましたが、読んだ人は大体目をキラキラさせて返してくれますよ。
オススメです。
投稿: 浮雲屋 | 2010.07.23 12:26
>>浮雲屋さん
ありがとうございます、オフ会は時間や場所を変えてやるつもりなので、折を見てどうぞ。
「逆境ナイン」はアツいですね、むかし単行本イッキ読みしました。ありえねぇ、でも通す!と唸りながら読みました。
「夏」といえば「甲子園」といえば「タッチ」持ってくる人がいるかな?と思いましたが、ちょっと古かったのか、なかったです。
投稿: Dain | 2010.07.25 08:45