Foresight の代わり、どうする?
新潮社のクオリティ・ペーパー「Foresight」が休刊する[参照]。
な、なんだってーΩΩΩ!一般紙と比べ割高とはいえ、良質の記事が並んでいるので重宝していたのに… そういやここ数ヶ月、「らしからぬ」妙な酒やら証券会社の広告が増えていたな。お約束のように、「昨今の厳しい出版事情」と「インターネットの台頭」が休刊理由として挙げられており、不謹慎ながら笑った。
さておき、どうしよう。これで、「定期購読までして読みたい雑誌」が消えてしまうことになる。ほとんどの雑誌は立ち読み or 図書館 or 特集により購入で済ましてきたけれど、Foresight は一通り読んできたからなぁ。「今年の派遣村がないのは、指導者が国家戦略室に取り込まれているから」とか、「政治家のウソを組織的に暴く politifact.com が米国で人気らしい」といったネタが一誌で得られるのは、Foresight ぐらいだろう。
Foresight 難民となったわたしが、代わりを探すために、つらつら書いてみる。◎は定期購読の有力候補、○は特集次第、△は微妙、×は間違っても買わない。あ、これらは、「わたしの財布で買うか?」という基準なのでご注意を。図書館にあるヤツは、(必要に応じて)図書館でチェックしているから。さらに、立ち読みで充分なヤツは、相対的に価値が低くなる(世評を逆評価するために活用)。
◎ Economist 英語力不足でナナメに読めない&ネット版でお腹いっぱい
◎ COURRiER Japon 特集次第で買うが、定期購読するほどの魅力は?
○ Newsweek(日本語版) ネット版とfinalvent氏のフォローで充分でしょ
○ 東洋経済 車内広告でもいいけれど、たまのamazonネタが面白い
△ FACTA 玉石混交すぎる、玉1石9とも(ただし玉はスーパー特ダネ)
△ 文藝春秋 芥川賞チェック用、書評だけなら立ち読みで充分
△ 中央公論 山形浩生書評が復活し、他の評者が消えるなら買う
△ ダイヤモンド 車内広告で充分、たまのビジネス書特集が便利
× TIME これ読むなら Economist にするよ
× 選択 内紛前は◎だったのに…日経に盾突いた代償は大きい
× WEDGE 団塊世評を知るためだけの価値
× 日経○○全て 上司が次にカマすことを予測するためだけの価値
× エコノミスト 広告で充分
× PRESIDENT 広告で充分
× Forbes 広告で充分
× AERA 駄洒落が一番
以下、未チェック
- Newsweek(本家) 10月の全面刷新後は未チェック
- エルネオス 未チェック(目次を見る限り不要)
- テーミス 未チェック
- THE21 未チェック(立ち読みした限り不要)
- ベルダ 未チェック(一誌だけお試し読んだが、微妙)
- 経営予測エイジ 未チェック
- 国際ジャーナル 未チェック
こうやって並べるとわかる。わたしが紙の雑誌に求めているのは…
- 即応性でなく分析力(斬り口・深度・加工技術)
- 国内より国際(この国を動かしているのは、昔も今もガイアツ)
- 2万円/年(情報にお金を出せる目安)
- 非コモディティ(約2-3ヶ月で国会審議に載るぐらいの確度と鮮度)
- 書評が秀逸・充実(←これ重要)
いいのがあったら、アドバイス願います。大穴があったら、薄謝どころか厚謝いたしますぞ。あるいは、「オレは○○へ移ったぜ!」というのがあれば、参考にいたします。
追記 : はてな人力検索でも募集してみる(ポイントはずみますぜ)
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コメント
いつも楽しく読ませていただいています。
Forsightの休刊は私もショックでした。
FACTAしか情報源がないのは不安なので、色々と代わりを探しました。
今の所は以下が新しく購読する候補です。
1.外交フォーラム
2.治安フォーラム
3.Foreign Affairs
4.Le Monde diplomatique
1は良いと聞いたのですが、目次に惹かれなかったので微妙。
2は目次に惹かれたが、警察官向けらしく偏りが不安。
3は日本語版が高いのと、読める程度の英語か不安。
4も英語は不安だけどサイトを見たら何とかなりそうな気もした。
という感じで、下に行くほど興味があるので、英語の勉強になりそうです。
参考にしたいので、何にするか決まったら、また記事にしてください。
投稿: Phys | 2009.12.23 02:07
三年ほどこのブログを拝読しております。
Foresightは読んだことがなかったのですが、そんなに評価の高い雑誌だったのですか・・・読んでおくべきだったなぁ。
昔は中央公論を三年ほど定期購読して、今はニューズウィークの日本語版を定期購読してますが、、、たしかに気になる記事は翁のブログで取り上げられていますし、冒頭のPerspectivesくらいなら立ち読みでもフォローできるので、それほど必要はないですね。
外交フォーラムは毎号図書館で見てますが、毎号の特集で内容が偏る&専門家視点レポート型の記事が多く、先を見通すという点からはあまり薦められません。
その点Foreign Affairsは上質ですね。一冊だけ日本語版をお試ししましたが、英語版とはかなり記事が異なります。でもよく考えると、これの英語版を読めるのであれば、The Economistを読む方が情報の鮮度は高いですし、そちらを取るでしょう。
結局考えてみると、図書館に置いてないという意味で、会員制クオリティペーパーとしてのForesightの存在価値は高かったのだと思います。それが逆説的に採算性を悪くした気もしますが。
あぁ、Foresight読んでおけば良かった。。。
投稿: terrorism583 | 2009.12.23 05:53
私は、今月から『選択』やめて『COURRiER Japon』にしました(町山智浩さんの連載が始まるので)。そろそろ頑張って『Economist』かなという気もしてますけれど。
『経営予測エイジ』はモッサリしてる印象で、すぐやめちゃいました。
投稿: kdmsnr | 2009.12.23 08:25
>>Physさん
比較情報ありがとうございます、Foreign Affairs(日本語版)に惹かれてます。目次をチェックすると、かなりツボに入る記事がわんさとあるようです。公表されているデータから中国バブルをきちんと分析しているのなんて、まさに「お金を出しても読みたい」ものですね。
ただし、2000円/冊はキツいです。近所の図書館にもなさそうだし……
>>terrorism583さん
情報ありがたいです、「Economistを読む方が情報の鮮度は高い」なんて継続的に比較購読しないと分からないですから。Economist は山形浩生氏がプッシュしているのに影響され、何号か読んだことがあります──もちろん挫折しましたけど。
わたしの英語力を鑑みると、Foreign Affairs(日本語版)のほうが無難みたいですね。
>>kdmsnrさん
「選択」→「COURRiER Japon」ですかー、しかも町山智浩氏の連載とな!いいこと知りました、ありがとうございます。それから、「経営予測エイジ」がもっさり……で思い出しました。一冊だけお試ししたことがあります。たしかに「もっさり」してたような気が。
投稿: Dain | 2009.12.23 17:56
今年いっぱい選択を定期購読していました。
ちなみにその前はクーリエを1年ほど購読していました。
もしよければ選択が日経に楯ついた経緯を教えてください。
「○○とググればわかります」でもかまいませんので。
投稿: eveningland | 2009.12.23 23:46
>>eveninglandさん
わたしの記事ですが、入口の代わりにはなりそうです。
https://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2004/04/post_24.html
書籍であれば、「日経新聞の黒い霧」(大塚 将司、講談社)でしょうし、googleんなら、「鶴田卓彦」でどうぞー
投稿: Dain | 2009.12.24 07:09
Dainさん
すごく参考になりました!
こんなことがあったとは…
どうもありがとうございました。
投稿: eveningland | 2009.12.25 13:35
>>eveninglandさん
どういたしまして。あンまりいい話ではないので、外へ出すのはほどほどが良いかと。一応、日経社内では自浄作用が働いていたことを申し添えておきます(謝罪記事とか釈明記事とか)。
投稿: Dain | 2009.12.25 22:39