【PMP試験対策】 PMIイズムについて(その2)
【PMP試験対策】は、PMBOK4版をベースに、PMP試験の傾向と対策をまとめるシリーズ。
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PMIイズムについての続き。PMIの考える「あるべきPMの姿」や「(想定される)プロジェクト感覚」のことで、PMBOKガイドからうかがい知ることができる。これらのことはズバリ書いておらず、ガイドを読んだり、PMの現場で身につけることができる(はず)。
とはいうものの、その重要性は認識されず、プロジェクトの失敗でもって身にしみるもの。「言うは易し」と言うは易し。「どうやったら実践にもっていけるか?」を考えながら読むのが吉かと。そのアイディアはPMBOKガイドに詰まっているのだから。
- 計画最重要。PMBOKのあらゆるプロセスの中で、最も重視されるのは「計画」。適切な計画がなされれば、プロジェクトの成功は、より近くなる
- プロジェクト計画は、PMの中から生まれてくるものではない。PMの沈思黙考ではなく、チームやステークホルダーからのインプット情報により、プロジェクトは計画される
- 役割と責任の分担表は、明確に定義され、特定の個人単位にまでアサインされていなければならない。たとえば、責務の報告、リスクマネジメントのアサイン(誰が何のリスクを負うのか)、会議の種類と出席義務まで、プロジェクトで果たされる仕事の他に、このような役割と責任が明記されていること
- リスクの抽出、特定化と、リスクマネジメントのためにすべきことの洗い出しは、チームメンバーとステークホルダーで取り組まなければならない
- リスクマネジメントは、コストと時間のセーブの直結することを自覚すべし
- リスクマネジメントまでなされてはじめて、プロジェクトのコストとスケジュールが承認される
- PMはプロジェクトが期日に間に合うか、予想しなければならない。他のプロジェクトが制限となるのであれば、上級マネジメントと会って問題を解決しなければならない。これはプロジェクトがスタートする「前に」行うこと。非現実的なスケジュールは、PMの失敗と見なされるのだから
- あたりまえだが、プロジェクトは、プロジェクトマネジメント計画に沿って実行される。もし「つくっておしまい」であれば、プロジェクト計画そのものがダメだという証拠→計画からコケているデスマーチ真ッ逆さま
- プロジェクトの状態がどうなっているかを測定するためにも、プロジェクト計画は使える
- 「計画」や「見積もり」は最初に一回やって確定するものではない。プロジェクトはコストや納期、成果物が間に合うかを判断するために、再評価される。そのため、プロジェクトが予算の範囲内で納期に間に合わせられるか、PMは常に把握している(べき)
- プロジェクトの「遅れ」は、未来のタスクを調整することによってとりもどす(べき)。期間の延長は二の次。
- 等価交換の法則。何かを得るためには、他の何かを必要とするやつ。たとえばスコープを変更しようとするならば、時間、コスト、品質、リスク、リソース、顧客満足の全ての観点に照らし合わせて、再評価する必要がある。「スコープだけ拡張」は、ありえない
- PMが気を遣うべきものは、チームのパフォーマンス。PMの時間はチームビルディングに使うべし
- PMは「プロアクティブ」になるべき。つまり、問題の早期発見につとめ、プロジェクトの変化に気を配り、問題の予防に力を注げ。「そうは言っても…」という怨嗟に同意。「よくない兆候」は隠され、「進捗遅れ」は次週までに挽回しますと断言される(しかも繰り返し!)。ではどうするか?否定要素を受け入れるオープンな態度や、探偵ばりの聞き込み、進捗報告だけに留まらない打ち手の創出などを考えよ、ということやね
- 「問題の対処」よりも、「問題の予防」に時間を使え。予防の一オンスは治療の一ポンドに優る。
- ほとんどの問題は、予めリスクマネジメント計画で洗い出して対処策を検討できる。「○○になったら→△△する」は最初に必ずやっておくこと。先送り先延ばしにするから、トラブルが顕在化したときにあわてるのだ。で、ダメなPMはこういう「だから言ったでしょ!」ってね。「問題になる可能性がある」と指摘するのなら、対処も一緒に考えろ("対処しない"と決めるのもアリ)
- チームミーティングで、進捗状況を話すな。進捗具合は他の方法で情報共有すべし。チームミーティングで話し合うべきテーマは、ずばり「リスク」。ダメなミーティングとしては、「○○機能が2週間の遅れ」→「どうするんだ!」→「来週までに回復します」というパターン。このPMIイズムに従うなら、第一声が、「○○機能の進捗遅れによる影響範囲は?」から始まり、「是正措置は△△の資源を投入します」と進む。そんなに上手くいくもんかと思うのだが、せめて「○週遅れたこうしよう」までは考えておく
- プロジェクトマネジメント計画における変更は、必ず変更管理と統合変更管理プロセスを経る。その中で影響範囲の検証と周知がオーソライズされる
- PMは組織のポリシーや組織内標準に沿った形でプロジェクトが運営されているか、保証しなければならない
- プロジェクトの構成要素に変更が加わるとき、真っ先に検証されるべきは、「品質」
- PMはプロジェクトで交わされる契約に通じていなければならない。「知らない」では済まされない
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ベースは、PMBOKガイド4版と、"PMP Exam Prep"、通称Rita本の2本立て。PMBOKガイドを傍らに一連のエントリを「読むだけで合格する」ようなシリーズにするつもりだ。過去の記事は、以下のリンク先が入り口となっている。PMBOKガイドの古い版が元となっているが、「PMIイズム」「PM的思考」は学べる。ぜひ参照してほしい。
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