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最後は、どうか幸せな記憶を「おもいでエマノン」

Emanon_8 もともと、某ゲームのモデルだという噂に惹かれて手を出した「おもいでエマノン」。ストーリーは違えども、生命誕生から現在までのすべての記憶を持つ彼女は、わたしの中に永くいつづけてきた。

 すんなり伸びた肢体、長い髪、おおきな瞳、そばかす――ちょっとエキセントリックな彼女には、くわえ煙草が似合う。鶴田謙二氏が「SFオールタイムヒロイン」というのもむべなるかな。ちなみに、わたしにとってSFオールタイムヒロインのベスト3はこれ。

  1. エマノン(おもいでエマノン/梶尾真治+鶴田謙二)
  2. コーティー・キャス(たったひとつの冴えたやりかた/ティプトリーJr.)
  3. 芳山和子(時をかける少女/筒井康隆)

 彼女とのわずかなひとときと、その「おもいで」をずっと大切にして生きること。

 傷心をかかえた「ぼく」と怖いくらい共鳴しながら読む。物語を消費するのではなく一体化する感覚。思い入れが強すぎて、レビューよりも、思い出話をしたくなる。マンガ読んでこんなに切ない気持ちになったのは久しぶり。

おもいでエマノン(小説) ずいぶん古いSF小説だから、未読の方も多いかと。鶴田版「エマノン」が出たおかげで、マンガ→小説の順が鉄板のオススメルートになる。なぜなら、小説にはマンガの続きがあるのだから。そして、小説のエマノンがこれ以上ないほどの「彼女」になっているから。

 そして、小説を既読の方は、あのラストでせつなさMaxにまで至るべし。

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コメント

久々に出たツルケンさんの新刊とあって、書店で見かけて即買いしてしまいました。空気の冷たさまで肌で感じ取れるような画力に脱帽です。日本のSFは人が持つ過去への憧憬に訴えるような、良い意味でこじんまりとした話が得意ですね。生活感を強調した「電脳コイル」等とある意味和製SFの血脈として通じるものがあると思います。

関係ない話ですが最近話題のガガガ文庫から出ている「とある飛空士への追憶」が素晴らしかったです。機会があれば是非。

投稿: jackal | 2008.05.28 19:55

時代背景が自分とリンクしないため
どこか父親の恋物語を聞くような
近しい人の気分で進んでいたら
最後にガツンと殴られました

僕には苦しく胸詰まる感覚でなく
どこかビールのような爽やかでほろ苦い

ttp://jp.youtube.com/watch?v=Ar-vkJAKMXo&feature=related

今の僕はこんな気持ちです。

投稿: TH | 2008.05.29 21:32

>> jackalさん

  > 空気の冷たさまで肌で感じ取れるような画力

ああーたしかに。

吹きさらしのフェリーのデッキとか、降りしきる雪にはさまれたプラットフォームに、空気の冷たさを感じました。
その分、彼女の唇のあたたかさとか、「さよなら」のコトバがくっきりと感じ取れたり――もうマンガを読む感覚ではないですな(^^;

「とある飛空士」はえらい人気を博しているみたいですね、「王道」との噂を聞きます。


>> THさん

!!!
思わず泣けるトラップ!ですな。
「失った夢だけが 美しく見えるのは~」でホロリときました。

投稿: Dain | 2008.05.30 00:20

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» おもいでエマノン(徳間デュアル文庫) [新書中心主義-心理学者の読書日記]
『おもいでエマノン/梶尾真治/徳間デュアル文庫/2000』 著者:SF作家 評価:生命の記憶を持つ女の話 あとがきの著者の発想法の話など面白い。 まず自分の体験的な描写から始めるのが小説の基本かな。 物語は、途中からちょっと七瀬を思い出した。 最後は、どうか幸せな記憶を「おもいでエマノン」(スゴ本 ) を読んだので。 ・今日の一言 歴史って、人類や生命全体の"おもいで"に違いないのよ。 History must be "memories" of human being or all lif... [続きを読む]

受信: 2008.07.15 07:10

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