最近のイチオシ「付喪堂骨董店」
わたしの2倍読んでいるくせに、めったに誉めない嫁さんが「面白いよ」と寄越したのがこれ。おかげで幸せな1時間を過ごせた。げに悦ばしきは読書家の嫁なり。
ラノベといえば超自然か学園モノが相場なのに、これは骨董店が舞台。ユニークかもーと読み進める。どうやらこの店は、いわくつきの偽物を扱っているらしい。『偽物』なのがポイントで、幸運を呼ぶ石だの、呪いのお守りのFAKEが表の看板。
ニセモノがあるから、ホンモノもある。
たとえば、書いたことを完璧に記憶できるノート(本物)や、宵越しの現金を消してしまう財布(本物)が出てくる。「アンティーク」と言うんだそうな。ただし、そんな不思議アイテムがメインではなく、それに翻弄される人が見どころ。演出のための叙述系な仕掛けも利いている(シロウトの手品みたくて良い)。amazonレビューはこんなカンジ
そして、分かりやすいツンデレ(表紙の娘)に注目。この世界には『アンティーク』と呼ばれる物がある。年代物の骨董品や古美術品のことではない。幸運を呼ぶ石、未来の姿が映る鏡など、不思議な力が宿った器物を指す。世の中は広いもので、そんな怪しい物を扱う店があったりする。付喪堂骨董店FAKE。だが、名前の通り扱っているのはそれの偽物ばかり。無愛想な少女が不気味な品ばかり勧めるので閑古鳥が鳴いている胡散臭い店なのだ。でも、ごくまれに本物が舞い込んでくるから面白い。では、そんな変わった品を手にしてしまった人たちのことを、これからお話しよう。
ツンというよりクール無愛想な子やね。ずっと主役(男)キャラ視点ばかりなのが、第4章では娘のモノローグがじゃきじゃき書いてある。彼女の気持ちがモロに見え、戸惑い→意識する様に萌えろ悶えろ。
SF(すこしふしぎ)+ツンデレ+ラブコメ、ちょい黒ストーリーと、深夜アニメお約束まんまだけど、こればっかりはラノベ読みの「おたのしみ」にしておきたいねぇ――ここまで書いた時点で、嫁さんが2巻目を持っていることに気づく。ネットで調べると「色気づいた咲ちゃんに大注目」とのこと。な、なんだってー!!ΩΩΩ
速攻で読む。いやぁ、持つべきものはシュミを分かち合う嫁さんだねぇ。「色気づいた咲ちゃん」とは、第4章の「化粧」だね。前巻同様、彼女の一人称と彼氏の一人称を交互に使い分け、お互いのすれ違いをもどかしげに描く。
もちろん、どこの新手のスタンド使いですか?とツッコみたくなるような「アンティーク」使いたちとの交錯も面白い。叙述の技巧に走らない分、地のストーリーテラーが冴えてる。ちょい黒なオチもあり、軽く読ませるだけで終わらせない。
でもって、前言撤回!はにかむ咲ちゃんはアニメで見たい!ラノベの「ラ」はラブコメの「ラ」。これこそラノベらしいラノベ。ツンデレはいいね。ツンデレは心を潤してくれる。オタの生み出した文化の極みだよ。そう感じないか?
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