スローセックス宣言
宣誓!今日からは、スローセックスを実践します。射精だけを目的としたあわただしいセックスをしないことを誓います。たっぷりと時間をかけて、おたがいに満足のいくセックスを目指します。
本を読んでこんなに反省したのは初めて。おかげで目が醒めた、悪いのは全部わたしだ。男子必読の一冊(女子は読んじゃダメ)。
■蔓延するジャンクセックス
ジャンクセックスとは、男性本位の、射精だけを目的としたセックス。平均20分たらずのお粗末な行為で、お互いのカラダを使ったオナニーのようなもの。そのため、
- 「一度もイッたことがない」
- 「彼のことは好きだけどセックスは気持ちよくない」
- 「セックスが億劫」
- 「セックス嫌い」
- 「セックスよりも寝かせてほしい」
たしかに、時間を忘れて没頭するようなセックスもあった。ひたすら相手を感じさせるために全力を尽くしたこともあった。イかせてもイかせても、まだ先がある、オンナってすげぇな、と感嘆のまなざしで波打つ裸体を眺めたこともある。
しかし、著者の指摘どおり、最近ではマンネリ化したというか、「済ませる」意識がある。「子どもが寝ているスキに」とか「明日早いから」といった理由で、制限時間付きになっているのかもしれん。おたがい忙しいから、は理由にならないんだけどな。
■スローセックスとは
キーワードは「時間」。スローというのは、動きが緩慢というだけではない。すべての行為を「ゆっくりと」+「たっぷりと」おこなう。あるいは、「終わり」を設けないセックス。この場合の「終わり」とは、射精でありエクスタシー。
そのためには、「いったん射精を忘れろ」という。「目的=射精」をいったん念頭から外し、そのバイアスから生じる時間的制限を解除せよ、と主張する。狂おしいまでに裸体をくねらせ、エロティックな世界に身をゆだねるオンナの官能美を一度でも目の当たりにしたならば、射精のことなんて忘れて、もっと感じさせようと愛撫に夢中になるはず。射精なんてオマケみたいなものなんだってさ。
ただし、「射精するな」という意味ではないらしい。射精という呪縛から外れて、じゅうぶん時間をかけてお互いに快感を貪りあったのち、精を放つとすれば、それはそれはスゴいものになると言っている(←だいたい予想つくがな)。
■スローセックスの実践 1:愛撫
本書にテクニック的なことを求めている方は、p.143-168を立ち読めばいい。しかし、セックスに対する性根を入れ替えるという点で、全読すべし。これは、わたしの復習のためにまとめたものなので、ご注意を。
愛撫はテクニック以前に、一つの性感帯にかける愛撫の「所要時間」と全身の性感帯を愛撫していく際の「順番」が重要だという。「あっちをチョコチョコ、こっちをチョコチョコ」と漫然と触っているだけでは、女性の性的快感を敏感にさせられない。一つの性感帯に超ソフトな刺激を一定時間以上継続して与えよと指導する。ここでいう「一定時間」とは3~5分だ。それを、
- 髪の毛の愛撫
- 顔 ←顔は性感帯の宝庫!
- 肩から腕
- 指先
- わき腹を通って腰
- 背中
- 肩甲骨
- おしり
また、「くすぐったいはシメタと思え!」と断言している。女性がくすぐったがる原因は、皮膚の敏感さに対して、それを受信する性感脳の準備がまだ整っていないアンバランスさによるもの。スイッチを入れるためには、まずリラックスさせなければならない。そのために、
- アダムタッチの適用(こうかは ばつぐんだ)
- パームタッチ愛撫法(手のひらを吸盤のように見立てる)
- うつ伏せにして背面愛撫(背中→お知り→太ももの裏側)
- ベビーパウダー・ボディオイルが有効(ローションはNGだってさ)
■スローセックスの実践 2:体位
勉強になったのは「対面座位」。興奮を抑制する副交感神経が優位に立ち、持続力が増すため、スローセックスにうってつけの体位だという。インドの性典カーマスートラでは座位のことを「正常位」と呼び、もっともスタンダードな体位という位置付けにしているそうな。
一方、悪玉はいわゆる「正常位」。正常位はまさに「射精位」とでも呼ぶべき危険な体位だそうな。前傾姿勢になるため神経を過敏にする交感神経が優位に立ち、敏感になりやすくなる。腰を自由に動かすにはもってこいなので、「ファーストセックス」のための体位といえる。自爆行為やね。
経験的に対面座位を好んできたが、これは、肌を密着させることができて一体感を得られやすいから。キスなどのコミュニケートもやりやすいし…期せずしてスローセックスを実践してたわけだ。
■セックス・トレーニング
著者の主張のうち、最も説得力のある一文を引用する。
ああ、確かに。ちゃんと「練習」せずに本番に臨んできたわたしが恥ずかしい。ホットドック・プレスを読んだだけで分かった気になっていた自分を叩いてやりたい。人間は努力します。いい大学に合格したければ一所懸命に勉強するし、スポーツが上手になりたければ練習に精を出します。仕事でも趣味でも、他人より上に行きたいと思えば、トレーニングに費やす時間を長くしたり、お金を掛けたり、効率よくなるようにやり方を工夫したりします。これは誰もが経験則として知っていることであり、やっていることです。それなのに、とても不思議なことですが、セックスになった途端、なぜか「トレーニングする」という思考回路が機能停止してしまうのです。
「オナニーがあるじゃないか」というツッコミ無用。オナニーは射精の練習に過ぎない。100回やろうが1000回やろうが、「射精して自分が気持ちよくなるため」のトレーニングは、何回やっても変わらない。
じゃぁ全くのムダかというと、そうではない。そこで、「スローセックスのための亀頭愛撫法」が紹介されている。マッサージ用のオイルを準備して実行せよとアドバイスしている。さらに、酷かもしれないが、「気持ちよくなってきても、しごいてはいけない」という。
【ロール亀頭愛撫法】
- ペニスと亀頭を握る手のひらにオイルを塗る
- 利き手と反対の手でペニスの根元を押さえ、亀頭に皮が被らないように固定する
- 手のひらの中心部を亀頭に密着させて、手のひらが亀頭の周辺を一周するようにローリングさせて、亀頭の表、側面、裏側をゆっくりと擦っていく
- 3の動きを繰り返す
【指しぼり亀頭愛撫法】
- 利き手を軽く握って輪を作る
- 亀頭の先端からその輪をゆっくり下ろしながら、輪がカリの部分を通り過ぎるまでゆっくりと丁寧に亀頭を擦る
- ペニスの皮が亀頭に被らないように注意しながら、ゆっくりと輪を上げていき亀頭を擦る
- 2と3の愛撫を繰り返す
■著者について
アダム徳永という方で、セラピスト。ロセンゼルスでマッサージテクニシャンの資格を取得。マッサージを施すうちに、女性のカラダには計り知れない深い性感帯があることに気づき、性感帯開発の研究を始めたそうな。
1991年、M&Wオーガズム研究所を創設。最高のエクスタシーが得られる新技法・アダム性理論を確立。2004年、世界にも類を見ない「セックススクール・adam」を設立している。
上記はWikipediaの受け売りなんだけれど、本書の中で、「研究のために、理解ある奥さんの『了承』を経て、1000人以上の女性とセックスを経験してきた」と述べている。超人認定。そして奥さんは秋子さんかと問い詰めたい。
本書は射精第一主義を祓うために有効な一冊となりうる。え? 「童貞のオレには関係ない」って? それマチガイ、童貞こそ読むべし。服を着ててもオンナはカワイイ、脱がすともっとキレイだ。そして、彼女が快楽に身をゆだね、裸身をよじらすさまは、この世のものとは思えないぐらい美しい。
「接して漏らさず」―― 本来別の意図で記された言葉だけれど、「養生」のためだけでなく、相手のためにも、ひいては自分のためにも心得ておくべきだな。
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コメント
こんばんは。
ゆっくり時間をかけて気持ちよくなるセックスはとても
ぜいたくな人生の過ごし方だと思います。
>「射精して自分が気持ちよくなるため」のトレーニングは、
>何回やっても変わらない。
自分の場合「射精までの時間を少しでも長く」しようと年中
無休でしごき続けた日々は無駄ではなかったと思います。
>そして奥さんは秋子さんかと問い詰めたい。
ええ。私も小一時間問い詰めたいです(笑)
投稿: ラッキーマン。 | 2007.06.06 21:55
>> ラッキーマン。さん
わたしの場合なのですが… メシを喰うのも、フロ入るのも、トイレも仕事の締め切りも何もかも、いつもいつも、急いで忙しくしてきました。
だから、ラッキーマン。さんの言う、
> ゆっくり時間をかけて気持ちよくなるセックスはとても
> ぜいたくな人生の過ごし方だと思います
に激しく同意ッす(セックスをオナニーに置き換えても)。
投稿: Dain | 2007.06.06 22:59
こんにちは、私の言いたいことがすべてここに書かれていました。ありがとうございました。
投稿: 早田狼 | 2007.07.22 14:35
スローセックスいいですよね!
バカな女がホイホイ騙されます
女のスローセックス幻想がある限り、まだまだいい思い出来そうです。
スローにするだけで、(本物だ)って思っちゃうんだから
やっぱ女って馬鹿だよなあ・・
投稿: | 2013.06.05 15:49