最近の親はマニュアルで「あそび」を教える
最近の親とは、わたしのこと。だってしょーがないじゃねぇか、「遊び方」は知っているが、「教え方」なんて知らんぞな。
いや、うちの子がね、自転車に乗りたい(補助輪なし)、なんて言い出したのよ。じゃあッ、とサンデー・パパよろしく後ろから押してやるまではいいものの、いつまでたっても乗れるようになりやがらねぇぇぇっ。
google先生に教えを請うのだが、「自転車の乗りかた」は沢山ある一方、「『自転車の乗りかた』の教え方」は見当たらない。
それなら手本を見せてやる、とパパが操って見せるが参考にならねぇらしい。他のガキはいねぇかと見渡しても、乗れてる奴は猛スピードで行ってしまう。そんなモン、誰かのマネして、転んで覚えるもんだ。わたし自身がそうだったし。放っておくか…
しかし、「そもそも、自分がアタリマエにできて、身体化されているものを、どうやって教えたらいいか?」という命題は面白い。しばし教えることに熱中する。
・ハンドルと重心でバランスを取る
・カーブを曲がるときの身体の傾け方
・傾斜がどの時点で"倒れる!"と判断するのか
「オレのマネをしろ」といっても何をマネさせればいいのか? 「もっとちゃんとやれ!」と励ましても「ちゃんと」って具体的に何だ? あまつさえ、「どうしてコレができないんだ!」と叱っても、できないものはできない――
アタリマエと思っていることほど、教えるのは難しい。うまく言語化できない。子どもに分かるぐらい噛み砕いて説明できない。困っていると嫁さんがいい本を見つけてきた。その名もずばり「跳び箱ができる!自転車に乗れる!」。
走ったり歩いたり、物をつかむ動作は、自然に覚えるが、こうした動作を組み合わせる「運動」は、経験を積まないとできない。やらないと、いつまで経っても上手くならない。なわとび、のぼりぼう、うんてい、へいきんだい… こうした「あそび運動」をやれる機会がどんどん失われている。せめてもの罪滅ぼしに、マニュアル首っぴきでとーちゃんが付き合うぞ(情けないが)。
運動を教えるコツがあるそうな(≠運動をするコツ)。動きと伝え方のコツと勘所さえちゃんと押さえれば、どんな子でも必ず運動ができるようになるという。本書では4つ紹介されている。
- 一つの動きを五つの言い方で
- よい動きと悪い動きを
- マネて学ぶ
- 動きをオーバーに
動きを正確に伝えるためには、イメージしやすい具体的な言葉に置き換える。一つの言い方に固執せず、いろいろな「言い替え」をすることで、子どもが一番ピッタリとくる動き方を伝える。
例えば、でんぐり返しのときに、「背中を丸める」という動作は、(1)アゴを引いてごらん、(2)自分のおヘソを見てみよう、(3)頭をひざにつけるつもりで、(4)ボールのように丸まろう、(5)いちばん小さくなってごらん ――といった風に。
■よい動きと悪い動きを
正しい動きは伝えられても、まちがった動作は思い浮かばないもの。ましてや、自分でアタリマエにできることだと、さらにいっそう間違えることは難しい。だから、自分で運動のリハーサルをしてみて「こんな動きをしそうだ」と予想した失敗例を伝えてみるといい。よい例、悪い例の両方を見せる。
■マネて学ぶ
本書の写真を見ているだけで上手くなった気分になれる。しかし写真どおりにマネできない場合がある。そのときは親がお手本になって動いてみせる。子どもは前後左右、上下から動きを見ることで、マネできる。「呼吸」をマネさせることも忘れずに。
マネさせるポイントとして、左右対称の動作のときは向かい合って、非対称の場合は縦横に並んで見せる。
■動きをオーバーに
自分では大きく見せたつもりでも、他からは見えにくいもの。動きをオーバーに見せるコツは、指先に力を入れること。そうすると手足がしっかりと伸びて、自然と動きが大きくなるそうな。
――他にも、3つほめて1つしかる、指摘せずに微笑む、場所や道具を替えるといった、イジケさせないための「教え方」を手取り足取り教えてもらえる。イマドキの親のための教え方マニュアルだな。マニュアル世代上等上等。こんなん、誰も教えてくれなかったよ。
結局、本書の出番よりも早く、自転車に乗れるようになった。まあいい。「のぼりぼう」ができねぇとぬかしているので、コイツで教えてやろう。何よりも嬉しいのは、とーちゃんに「教える」自信がついたこと。でもって、広場で放し飼いにするんじゃなくって、マニュアルに載っている運動は全部やらせてみようという気になっていること。
子どもにとっちゃ迷惑かもしれないが。
| 固定リンク
コメント