ホンモノのエンジニアを見ろ!
読むと咆哮したくなる「我らクレイジー☆エンジニア主義」、(ogijunの)あとで書く日記にて「すごい。読むと泣く。すぐ買え」[参照]とのことなので、読む… … →うっひょー!読むとアドレナリンが出てくるスゴ本だぁッ、ちうわけで痛勤電車内でエンジン全開になり咆哮したくて身もだえ→激しく挙動不審だな(笑
同時に「ニッポンのエンジニア」について、いかに狭い認識しか抱いていなかったかを思い知る。さらに、技術ではなく、人がスゴいんだ、という単純な結論に至る。スゴい技術はスゴい人から生みだされる。日経で賑々しく紹介される最新技術ではなく、そいつを生み出す技術者自身に焦点を当てたTech総研の企画勝ちだね。
会社が求める結果を淡々と「製造」しているわたしにとって、好きなことだけに人生を捧げている連中の言葉は、ズギュンと刺さってくる。例えばこうだ――
大平貴之
プラネタリウムクリエイター
恒星数500万個のプラネタリウムを一人で作った
小濱泰昭
東北大学大学院教授
時速500kmの未来列車エアロトレインを開発
山海嘉之
筑波大学大学院システム情報工学研究科教授
サイバーダイン設立者
ロボットスーツ「HAL」開発者
清水浩
慶應義塾大学環境情報学部教授
世界最速の電気自動車「Eliica」を作った
高橋智隆
ロボットクリエイター
設計図なし!ロボット「クロイノ」製作者
… うがーッ紹介しきれない!というよりも、レジュメなら[ここ]読んだ方が早いし、まとめのつもりでこのエントリ起こしているわけではないので、紹介はこのへんにしておく。
読む前のわたしの認識と違ってて楽しかったのが、アニメの影響。「光学迷彩」で透明人間を実現した稲見昌彦氏が紹介したのが、(やっぱりというかナンというか)「攻殻機動隊」だし、ポストペットで名を馳せた八谷和彦氏は「メーヴェ」(←わかるね? ナウシカが乗ってるやつ)を作ってしまう。
アニメの文化が認識の日本人の『認識の底上げ』をやっていることが実感できる。メーヴェであれタチコマであれ、アニメが描く世界がどれぐらい荒唐無稽ではないのか、見る人が試されてきているんじゃぁないかと。
つまり、ちょっとだけ未来のテクノロジーの可能性を取り込んだアニメを観て、もともとの素養ができているわけ。昔のSF小説を今のアニメが肩代わりしており、どんなに突拍子のない発想も「ありかも?」と考えられるんじゃぁないかと。
もうひとつ、わたしの予想を裏切ってくれたのが、「技術者とカネ」。ひと昔前までは、「技術バカ」=「技術のことに頭でっかちでビジネスにつなげられない→カネにならずに消えていく or せっかくの技術を盗られる世間知らずの半ひきこもり」と思っていた。
しかし、ここに登場するクレイジー☆エンジニアたちは全く違う。発想を実装するためには、何よりもカネが必要であり、それは信用に裏打ちされてついてくるものであり、大人数を要するプロジェクトならマネジメントが不可欠であることを分かっている。その上で行動している。思うように資金が集まらない場合は雌伏して待つ、あるいは別のアイディアを目玉にして食いつなぐ。要するにしたたかで執念深くなったんだ。
ラッシュの電車でイッキに読む。弾かれたように飛び出す。事物が急によく見えてくる、アドレナリンが垂れてくる、エスカレーター無視して階段を2段飛ばしで駆け上がる、やるぞ、おれはやりたいことをやるんだぁッ、と(心の中で)叫びながら全身で朝日に向かう。最初はロッキー・バルボアのポーズで、そして夢原のぞみの決めセリフで。
夢見る漢の底力、受けてみなさい! クレイジードリームアターック!
業界遊泳術はあれど、輝く金の花なんて無いわたしに、わけもわからずやったろうじゃんという気にさせてくれる。それだけじゃなく、会社を飛び出したくなるぐらいアツい気持ちにさせてくれる、ちと毒な一冊。
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