「モテるコンサルティング戦略」は強力なケーススタディ
第1問目をアレンジ、正解はどれ?
Q:アキバ系の君がモテたいと思った。最初に何をするべきか?
- 男は内面が大切。読書や習い事で人間性を深めたり礼儀作法を身につける
- まず外見から。メンズエステに通ったり、髪型・ファッションから脱アキバを図る
- 女は数打ちゃ当たる。ネット&リアルの出会い系に登録しまくり、実践で男を磨け
答えはもちろん2.で、外見がむさくるしいと、何をどうしてもダメ。顔や体型が全て、と言っているのではない(そんなものは服やエステでいくらでも"加工"できる)。重要なのは、最低限クリアすべき条件を満たしていない場合、他のどんなに優れた資質を持っていても、見向きもされないということ。これを、どんな経営学の教科書にも載っている、ハーズバーグの動機付け(衛生理論)とからめて説明しているところが面白い。
とりあえず↑に正解したなら、読む必要はないだろう。不正解だったり、解説にナットクできない方は手にとってご覧あれ。
「モテる」とは、以下の3つを全て満たすこと、もしくは満たすためのスキルを有していること。決して両手に華のウハウハ状態のことではないので、ご注意。
- 女の子とふつうにコミュニケートできる
- 好きな女の子と仲良くなれる
- 好きな女の子ともっと仲良くなれる
「ふつうに」って何ですか? とか、「仲良く」とはどういう状態のことですか? などと本気で訊いてくるなら、本書および以下を読んでも役に立たないので、ご承知あれ。
モテる連中には共通した戦略があり、自覚しているか否かは別として、どんな場合でもその戦略に基づいた行動を取っている。「戦略」という言葉がアレなら、「考え方」「思考ルーチン」、あるいは「メソッド」と言い替えてもOK。要するに、モテる奴にはちゃんと理由がある、ということ。
そうした「メソッド」はHowToモノとして流布しているが、どうしても「オレ流」感が否めない。カリスマホストやナンパ師の「メソッド」は経験談として読むには面白いが、一般性というか何と言うか、「ボクにもできる!」とは思えない。
そんなオレ流モテ理論がまかりとおる中、本書はかなりの説得力がある。
目次を見てほしい。ブルーオーシャン、キャズム、CRM、PPM、AIDMAモデル、Push/Pull、といったビジネス戦略の概念がずらずら並んでいる。一見、これがモテ論? 疑問に思うかもしれないが、要するに経営マネジメントの現場で使いたおされているツールを、「モテるための戦略」に特化して解説しているわけ。
だからこそ、より一般化され検証されている「メソッド」だといえる。あるいは、カリスマしか使えない方法ではなく、誰にでも利用できる「ツール」ともいえる。「ビジネスと恋愛は似ている」といったのは誰だっけ?
しかも無類のとっつきやすさ。各章ごとに「問題」が並ぶ。ギャルゲでおなじみの3択だ。気になる子がいるのだが、アプローチの見当がつかないとか、合コンのメンバーで差別化を図りたい状況で、どの選択肢ならモテるのか? そしてなぜそれが他よりもモテに近いのか? …考えながら読むと楽しい。
もちろん「正解」ではない選択肢を選んだり、解説に納得がいかず「オレのポリシーと違う」と別のリクツをのたまうかもしれない。でもそれじゃループに陥る。主義とか反証をこねくりまわすのではなく、まず受け入れてみよう、「これがモテる考え方か」と。その上で、自分にできることを具体的に考え、実行することによって、得るものがあるはず。
とりあえず、アキバ系を自認しているモテたい奴にオススメ。読んで実践して、成果が出るのに1ヶ月ぐらいかかるので、今から準備しておくべし。

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