頭の悪い人
もちろんいる。議論がヒートアップすると、耳ふさいでぎゃぁぎゃぁ言うオッサンとか。自分の仕事だけで完結し、周囲を完全無視するオッサン(ずっと放置)。相手の言葉尻"だけ"捕えて反論してくるオッサン、いるだけでチーム全体の生産性を著しく低下させているオッサンとか(丁重に送別)。
「○○って、アタマワルイよなー」などと酒のつまみにするのは愉しい。しかし同時に、わたしも同じ誹りを免れないようなことをやらかしていないか、と顧みるきっかけになる。既に反面教師としての価値は償却しつくしたので、さっさと目の前から消え去ってくれ、と念じても詮なし。
「あたまわるい」の定義は人それぞれ。誰が見てもこいつはバカ、といえる場合でも、その当人こそ「周りはみんなバカ」だと思っていることがあるから。素晴らしき哉「相対化」。「そういうアンタはどうなんだ!?」は最強ツールやね。2,000年前にも「罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」と啖呵を切った人もいたし。
こうした事情を承知の上で書いているのが本書。なかなかチャンレンジャーやなぁ、と読み始めて腑に落ちる→「頭の悪い人」の定義。アタマの良し悪しは、IQやガッコの成績、地位と全く違うところで測られる。つまり、
- アタマの良し悪しは、その当人の人生の目標と照らし合わせて考えなければならない、相対的なもの
- 頭のいい人とは、自分の人生目標に向かって最短距離で進んでいる人
- 頭の悪い人とは、人生目標に対して遠回りをしている人、あるいは、親をはじめとする他人のお仕着せの目標を、自分の目標と取り違えている人
だそうな。頭が悪いというのは、バカというよりも「たわけ」に近い意味だね。この定義によると、世の中の「頭の悪い人」は以下の6タイプに分類されるそうな。
- 気づかない人:人の話を聞かない、仕事が遅い、説明がくどい・ヘタ
- 自分がない人:周囲に流される、テレビを鵜呑みする、いつも後悔する
- 頭が固い人:自分が間違っている可能性を考えない、何かヒトコト言い返さないと気がすまない
- 未熟な人:「最近の若いヤツは!」と怒っている、空気が読めない
- 人のいい人:断りきれない、リーダーになりたくない
- バカになれない人:トラの威を借る、ブランドで判断する、知ったかぶりッ子
ああ、思い当たるよ、全部それは、わたしのことだぁ ―― というわけで、自分の「頭の悪さ」を思い知らされる一冊でもありますな。 …あ、でも心配ご無用。「頭の悪い人」の症状と処方箋がワンセットになっているので、心当たりのある人は章末の処方箋を読んで安心(?)できるような仕掛けになっている。1,365円/30分で読めるので、コストパフォーマンスを考慮のうえでどうぞ。

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コメント
この本も面白かったが、話題のビジネス書、サブタイトルが笑ってしまう、「わてかってあほやけど、あんたかってあほやがな。あほに徹すれば何でもできまんがな」の「客が客を呼ぶ集団感染のスゴイ仕掛け」は久々に凄みさえ感じる「打ちのめされるようなすごい本」でした。
あほに徹することができる人とはこの本の定義によれば、実際は頭の悪い人でないのかもしれない。
投稿: 本のむし | 2007.02.03 00:35
>> 本のむし さん
「あほ」ができない人は、自分に自信がないからだとも言われてます── という一般論はさておいて、プッシュされている本「客が客を呼ぶ『集団感染』のスゴイ仕掛け」はなかなかのスゴ本みたいですね~ 教えていただき、ありがとうございます、手にとって見てみます。
投稿: Dain | 2007.02.03 01:04
この客が客を呼ぶ集団感染のスゴイ仕掛け 紀伊国屋梅田本店で週間ベストセラー第2位になってたよ!スゴ本いりだね!
投稿: かなう | 2007.03.11 07:48
>> かなうさん、それから 本のむし さん
ええと、ご紹介ありがとうございます…読むには読んだのですが… 営業を知らないわたしにはスゴさ加減が分りませんでした。常識で考えられる「営業」とは全然ちがうやり方だなぁ、とは強く印象付けられましたが…
自分が「営業」をすることになったら、ぜひ試してみたいやり方ですな。
投稿: Dain | 2007.03.13 00:22