決してひとりでは読まないでください「わたしの人形は良い人形」
こ れ は 怖 い 。夜読むとオシッコにいけなくなると注意され、「まさかぁ、三十路のオッサンに言うことかよ」などとブツブツ言いながら読んだ ―― で、結論:夜読むと、一人でオシッコにいけなくなるので、注意。
人並み以上にホラー耐性はあるつもり。角川よりもハヤカワ、ハヤカワよりも創元の方が、「より怖い」と言えるぐらいは読んできた。小説だけでなく、マンガ、映画、グロから霊まで悪食な分、いろいろ楽しめる体質となっている。
そんなわたしが、ここまで怖い思いをさせられるとは… !
グロなし、血なし、残虐なし、絵がリアルというわけでもなし。それでも心臓が冷たくなる恐怖にワシ掴みにされる。暖房の効いた部屋でぬくぬくと読んでいるにもかかわらず、自分の吐く息が真っ白になっていくような感覚。
ジワジワ、ジワジワと首をしめられ、さあッってときにはズバーンと「出る」。この感覚は、「墓地を見おろす家」(小池真理子)や、「たたり」(シャーリイ・ジャクソン)に近い。ホラーは女性の作品のほうが怖いという法則に気づく。
救いようの無い展開、巧妙な伏線(全て読者に恐怖を与えることを目的としている)、ページをめくりたくなくなる瞬間。半泣きになりながら、嫁さんが同じ部屋にいてよかったと激しく密かに感謝する。
いちばん怖かったのが「汐の声」。最大級の怖い賛辞を贈ろう、「決して一人では読まないでください」とね。
「わたしの人形は良い人形」は、yuripop さんの「ゆりとトラウマンガ」[参照]から教えていただいたのだが、良い趣味です、素晴らしいです→ゆりさん。それから、弟の言うことは本当なので注意して→「ジャック・ケッチャムには気をつけろ」
で、あとはスズキトモユさんのいいつけを守って、山岸涼子作品を渉猟するつもり。
冬こそ、ホラー。しかも、血の凍るやつを。
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