PMP試験対策 2.3.5 「計画」でやっていること(リスク)
ここでは、「計画」でやっていることを説明する。
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「リスク」とは一般に、好ましくないことを指すが、PMBOKでは好機もリスクと定義している。プロジェクトの目標にプラスやマイナスの影響を与える不確実な事象・状態のことを、リスクと呼んでいる。
リスクは二種類ある。「既知のリスク」と「未知のリスク」で、それぞれ、
- 既知のリスク:識別・分析済みのリスクで、対応計画を立てることができる
- 未知のリスク:予測不可。マネジメント・コンティンジェンシー予備を割当てて対処する
とある。重要なのは、「事前に分かっているリスク」は、「何らかの準備をする」か「何も準備せず、監視する」のどちらかになるだけで、その違いは優先度による、ということ。「優先度が高いにもかかわらず、分かっているのに何もしなかった」ことは、決してしない、ということ。また、「このリスク登録簿にないリスクが発生したら、このお金を使う」という予算が、別に割当てられていること(←マネジメント・コンティンジェンシー予備)も重要。
リスクマネジメントは、一定のフローでまわされる。まず、リスクの識別でブレーンストーミングやSWOT、デルファイ法により、リスクが識別され、定性的リスク分析において、発生確率や影響度を出して、優先すべきリスクとそうでないリスクが分けられる。その後、コストや時間がかかるが、定量的リスク分析において、期待金額やデシジョンツリー分析により、リスクが定量化される。つまり、この対策をした場合のプラスマイナスの金額レベルまで分析される。定量化された優先リスクは、リスク対応計画において、リスクへの対応策が割当てられる。残ったリスクやリスク対応策により発生するリスク(二次リスク)は、低優先度リスクとともに、定例会議の議題に載せられ、監視対象となる。
あったりまえのことながら、リスクは計画プロセスで全て明らかになるものではない。実行段階でリスクが発見されることもあれば、リスクが現実に発生してしまうこともある。PMI はプロジェクト初期段階でリスクマネジメントを始めることが重要だと説くが、プロジェクト全体で一貫してリスクに取り組む必要があるとも言っている。それぞれ次のように対処させている。
- 未知のリスクが発見された:リスク分析からのサイクルを回し、影響度・リスク対策とともに報告する
- 未知のリスクが現実に発生した:迂回策を取り、問題を回避する[p.355:PMBOK]
11.1 リスクマネジメント計画
11.2 リスク識別
11.3 定性的リスク分析
11.4 定量的リスク分析
11.5 リスク対応計画
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PMP試験対策【まとめ】

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