必ず笑えるマンガ2006
ごめんね、新年明けから暗い本や怖いマンガばかり紹介して。おわびに、必ず笑えるマンガ、名付けて「必笑マンガ」をご紹介 ―― とはいっても、わたしの趣味に走ってるワケなんだが… 「黒い笑い」「エロい笑い」は避けて、明るい笑い(あははーっ by 倉田佐祐理)を追求してみよう。
以下、昨年読んだ中で、破顔指数の高いマンガを3つ、どうぞ。
読み手を幸福にしてくれるマンガ。楽しい、マンガ読むのがこんなに楽しいなんて―― なんてことのない「日常」がこんなに愉快なものだなんて。読むたびにニコニコできる珍しい作品。「読むと元気になるマンガ」は週刊モーニングの宣伝文句だけど、これは、「読むとニコニコになるマンガ」やね。
元気少女よつばへの視線の暖かさが感じ取れる。彼女の天真爛漫っぷりが引き起こす騒動に、文字どおりハラ抱えて笑う。そのうち、帯のキャッチコピー「いつでも今日が、いちばん楽しい日」が、思いのほか胸をつかんでくる。再読してて気づいたのだけど、物語の視点は、「よつば」でも「父ちゃん」でもない。じゃぁ、作者かというと、そうにも見えない(物語の"動かし手"が感じ取れないので)。この感覚、わたしだけかなぁ… 名うてのマンガ読みたちのレビューを漁ってみますか。
少女マンガなんだが、オトナが(三十路のオッサンが)読んでも笑える。むしろ、大人のための少女漫画だろう。Cookieに連載されてるので、りぼん層の女の子向けかなーと思いきや、あにはからんや、かつて「りぼん」や「なかよし」を読み漁り、今では娘を持つママ向けのマンガなり。小学生ぐらいの娘と一緒に読んでますーなんてママがいるんじゃぁないかと。
このユカちゃんの純真&アホ&破天荒ぶりが笑える。フツーの日常へトンデモキャラクターを放り込んで、そのかき回しっぷりを楽しむマンガは多々あれど、これは、かき回されるオトナたちから漏れ出るアホさかげんが面白い。「台風の目」ユカちゃんの求心力に、「フツーの大人たち」が同化していく過程が面白い。
ひと仕事(?)終えた後にちょろっと読むのに丁度いい「ゲノム」「新ゲノム」の古賀亮一センセイが、成人誌外で出したので、ずっと気にしてた。しかしながら心配無用、古賀節が全開しており、必ず笑える ―― あ、ただし、ケロロ同様、人を選ぶかも。
ドジで天然ボケな見習い忍者シノブは、まさにお約束キャラ。美少女子高校生との百合展開も見逃せないし、オタク的予備知識を要する会話も愉しい。下ネタ、モテ論、ハイテンションギャグの笑える三拍子がそろってる。不思議なことに、読むと腹いっぱい笑えるんだけれど、読み終わるとスッキリと何も残っていない。考えずに笑えるマンガなり。
電撃が二つエントリされたのはご愛嬌。必笑マンガ2006の候補として、「ムーたち」(榎本俊二)は不条理を楽しむマンガなので除外。「さよなら絶望先生」(久米田康治)は、実は未読だったりする(楽しみ~)。最後に:ほら、この3つを見て、いまアナタの頭に浮かんだマンガ…それはきっと、「わたしが知らない必笑マンガ」なので、ぜひご教授くださいませ。
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コメント
初めまして、ある時は楽しく、ある時はうなずき、ある時は「読みたい~でも怖い~」と苦悩し・・といったように毎日楽しく拝見しております。こちらでご紹介のあった「要求を仕様化する技術・表現する技術」は仕様書初作成の私には若干難しい書籍でしたが、非常に参考になりました。篤く御礼申し上げます。
さて、「必笑マンガ」というお話しですので白泉社の「内閣総理大臣 織田信長 」を推薦させて頂きます。作者は志野 靖史さんという方で他の作品は読んだことがありませんが、本作はなかなか楽しい一品でした。412年ぶりに政権をとった(戦国大名としては初の内閣総理大臣)織田信長の活躍がやたらと筆太いタッチで描かれています。
機会がありましたら、是非。
投稿: zemukuripu | 2007.01.09 20:50
>> zemukuripu さん
参考にしていただき、ありがとうございます。「内閣総理大臣 織田信長」は読んだことがありますが、全読していません。メチャメチャぶりに爆笑できそうですねー、探してみます
投稿: Dain | 2007.01.10 00:33
いつも、楽しみに読ませていただいてます。
「アートオブPM」は昨年のベスト本でした。
さて、必笑マンガとくれば、
(1)「バカ姉弟」:安達哲
(2)「おいピータン!!」:伊藤理佐
の2セットをお勧めします。
(もちろん「よつばと!」をいれて3本立てが良いのです)
「よつばと!」の視点は、どこかのレビュでも指摘されていました。
第3者視点のような、音楽PVのような感じでしょうか。
ロードムービーのような感じもありますね。
投稿: okada | 2007.01.10 02:47
>> okada さん
安達哲作品は「さくらの唄」でぐゎんとやられたことがありますが、「バカ姉弟」は面白いですね。全読はしていませんが、確かに必ず笑えるマンガかも… いっぽう、「おいピータン!!」は、ぜんぜん知りませんでした。教えていただき、ありがとうございます。伊藤理佐作品は、「モモちん 」で転げまわるほど笑った記憶が…
投稿: Dain | 2007.01.11 07:15
こんにちは
大人男子読者です。
拙者も 正月に「きせかえユカちゃん」は7巻まで読みました。
たしかに必笑ー。
なんなんでしょうこの楽しさはっ。いい正月だったなー。
おしゃれ好きの少女読者やそのママだけに読ませとくのは
本当にもったいねーですね。
勝手に21世紀のサザエさんか、なんて思ってますが、
多世代大家族ものや アパートもの のようなかんじがありますね。
核家族や独身者の間を 子供たちがつないで
みんながうそみたいに大家族みたいになっていくのが
面白いのかなあ。
だんだんヒトコマに いったい何人はいっとるんじゃ、みたいな
ギュウギュウヅメのコマがふえてきて 爆笑です。
一人づつに焦点をあてても 主役になれる面々も魅力。
皆が集まってしまう中心が あいそが良いほうとはとても言えない
「お前ら 他に友達つくれっ」と叫ぶユカ母(笑)というのも おかしいですね。虚飾のない人だからか。
屈折した真澄やゴスロリ少女も なついてしまう不思議な魅力。
ファミリー関係者と失恋したボインなんかも 彼らともう縁がないはず
なんですが そのままファミリーの一員のまんまというのもおかしい。
単に他人のプライヴェートに面白がって首をつっこむだけでなく、
その後もずっと目をかけてやってるんですね。そんな面も、
たんにギャグにおわらない良さがありますね。
さて 拙者推薦の必笑マンガは
「妄想少女オタク系 1,2巻 紺條夏生 作 」
高校生のオタク女子2人と非オタク男子2人の異文化激突ラブコメ。
http://www.akibablog.net/archives/2006/12/post_945.html
お互いの脳内の妄想がまるでちがう この異文化な男女の間に
愛の相互理解は成立するのか?というまじめな話なんだけどギャグ。
いま話題の腐女子の頭の中身に笑撃がはしりました。
投稿: rainywoods | 2007.01.13 19:22
>> rainywoods さん
おお~!ここにも同志がッ
「ユカちゃん」楽しいですよね~
何回も爆笑しちゃいますよね~
娘があんなふうになったら頭抱えますよね~
「妄想少女オタク系 」はメガネっ娘がずーっと気になっておりました。
これを機に…
投稿: Dain | 2007.01.15 00:37
こんにちは
このページを開いてみると「標題と異なり」一見オタク系でないとダメな雰囲気が....内容を読むと「よつばと」は違いそう。
私は吉田戦車とか好きでしたが、黒い笑いになっちゃいますね?私から見ると、オタク系の方が黒く見えます...。私、ズレてますか?今日も仕事なんで...(p_-)
投稿: 鉛のZEP | 2007.01.21 12:25
>> 鉛のZEP さん
戦車好きですよー、とはいっても、不条理マンガの古典あつかいされちゃってますね… でもって、ズレているのはわたしの方なので、ご心配なさらずとも。
投稿: Dain | 2007.01.22 07:32