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嫁とKanon

 結論:結婚のおかげで、より深く自分を知ることができる。ただし、カミングアウトは離婚されない程度に留めておきたい。つまり、ヲタ趣味はほどほどにってこった。

 自分の嗜好についてこれほどセキララに暴かれているのは、結婚という場においてのみ。自室どころか、居場所は座布団の上でしかないリーマンパパにとって、プライベートな空間なんて、あるはずがない。

 二人暮らしのときは嫁さんが、子どもができると子どもが、いつもくっつきたがるので、うっかりエロ本なんて見てられない。やれやれ寝静まったとエロビデオを見てたら嫁に見つかった ―― なんて微笑ましい話では断じてない。深夜 25:00 、コソーリ点けて「おおっ」「うわっ」「さすが京アニ」と感嘆符をまき散らしながら鑑賞していると、いきなりドアが開いて、

「何やってんの?」

 詰問口調の嫁(←てっきりエッチビデオだと思ったらしい)

 精神的にはズボン半分おろしている状態だったので、人生史上かつてないほど慌てふためくわたしを軽く睨むと、嫁さんの目線はテレビへ。

       ♪足元に風~ 光が~舞った~

「何コレ?」

       日常にだけ~積もったぶんの奇跡が~♪

… あ、アニメ

(盛大なため息をついた後)「もう遅いから寝なさい」

… はい

 リモコンを手にする。100メートルを35秒で全力疾走するあゆの勇姿が消える。さぞかし怒られるだろうかと首をすくめていると、何も言わずに寝入っている。

 翌日、子どもが寝静まって嫁さんと二人のときに、再生する。バレたからにはもういいや、という気持ちがあったのかもしれない。で、嫁さんの感想 ――

  • これはあなた好みではない
  • どうせ女の子が病気になるか死ぬかするんでしょ(←観鈴ちん)
  • あんたの好みは、気が強くってツンツンした女の子でしょ(←ハルヒ様)
  • プリキュアなら右のほうでしょ(←ほのか嬢、および舞ちゃん)
  • こんなタレ目のふわふわしたアニメは好みじゃないでしょ(い、いや、それは違う…後半は怒涛の展開となるぞ)

… よく把握しておられます、さすがです。

 ああ、どうしてこんなアホだんなと一緒になってしまったんだろう… とブツブツ言い出す。いいじゃん、オレが幸せなんだからというと、光速で睨まれる。

 しかし、嫁さんは気づいていないのだろうか? もちろん笑ってる顔が一番だが、二番目にかわいいのは、軽く睨んだ猫目であることに。オレはこの目に陥落したんだと告白してもふざけていると受け取られるので、沈黙は金。

 惚気さておき、ただいま完全に名雪モード。第1話だけで9回くり返し観ている。さすが京アニ、恐ろしいまでのクオリティ。あの"止め絵"に命が吹き込まれていると思ってくれてよろし。最大の心配「アゴ」は杞憂であったことに胸をなでおろす(前作は酷かったね)。

 名雪とあゆの分岐をどう折り合いをつけるかが、次の心配。遙と水月のように、どちらかを選ぶことは、もう一方は選ばれなかったエンディングへ向かうことになる。思い出せ、ここでは等価交換の原則が適用されるのだ→「何かを得るためには同等の代価が必要になる」

 あるいは、等価交換の原則は視聴者に適用されるのかもしれない。脳裏をよぎった売り方は、あのね商法

  1. 全員分のストーリーを個別シナリオの分岐点まで放映
  2. 個別のシナリオへは、それぞれDVDを買って頂戴

あるいは、

  1. 名雪シナリオをメインに放映(前作の名雪は不憫すぎる)
  2. あゆのシナリオは、それぞれDVDを買って頂戴

 とりあえず、ひとさし指をたてて小首をかしげながら、「…だよっ」とする名雪は脳内嫁に決定だぁっと心の中でケモノのように叫ぶ―― リアル嫁が浴びせる鋼の視線のもと、小動物のようにぶるぶると震えながら。

N/A

 そういや嫁さんが言っていた、

この舞台は、富山市だねー

 な、なぜ分かる?

路面電車とか街の雰囲気とか、街を見下ろすような場所があるとか

 いや、違う、今回の聖地は、札幌ナリ。なまら語が出てくるかとヒヤヒヤしながら観ている。期待・出来・満足感を全て充足しているのは、EVA以来。さすが、20世紀のガイナックス、21世紀の京アニと言われるだけある。

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コメント


 えーと。初めましてです。めるくまーると申します。ちょい気になったので。

 私は富山市の駅前近くの出身なのですが。

 あんなオサレな町並みでわありません。町を見下ろすとこはないわけではありませんが、車で30分ぐらいかかるし町から遠くなるからあんな縮尺にはなりませんし。

 路面電車ももっとアレなデザインです(最近ちょっとマシにリニューアルしましたが)。

 だから。えーと。

 Dain様、ご安心くださいませ。(何がなんだか)
おっしゃる通り、あの街は富山ではあり得ません。
 もしも富山がモデルだったら、Uターンして永住します私。

投稿: めるくまーる | 2006.11.06 02:05

>> めるくまーる さま

情報ありがとうございます
実は、聖地は判明しております
ここで検証しており、ほぼ間違いないでしょう
http://www5.ocn.ne.jp/~yoc/gra.html#20061102

また、別のソースによると、現在あゆが○○状態でいる場所は、札幌市白石区南郷13丁目にある恵佑会札幌病院との未確認情報が入ってきております

さらに、驚くべきことに第一話+Preludeの時点で特定されており、既に幾人かの巡礼者が参内を済ませているとのことです

この時分では水瀬家が特定されるのも時間の問題ですね
いずれにせよ、google 御大万歳、と申し述べておきましょう

投稿: Dain | 2006.11.06 23:46


おぉぉ聖地!
なるほど。これからは、おねティやひぐらしの時みたく巡礼されていくのですね。

 やっぱみんな、鯛焼きor肉まん頬張りつつ散策されてるのでしょうか。

 …そーいや今年の冬コミは、いつもは出ない鯛焼きの屋台が出てるかもー。

投稿: めるくまーる | 2006.11.16 11:58

>> めるくまーる さん

続報なのですが、名雪に案内された街が札幌某所である一方で、あゆとデェトした場所は元町(横浜)という、空間的な"ねじれ"が一部で発生しております。

TVアニメ『kanon』舞台探訪レポート(横浜元町編)
ttp://habusan.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/tvkanon3_a440.html

元町なら行けない距離でもないので、そのうち巡礼に逝きたいですね。
その際、鯛焼き・肉まんだけでなく、来月吉野家に戻ってくる「牛丼」も抱えて逝きたいと考えております。

投稿: Dain | 2006.11.16 23:03

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