シルバーチャイルドで度肝を抜かれる
スズメバチの鮮やかな体色は、もちろん警告のメッセージ。アルカロイド系の猛毒を持つヤドクガエルは見たら即、「触ってはいけない」と思うだろう。
本書も同じ。この表紙を見た瞬間、読まないほうがいいと感じた。なんたって気味が悪い。この化け物(?)が妙に人間じみているのが恐かった――で、嫁さんの最近のオススメは、よりによってこれなんだ――「シルバーチャイルド」
「ちょっと恐いけど面白いよー」なんて、いたずらっぽい目ですすめてくるから、読んでみて――びっくりした!! 最初の1ページ目から恐がらせていただいた。嫌ぁぁぁぁっという出だしがずっと引っ張られる。
章により人称と話者を切り替えることで、複眼視点から核心をあぶりだそうとする書き方、しかも皆「ある場所」へ向かおうとするミッションを抱いている、彼らの身に起きる変化… そこで、S.キング「IT」あるいはD.クーンツの「ストレンジャーズ」なんかを思い出す(古ッ)。
しかし、本書は軽々と凌駕している――何が? 著者の想像力が。「IT」は結局○○○のトラウマ話だし、クーンツには○○○○の封印された記憶の話をミステリチックに展開したに過ぎない(急いで申し添えておくと、両書とも優良作なり。そして読み始めると囚われる、page turner なことは保証する)。で、途中まで同じだーと半確信をもっていたんだけど、ミステリだとか、ホラーファンタジーといった範疇を飛び越えて、なんだかとんでもない話になってくる。
さらに、2巻目に突入すると、とんでも具合にターボがかかり、どこへ行くのか分からなくなる。「なんじゃこりゃあぁぁぁっ」と叫びながら一気に読む。巻末の解説に本書を一級のモダンファンタジーと賞すが、これ、ファンタジー?
突き抜けてる、突き出ているよ、これ。そして、この「おぞましさ感」は比較しようがない。トドメのラストが示す先は明らかにファンタジーの重力圏外。装丁や段組を考えると児童書だけど、いいのかコレ、子どもに読ませて? エロ・バイオレンスは無いけれど、世界の枠を軽々と突破させられるこの感覚は、「児童」にゃ行き過ぎかも。
| ![]() | ![]() |
| 固定リンク





コメント
漫画アニメ風の、このイラストは想像力をそぎ落とす最悪な絵だとおもいます。
マンガに慣れた子供が手に取りやすくするためでしょうか?
内容の素晴らしさをこの絵で表現できるとは思えない。残念です。
投稿: | 2013.11.01 04:19
>>名無しさん@2013.11.01 04:19
激しく同感です。そして、ご指摘の通り、手にとってもらわないと始まらないので、アニメ風にしてあるのでしょう(この表紙を超える想像力に驚かされることを期待して)。
投稿: Dain | 2013.11.02 07:15