読んでから死ね!
「読まずに死ねるか!」は内藤陳のスゴ本リスト。ミステリ・冒険小説中心となっているため、お好きな方向けだな。いっぽう、「読んでから死ね!」は、いわゆる名作・名著を網羅的に挙げようとする面白い試み。
「読んでから死ね!」という挑発的なお題に煽られて読むが、最後まで普通感がついてまわる。著者は放送作家を生業とする人らしい。名著を片端から読んでまわるのが趣味のような方で、「その本を読むことそのものが目的」「名著だから読まずに死ねるか」というスタンスで本を選ぶ。
その本を読む理由が、「名著で大著だから」というのは、まるで中学生のような言い分で微笑ましい。きっと「読んだ!」という実感以外の何も残らないだろう。それでも振り返って積ン読ク山脈と向き合って、自分のトシを考えたとき、「ああ、オレは死ぬまでにこれを読みきることができるのだろうか? 」なんて嘆息するところは、非常に身につまされる。
人生は短いし、読む本は多い。
だから著者のやり方に従い、名著だけを選別して、大著から順番に、ノルマを決めて(専用の時間を割当てて)、読む… なんて、そんなのイヤだっ
読みたいリストはもちろんある。あることはあるが、気分により割込み上等だし、ある本を読んでて類書を併読・続読するなんてしょっちゅう。そもそも平行読みがデフォルトで、面白けりゃ徹夜一気読み、どんなに「めいちょ」でも合わなきゃ放りだす(それでも縁があると戻ってくるから不思議)。
本との向き合い方はかなり違うけれど、「失われた時を求めて」を読破したことを自慢そうに語られるとハラが立つのはなぜだろう? 嫉妬からくるヒガミ?

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