エロ文学「眠れる美女」で匂いに悶える
ええ、もちろんエロオヤジですよ。エロ大好きだけど「エッチ」はいただけない。わたしゃヘンタイじゃない。それでもヘンタイに限りなく近いところがエロの極意であることを悟りつつある今日この頃なので、その辺で良さげな作品をピックアップしてみる。
今回は川端康成「眠れる美女」。
ひとことで表すなら、「これはエロい」だな。
ひとことで喩えるなら「マンガにするなら陽気婢で!」だな。
挿入も濡れ場も無し。にもかかわらず、動機がエロい、描写がエロい、展開がエロい、オチが○○、完全無欠、逃げ場無しのエロさ。ノーベル文学賞だかなんだか知らないけれど、この人の作品を教科書に載せていることがエロくて顔真っ赤にして反撃したくなる。川端康成といえば「掌の小説」がいいなぁ、と思っていたが、こんなにエロい(当時の用語では退廃:デカダン)のを書いてたなんてっ。
白眉なのは匂い。小説読んでて「匂い」をこれほどまぢかに感じ取るのは珍しい。おんなの生々しい匂いなら他の小説でかいだことがあるが、濃いきむすめの匂いをシミュレートできるのは本書だけ。女の本質は匂いだ、と言い切るわたしにとって、おもわずガシッと握手したくなる。確かに、薬で深い眠りに陥った美女たちとコミュニケートするには、匂いでしかない。こちらは○○したり△△したり、いろいろできるだろうが、その反応といえば… やはり匂いだろう。
エロを追求している読み手に、ふと老いの本質に迫る文章が突きつけられる。みずみずしい裸の肉体をそばにすると、老いは、より対照的になる。
世界最高のコストパフォーマンスを誇る日本の風俗業は、介護産業をしのぐだろうな。その際、このような「ニッチ」な添い寝サービスもありうるな、と半ば冗談でも思わせられる。
しょっぱなからして誘うような文章。お気に召したら、召し上がれ。
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