東京大震災から生き残るために
首都圏において大規模な震災が予想されているにもかかわらず、対策はお寒い限りのようだ。特に、「首都機能の一部を地方へ移転」がいつのまにか「首都移転」に読み替えられ、さらに知らぬうちに葬り去られている以上、この地はさらに混沌の限りを尽くすだろう──その日まで。だから、何も起きていない「今」その準備をする。
同じ動機で「パパは必ず、歩いて帰ってくる」[参考]を書いたが、強化すべき点と考え直す部分がありそうだ。今回参考にしたのは「スーパー都市災害から生き残る」と「大地震──死んではいけない」の2冊。
「スーパー都市災害」は「東京」「地震」を中心キーワードに、かつそれに固執せず、人災、風災、火災、水害なんでもござれで、来るべき日への準備から生き延びる術(と減災のための行政・企業側の打ち手)を紹介している。「サバイバル」(さいとうたかを)が「起きてしまってからどう生き延びるか」なら、これは「いずれ起きる日のために今すべきこと」が書いてある。「大地震──死んではいけない」は、さらに具体的に準備すべきことが分かりやすく紹介されている。ネットを漁ればノウハウ集は沢山あるが、網羅性・一覧性でここまでまとめたものはないだろう(電源なしで閲覧できるし)。
■備えあればうれしいな──まだ起きていない「今」すべきこと
- クツ──カイシャに履いていく靴は、なんちゃってビジネスシューズ。革靴は走れないし、長時間の歩行にも不向き。黒または茶のウォーキングシューズでごまかしている
- 帰宅支援マップ──「歩いて帰る」人向けのマップは常に携帯。ただし、徒歩帰宅は最終手段とする。東京は脆弱な街だが、復旧は早い。安否の確認が取れるならば、最初の72時間はむやみに移動しないほうが良い場合もある
- ラジオ──生死を分ける決定的なのは情報だと痛感。100円ショップで複数購入、会社や自宅のあちこちにおいておく。アバウトさ加減が良いとのこと
- 携帯充電器──阪神・淡路大震災の時、携帯「電話」はまず使えないが、携帯「メール」は有効とのこと。そのために充電器は必須。イザというとき、携帯はメール専用機として使うつもり
- ライト──地下鉄をよく利用するので、停電時には必要となる。ビル・エレベーター内、地下など、都市部は密閉空間にいる場合がほとんど。非常灯が頼りになればよいが、自助のために準備しておく
- 水とカロメ──普段からお茶じゃなくてペットボトルの水をたっぷり飲んでいるのは、いざというときのため。カロメともども、会社の机に常備
- ポリタンク、非常食、非常携行品──家庭に常備、非常食は一年に一回買いなおす(古いのは食べてしまう)
- 電車──先頭と最後尾車両は、衝突・追突のおそれがある。連結部やドア付近は構造上「弱い」部分。JR福知山線脱線事故からも示すとおり、電車で最も安全な場所は、車両中央部。隣の人をクッションにできる
- エレベーター──都の発表による閉じ込め被害予想人数は6,000名。この中に入ると、脱出までに数時間を要する。だから常にボタンの前に立つ。イザというときは全部のボタンを押してさっさと脱出する。防犯上にも良し
■東京大震災から生き残るために
- 最初にすること──自分・家族の安全と脱出経路を確保。そのときいる場所、時間によって最も安全な場所を確保する(それを念頭において普段から行動する)。机の下、クッションをアタマに、買い物カゴを被る、ドアを開ける(柱が傾くと開かなくなる)、非常口を確保する…
- 次にすること──安否の確認。171、i モード災害用伝言板、電話は輻輳必至。イザとなれば張り紙で。非常時の公衆電話はコインなしで使える(場所を確認)。安否の確認方法は予習・シミュレートしておく
- 情報と判断が必要なこと──帰宅難民になること必至…だが、本当に帰宅する必要があるのか? 安否確認が取れている、帰宅ルートの被災状況が不明なら、その場所にとどまって救助・復興活動に協力したほうが結果的に吉
- 常にアタマにとどめておくこと──あきらめるな。けれど数珠はいつもポケットに
これらの発想は防災ではなく減災。災害を「防ぐ」ことなんて土台ムリ。起きてしまった被害を最低限に抑えるための準備を、今からしておく。しかし、起きたことには祈るほかない。だから、毎朝会社に行くとき、数珠は、今でも肌身離さず持っている。
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コメント
はじめまして
災害に備えるものとして、携帯用トイレも備えておきたいところですね
災害発生から仮設トイレ設置までの期間において、水洗トイレは機能しないからだそうです。阪神・淡路大震災のときも、トイレは問題になっていたようです。
投稿: SaDa | 2006.07.17 12:52
>> SaDa さん
おお、忘れてました、アドバイスありがとうございます
特に「大地震──死んではいけない」にトイレの重要性(と携帯トイレの紹介)がありました。災害発生から3日間は生き抜け、とあります。家族分のトイレのストックは確保しておこうかと
投稿: Dain | 2006.07.18 06:51