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JAPAN UNDERGROUND を絵本がわりにする

 まずはこの画像[参照]を見て欲しい。岐阜県神岡町のスーパーカミオカンデだ。

 東大宇宙線研究所の光電子増倍管が1万1,200個張り巡らされた地下1キロにある観測タンクの修理風景。説明なしだと何のことやら分からない実存まるだしの施設風景。

 裸むきだしの構造物を眺めているだけで飽きない。その設備に求められている要求を厳密に愚直に具現化しただけのオブジェクト。それが、ごろんと転がっていたり、撮影者の空間全体を囲んでいる。

 眺めていくうちにだんだん恐くなってくる。あの「巨大な物が怖いという」まとめ[参照]と同じ。あるいは、PS2ゲームの「ICO」で恐怖に近い畏怖を感じるのは、あの城そのものだといえば分かってもらえるだろうか。アニメなら、「AKIRA」でアキラが格納された地下施設を思い出してもいい(古い?)。はじめて見たときの感覚が冷たく思い出されてくる。
JAPAN UNDERGROUND
 そういう、かつてトーチャンを魅了して止まなかった"JAPAN UNDERGROUND"を、子どもに絵本代わりに与える。いつまでも「11ぴきのねこ」や「どうぶつずかん」もなかろう。

 結果は大正解。

 「うわすげー」しか言わない。巻末の解説を噛み砕いてやると目をギラギラと輝かせて聞き入る。でっかいビルや飛行機を見るのが大好きなので、ツボにハマったらしい。

 いっぽう、その裏側(というか大深度地下世界の果て)に、実存まるだしの世界が広がっていることは、カルチャーショックになったかもしれん。情緒教育に多大なる(悪?)影響をあたえそうな予感を孕みつつも、喜んでいるので良しとするか。

 非常に興味深いのは、砂町水処理センターの航空機用ガスタービンの画像を見たときの反応。「なにが産まれて来るの? オルフェノク?」 とぬかしやがった。たしかに、異形の存在の、子宮卵巣に、見えなくもない。

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受信: 2006.04.21 12:30

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