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「アクアリウムの夜」を読みながら「それなんてエロゲ?」

 暗黒青春小説。読みながら幾度も「それなんてエロゲ?」という質問を独りごつ。しかし、(当然のことながら)濡れ場がないので期待して読んで壁投げしないように。

 文体がイヤらしい。まとい付くような書き方で、描写文が沢山あるにもかかわらず、実感がわかない。例えば、「激痛が走った」とあっても、まるで現実感がない。著者はどう痛いのかを想像して書くよりも、キャラを痛めつけるシーンだからそう書いているだけ。そうした意味でもテキスト系アドベンチャーゲームを彷彿とさせられた。

 ラノベで期待すべきことの一つにキャラ萌えがあるが、「メガネ/妹/ツインテール/どじっ娘」の全ての要素が欠けているトコが致命的…と書いたところで気がついた。初出が1990年だから仕方がないか。お姉さんちっくなキャラが2人も出てくるが、敵と化す

 ラストがどうなるかは中盤で分かったため、伏線がダルかった。ただし、学祭の演劇で高橋が落ちてくるシーンは、映画「キャリー」や「女優霊」を思い出してゾっとできた。ここの描写は秀逸なり。amazon「アクアリウムの夜」の紹介文を引用する。

 僕と高橋が見たのは、その水族館にあるはずのない、地下への階段だった。霊界ラジオから聴こえてくる謎めいたメッセージに導かれ、僕たちは現実と異界との間をさ迷い始める……。青春ホラー・ノベルの傑作登場!

で、読後感は… ダルい、またはもの憂い。

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