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胸なんて脂肪です。偉い人はそれが分からんのです

俗に万能細胞と呼ばれる幹細胞(stem-cell)を用いた再生技術の革新により、シリコンの代わりに生体組織を用いた豊胸が可能となった。

これは、自分の脂肪を使って幹細胞を作り出し、それをカスタマイズして胸に注入することでおっぱいをでかくする「究極の脂肪リサイクル」といえよう。

「胸なんて脂肪です。偉い人はそれが分からんのです」ある後輩が吐いたこの言葉は名言でもなんでもなくただの事実。しかし悲しいかな、ほとんどの毒男はこれに気づいていない。地球の重力に引かれるようになって初めて、彼女のそれが脂肪でできているに過ぎないことに気付くのだ。

「おっぱいには、夢がいっぱい詰まっている」別の後輩は言う。おまえの夢だろというツッコミをこらえて、夢の代わりにシリコンパットが入っていたらどうするかね? ムスカ的な質問にも、この技術はクリアしている。つまり、生体組織のため、破裂の危険性は一切ないし、自分の組織を使うことで拒絶反応の恐れもない。さらに、胸のみならず、唇といったセンシティブな組織への適用も可能という。

ただし、この脂肪リサイクル、問題点も多々ある。

問題のひとつ。生体組織に血液を供給する有効な手段がない。生きているのだから、当然血液が必要なのだが、現在のところ、体内に注入した組織へ効率的に供給することができないらしい。

まだある。「成長を止める方法が見つかっていない」という問題は深刻かも。生きているのだから、細胞分裂し、殖え続けようとする。いったん注入したら最後、延々と大きくなり続けるおっぱいって、かなり怖いかもー

最後に。この200年間、おっぱいの形やサイズを増強するために入れられたモノは以下のとおり。

 19世紀は象牙や海綿が胸に挿入されていた。

 1940年代になって、パラフィンやシリコンの派生物が直接胸に注入されていた。

 1960年代になって、シリコン・ゲルが導入されたが、一部で食塩水ではなく醤油が使われていた。

以上、Grow-your-own breast implants on the wayからの妄想。

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「ダレン・シャン」はスゴ本

今年No.1スゴ本。え? 去年も言ってなかったかって? うん。ただし去年は途中まで、今年は全12巻を読み終えて、あらためて思う「びっくりした、おもしろかった」と。

私がガキだった頃はルパンとファミコンだったのが、今じゃダレンとPSPかよ、最近の子どもは恵まれてるなーっと、子どもだけに読ますのはもったいない、ここんとこ面白い本が無いと嘆くなら、これを読むといい、折り紙つきだ。

ただ、1冊 1,680 円 × 12 巻なのはちと割高かと。それこそ1冊1時間で読めてしまうので、図書館を利用するとよいかも。ちなみに近所の図書館で検索してみたら、最終巻は 200人待ちという人気っぷり。

現実の世界はきたないし、とても厳しい。主人公がどうなろうがおかまいなしで、ハッピーエンドなどそっちのけだ。人は死ぬし、けんかには負けるし、悪が善に勝つ
このことを、話に入る前にたしかめておきたかったんだ

ここであらすじを紹介するつもりは無いし、(読む気なら)探して知ろうとしないこと。もったいない。形容詞だけで話すほうが易しいし優しい。すなわち、「ダレン・シャン」シリーズは、ダレン・シャンが主人公の「どきどき」で「はらはら」で「わくわく」で「手に汗にぎりながら」「ページを繰る手ももどかしく」どんどん読めて、どの巻の最後で「あっとびっくり」し、「次はどうなるんだー」と叫びたくなる物語ナリ。

その点でamazonは罪深い。紹介文や読者レビューでバレを力いっぱい書いてしまっているので、推理小説の犯人に○印を付けているようなもの。amazonで買う人はスクロールせずにカートに入れたほうが吉。

これから話すことはひとつ残らず、本当に起きたことだと信じてほしいからなんだ

ダレン・シャンはもちろんペンネームで、本名はダレン・O・シャネッシーといい、1972年7月2日生まれのアイルランド人。6歳までロンドンで育ち、後にアイルランドのリムリックへ引っ越す。大学のときいったんロンドン生活をするが、その後再びリムリックに戻り、作家デビューするまでケーブルテレビ会社で働く。

家族は両親と弟。ちなみに、母親は、教師。

ダレンはずっと作家にあこがれていた。14歳のとき最初のタイプライターを買い、いくつかの短編小説やコメディの脚本を書く。15歳のときTV脚本コンペに次点として合格し、最初の成功の味を占める。題名は"A Day in the Morgue"(モルグでの1日)。

17歳のとき最初の小説"Mute Pursuit"(無音の追求)を書くが、お蔵入りとなった。「ターミネーター」と「ダークタワー」を混ぜたようなお話らしい。以降、大学や会社員とかけもち時代には年1冊のペースで、フルタイムで執筆するようになってからは年5冊のペースで出せるようになる。もっとも「ダレン・シャン」の販促で世界各地を飛び回るようになってからはペースが落ちて、最近では年2冊程度らしい。

彼は始めから児童小説を書くつもりはなかった。1999.2の作品"Ayuamarca"は「ゴッドファーザー」と「ナイトオブザリビングデッド」を混ぜたような話だ。

結局、彼の作家生命を決定付ける本「シルク・ド・フリーク」が出た2000年がダレンとしての経歴の転換点だったことは間違いない。彼は、この本で多数の読者を(子どもの読者を)獲得し、「ダレン・シャン・シリーズ」を書き始めることになる。そして最初の2冊の本の映画化権をワーナーブラザーズと契約し、彼のキャリアは一気に飛びぬけたものになる…

ここからはバレになりうるかも。著者が好きな小説の紹介なので。ダレンが好きな小説は(反転表示)「呪われた町(S.キング)」「秘密の花園(バーネット)」「指輪物語(S.トールキン)」「幼年期の終わり(クラーク)」「ウォーターシップタウンのうさぎたち(R.アダムス)」「ハイペリオン(ダン・シモンズ)」「怒りの葡萄(スタインベック)」などなど…

ダレン・シャンのオフィシャルサイトshanvilleの紹介。上記の著者経歴もここを参考にしたのだが、それだけでなく、BBS、ギャラリーなど盛りだくさん。特にギャラリーが見もので、各国の「ダレン・シャン」の表紙を見ることができる。

「ダレン・シャン」は、日本、イギリス、アメリカ、ドイツ、イタリア、アイルランド、ハンガリー、中国、韓国、台湾、オーストラリア、ニュージーランドで出版されているが、それぞれの表紙にお国柄が出ていて興味深い。総じて、ヨーロッパではおどろおどろしい絵だが、日本以外のアジアだとファンタジー色が前面に出ている。恐ろしい話でもあるし、ファンタジーなところもあるので間違ってはいないけれど、日本の田口智子さんの幻想的な絵画調の表紙の方が最もしっくりくるような気がする。

ちなみに日本のダレン・シャンのオフィシャルサイトはここ(未読の方は行かないほうが吉)

さて、最後にもう一度。子どもだけに読ますのはもったいない。「最近面白い本ないなぁ」とお嘆きのあなたに、オススメ。

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「マルドゥック・スクランブル」はスゴ本

近年まれに見るスゴ本→冲方 丁「マルドゥック・スクランブル」。面白いというよりも、スゴい。これは「少女と敵と武器」についての物語だと筆者はいうが、「価値」を見出す過程をつづったビルドゥングス・ロマン(成長譚)と読んだ。

バレ抜きの紹介文は裏表紙より引用する↓

なぜ、私なの?―賭博師シェルの奸計により、少女娼婦バロットの叫びは爆炎のなかに消えた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にしてネズミ型万能兵器のウフコックだった。高度な電子干渉能力を得て蘇生したバロットはシェルの犯罪を追うが、その眼前に敵方の担当官ボイルドが立ち塞がる。それは、かつてウフコックを濫用し、殺戮のかぎりを尽くした男だった…弾丸のごとき激情が炸裂するシリーズ全3巻

ここからバレ入り。バレは反転表示。

死線を超えて甦った彼女は驚異的な空間認識力を得る。何にでも変化できる万能兵器ウフコックを使い、正確無比な射撃で「敵」を仕留めてゆく。陶酔感をまとった「圧倒的な力の行使」は「マトリックス」や「リベリオン」を髣髴とさせる(筆者はその前に書いたという)。いや、たとえ観ていたとしても弾丸で弾丸を弾き飛ばして軌跡を変えたり、突きこんでくるナイフの切っ先に合わせて剣で突くなんて、まず書けない(思いつかない)。まるで彼女の一部であるかのように自在に変化(ターン)するウフコックは「寄生獣」のミギーを思い出す。寄生獣では「剣」に変化したが、ウフコックは「銃」に変化する。読みどころのひとつは、凄まじいまでの銃撃シーンだろう。GONZOがアニメ化する発表があったが、ここが見所になるだろう(ここ"だけ"しか見所がないようなことになりませんように)。

心配の理由は、物語の主軸は「有用性をめぐる自分の価値をいかに示すか」にあるから。激しい戦闘の描写に霞みがちだが、バロットも、ウフコックも、「敵」となるボイルドやシェルでさえ、自己の価値を見出そうとする…飛び交う弾丸や、血漿や脳髄の中に。

有用性とは「目的に対してどれだけ役に立つかを図る尺度」だ。どれほど有用性を顕そうとも、その目的が分からないのであれば、どう顕してよいかすら分かるはずも無い。ボイルドが自分の"有用性"を繰り返し雇用者に確認しようとし、その顕し方が"皆殺し"にしか向いていなかったのは、目的が与えられていなかったからに他ならない。

ドアノブがドアノブの形態をしている理由、ハンドルがハンドルの形をしている理由は、「回すため」という目的に添うためだ。目的を達成するために最も近い形をとること、それが道具としての有用性だ。しかし、有用性に価値を見出すことと、目的に価値を見出すことは異なる。「完璧な銃」は、火を噴かなければ、己が有用性を示せない。これを極限まで追求した兵器がボイルドという「道具」だ。あるいは「完全な銃」としてその目的(バロットに彼女自身を一度死んだものとして認識させる)を果たすため、ウフコックが変化した引き金が無い銃は象徴的だ。

バロットに少女娼婦以外の「有用性」を探し当てたシェルの話も凄まじい。自己の有用性を記憶を亡くすことが出来る"能力"に依拠するところは、黒田硫黄の「セクシーボイス アンド ロボ」に出てくる殺し屋を思い出す。彼のエピソードを考えると「有用性とは、誰かに利用される能力」なんだと思えてくる。彼の場合はオクトーバー社の社畜としてだが

バロット自身の「有用性」は「商品としての少女」から始まった。モノとしての性。部分としてのフェティシズム。そして、彼女の過去に娼婦以外の「有用性」を探した男のおぞましい話、さらにマルドゥック-09の証として生きのびることがウフコックのための「有用性」、最期は"そこに居ること"に自分の価値を見出す。これは実存の物語でもある。人は道具ではない。兵器として最強究極の「道具」である彼女がそこにたどり着くまでの、長い話。

最期に。ネットのあちこちで「カジノのエピソードはスゴい」と評判だが、同意される方には花村萬月「二進法の犬」か、あるいはR.ジェサップ「シンシナティ・キッド」を推す。こっちの方がスゴいで。

マルドゥック・スクランブル1マルドゥック・スクランブル2マルドゥック・スクランブル3

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「ビジョナリーカンパニー2」はスゴ本

羽生章洋さんが再読しているほどの本なので読んでみた。あと武沢信行さんが強く推していたことにも動機付け。両人に接点はなさそうだが、どちらもGoodはGreatの敵だという点を第一に挙げているところが面白い。お二人とも経営者という立場だから、自然とそうなるのだろうか。

ワタシのような社畜でも受け取れた宝はたくさんある。

偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人をバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきか決めている

太字ワタシ、凄まじく重要かつ実現できていない現実。どこに向かうのかって? それは、

   1.情熱をもって取り組めるもの
   2.自社が世界一になれるもの
   3.経済的原動力になるもの

を徹底的に考えた対象に集中させる。よくやる順番間違いは、上記を目的化すること。つまり「どうすれば熱意を刺激できるか?」に着目するのではなくどのような事業なら熱狂的になれるか?を探すのだ。トドメは、

偉大な実績に飛躍した企業は、はっきりした制約のある一貫したシステムを構築しているが、同時にこのシステムの枠組みの中で、従業員に自由と責任を与えている。みずから規律を守るので管理の必要のない人たちを雇い、人間ではなく、システムを管理している

太字はワタシ。あたりまえだが、ここでいう「システム」は勤怠管理のソレではなく、企業価値を高める仕事のやり方のことを指す。そうだよね、ちゃんとした人選なら、あとは任せておくだけの方が良結果を生み出すんだけどね…

読んで実践→フィードバック→再読したくなる本。座右に置いて何度も読んでは弾み車(flywheel)を一方向に押し続ける勇気と力を得る本。なので買うことにした。これは図書館で借りて読んだ。傍線、感想、感動の書き込み満載だった。いや、気持ちは分かるけどね…

これらを実践してみたいという動機だけで、経営者を目指そうとフと思ったのは、酔ったせいにしておこう。

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PMBOK3:プロジェクトとは何か?

PMBOK3からの気づき。ここでは、「プロジェクトとは何か?」についてまとめる[1.2]

プロジェクトとは何か? ズバリ有期性と独自性こそがプロジェクトの特徴だという。定常業務とは異なり、プロジェクトとは

  始まりと終わりがある
  特別な成果物やサービスを作り出すことが目的

が特徴的。期限がない仕事(定期的な作業)や、同じことの繰り返しはプロジェクトでないというわけだ。「一期、二期」や「バージョン1、2」と作業名に付けることでプロジェクトの「ふり」をする政官テクニックは重要かも、恒常的に予算取れるからねッ。

ここでは、これとは別に、

  Progressive Elaboration(段階的詳細化)

に着目したい。段階を踏んでスコープが変化する、という意味だろう。つまり、詳細化だけでなく、実質的な変更も含まれる。

仕様書を例に挙げる。計画フェーズではざっくり仕様しかないが、中身を詰めていくに従って前提条件や提供内容を詳細化していく。ご丁寧にも「スコープ管理を注意深く行い、スコープクリープを引き起こさないように」とあるがあたりまえだ。そのあたりまえができないから苦労する。スコープクリープとは、管理されていないプロジェクトスコープの変更。問題はスコープに変化が発生することじゃなくって、それが管理されていないこと。プロジェクトに変化はつきもの、変化を受け入れること

「段階的変化」はプロジェクトが目的としていることに着目すると分かりやすいかも。大目標→中目標という順だね。段階を踏んでスコープの向きを変える。経済開発の例。

ある地域の生活水準を向上させるプロジェクトがあるとしよう。最初は「最貧層500世帯に水と食料を供給する」だろうが、その次は「農地やマーケットを作り出す」ことが目的となる。

また、プロジェクトと通常業務は別に相反したりはしない。重なるところもあるよ、という。

  人により遂行される
  限られたりソース内で構成される(ヒト・モノ・カネ・トキ)
  PDCAされる

最後のPDCAにはハッとさせられた。シゴトのイロハ、PDCAはプロジェクトだろうと通常業務だろうと一緒。PMBOK3には言及されていないが、プロジェクトとは変化を前提としたシゴト。納期とアウトプットと予算が決まった前提で、途中で発生した変化(変更じゃない)をいかに取り込むか、そして取り込むことで差別化された製品・サービスを作り出す一連のシゴトがプロジェクトだと思う。

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PMBOK3シリーズはここ
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PMBOK3からの気づき

PMBOK3を読んで気づいたことを書く。ここはその扉。宣言して追い込まないとやらない性分なので、2つ自分に約束する。


  1. 30日、つまり2005/4/7までに1回目を読みきる
  2. 気づきをここにまとめる

底本は「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第3版」を読み、必要に応じて原書「A Guide To The Project Management Body Of Knowledge: PMBOK Guide」を参照する。"気づき"は第3版に限らないのでご注意を。



   PMBOK3とPMBOK2000の違い 2005/01/14
   プロジェクトとは何か? 2005/03/07



PMP試験対策はここ

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続マジカのひみつ

マジカを使って若手に実験。なかなか興味深い結果が得られた。前回のマジカのひみつはここ

実験対象
   入社2-4年の若手社員(♂3人)
   SEとして分析・設計をやるかたわら、テスターとして試験もやってる
   java読み書きはできるが、プログラマではない
   予備知識なし (゜Д゜)ハァ? まじかァ? という連中

実験1:マジカなし

マジカの説明なし。ある企業の業務フローをポンと渡し、「明日このヒアリングを顧客とする、という状況で、疑問・質問・ツッコミをピックアップしてね、15分でね」

実験2:マジカ使う

マジカの説明をする。「カード洗い出し→カード並べ」に特化してザクっと解説した後、マジカを使って業務フローからの質問をもう一度考えてね

対象となった業務フローはセミナーでもらったもの。どこの企業にもある「与信業務」「受注業務」に限定して分析を行う。

マジカなしの場合、出てくる質問はさもありなんなものばかりだった。つまり、誰でも思いつく質問だし、回答する方もそれなりな準備がされているものばかり。

  • 手続きのフォーマットはありますか?
  • 与信の基準となるものはありますか?
  • どんな媒体(電話?メール?FAX?)で行っていますか
  • 1日に何回の受注業務がありますか?
  • 受注業務で作成する帳票のフォーマットを教えてください

マジカを使った場合、ヤバそうな質問が頻出。ヤバそうな質問とは「分析フェーズでスルーされ易く、設計もスルーされ、実装フェーズで露見する仕様の切れ目」のこと。

  • 受注の前に営業から「提案」を行っているのでは? その情報を引き継いだり管理したりする業務があるのでは?
  • 発注→受注の順番を明確化したい。発注書、請け書が書かれるタイミングは?
  • 在庫が無い、納期まで短すぎるなど、発注を請けられない場合があるはず。しかし、そのフローが書いてない
  • 受注する人と出荷指示する人は、同じ人なのか? 違うのであれば情報を渡すタイミングと内容を教えて欲しい

あらふしぎ、見違えるほど良い質問になった。ま、かなり誘導可視的なアプローチだけれど、マジカでやりたかったことは彼らに伝わったと思う。

フロー間に埋もれたやるべき作業、誰もトリガーを引いていないのに回りだす仕事、同一人物が担当しているため「見えない」ものとなっている共有情報は、ずっと後になって「気づく」ハメになる。気づいた人がプログラマなら設計バグ化になり易いし、お客さんが気づいたならコンサルの不備とみなされるだろう。

マジカの良さは、お客さんをまきこんで、かつ、システマティックに業務分析できるため、ベテラン/新人のバラツキを減らすことができるところ。さらに、分析する側だけでなく、お客さんの「質問に答えるための気づき」も引き出すことができる。お客さん自身の「気づき」を分析フェーズでできるのは大きい。このありがたみ、酷い目に遭った人なら分かるでショ。

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「ブログでビジネス」失敗と教訓

興味本位で始めたブログも、楽しさ・便利さに魅了されるとこいつを仕事で使えないだろうか? と考えるのは当然(私も考えた)。

思いつくのは、日報や課題管理をブログ化してグループで情報共有… いわゆるコミュニケーションマネジメントのツールなのだが、似たようなことを考える人はやっぱりいた→社内限定の非公開型ブログ「イントラブログ」(イントラネット+ブログ)

グループウェアとどこが違うの? ASPってもう死んでるよね? というツッコミを待つばかりだが、このプロジェクトは2005/2末に試用停止と至ったとのこと。目のつけどころは悪くないのだが、結局は器と中身の鶏卵話に落ち着く。いかに優れた技術・サービスであっても、乗っかるコンテンツが流行らなければ、電源のないパソコンと同じ。まず今の仕事の業務分析が先だろうと誰も言い出せないまま始めちゃったんだろうねッ。「ビジネスブログブック」とゆー本が出ているようだが、マンセー厨房が沢山いるamazonにもかかわらず低め評価。

いきなり導入ではなく、個人 > チーム > コミュニティ の順に渦を回していくのが成功パターン。 PukiWiki で個人→グループへライブラリ情報をシェアしていくとか。一人で使ってもでも便利だし、使っていない人も便利になる仕組みがポイント。

一方、海外でも似たような考えがある→「Using blogs for project management」。プロジェクトマネジメントでブログを使う際、注意するべきことが書いてある。


 ブログを使うシチュエーションとして、そのプロジェクトの要求分析のフェーズでワークショップとして使う方法がある。プロジェクト・プロセスをキッチリ踏む仕事ではなく、ホントに起きていることを素早く共有するために使える。ホンネとタテマエを使い分ける必要がある場合、ホンネのやりとりに使う



 もうひとつのシチュエーションは、プロジェクトの各リーダーが使う。営業、設計、開発製造、試験など、各リーダーがプロジェクト全体へ影響がありそうな話題を振ったり共有するために使う。メールを使った一斉送信だとどうしても一方通行になりがち。単なる通達ならそれでも良いが、各グループ間で調整
が必要となるネタだとメールでは不十分。



例えば「仕様変更におけるスコープ変更情報は、このサイトで一括周知・調整します」と宣言し、専用の場として扱う。正式な変更管理の業務フローに組み込む形でブログを使う。うまく回るようなら、

  スコープ → スケジュール
  スコープ → コスト
  スコープ → リスク

と情報をつないでいけばよい。ここで初めてトラックバックが威力を発揮する。PMBOKでいう「あるフェーズのアウトプットは別のフェーズのインプット」がまさにこれだ。ブログ使うならスモール・スタートアップ。自分の小さな渦を広げてゆくつもりで

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