PMBOK3とPMBOK2000の違い
PMBOK 3rd Editionをぼちぼちと読み始めている。ボリュームはPMBOK2000の1.5倍ある(400頁)。1996年に初版、2000年に2版、そして2004年に3版と版を重ねてきたPMBOK。オンナであれWindowsであれ、3番目から具合がよくなってくるといえるし、PMBOK3も同じに違いない。ダイターン3やザンボット3と同じように、PMBOK3も無敵になるといいねっ。
一言で言うと「隙が無くなった」。2000版はツッコミどころ満載で「書いた奴ぁ現場知らないね」と毒づいていたけれど、3版は隙なし。あやふやにぼかしているところが無い。語句の統一性(動詞-目的語)や明確さと具体性を追求している分、わかりやすい英語になっている。不得手な私でも分かる(スピードは出ないけれど)。難しい言い回しや語句は減っている。言い換えると翻訳ソフトとの親和性が高いベタな文になっている。
PMBOK2000→PMBOK3の改訂にあたり以下の部分を拡張しているという。
- プロジェクトマネジメントプロセス
- 立ち上げプロセス
- 終了プロセス
重要度の高いところを拡充しました、ということが良く分かる。「始めよければすべてよし」と「終わりよければすべてよし」というやつ。
プロジェクトライフサイクルとプロダクトライフサイクルの違いを明確にしてある。「プロダクトライフサイクル⊃プロジェクトライフサイクル」なカンジ。「新製品を開発する」プロジェクトは、できあがったその製品を「売りさばく」プロセスを含まない。一方、「新製品開発→売る→フィードバック」となっているプロダクトライフサイクルは、プロジェクトライフサイクルを含んでいるといえる。
プロセスの数は39→44に増えたそうな。7つ追加され、2つ削除されている。追加されたプロセスは次の通り。
- プロジェクト憲章の展開(sec4.1)
- スコープ記述書の作成(sec4.2)
- プロジェクトのモニタリングとコントロール(sec4.5)
- プロジェクトの終結(sec4.7)
- WBSの作成(sec5.3)
- アクティビティリソースの見積もり(sec6.3)
- プロジェクトチームのマネジメント(sec9.4)
WBSの重要性を強調しておきながら、その作成プロセス(5.3)無かったのねorz このへん未読なので楽しみ~ あとプロジェクト憲章をどう展開させるか(4.7)も興味あり。プロセスは増えただけでなく、プロセスの順番と構成に注力している(chap.3)。フローチャートやシーケンス図(?)もどきを使って、プロセスの順番や構成を解説している。相変わらず「そんなキレイに分けられるかぁ?」と言いたくなるが、その順番は妥当。
PMOの役割や、PMとの違いについての説明が増えている。Project Management Office って世の風潮という奴なのか? 組織がそんなにキレイに割れないだろうとは思うのだが、まぁハヤリモだし…
そういや、和訳版が同時刊行と噂されていたけれど、出ているのかな? amazonでは見当たらなかったナリ。ボランティアの皆さま、がんがってくださいまし。このblogではマターリと紹介しようかと。あくまで私の「読み」なので誤読&バイアスがかかっている模様。
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