上手な謝り方
ガッコで教えてくれないけど大事なことは多々ある。借金の仕方と同じぐらい重要なことは「上手な謝り方」だろう。新人さんがちらほらとアクセスしているようなので、社怪人のオヂさんがご紹介。上手にマネしてくださいませ
まず、「謝ったモノ勝ち」だと考えよう。どっちが正しいとかスジが通ってるとかで他人と衝突しても仕方が無い、ということを心に留めておこう。もちろん仕事上の衝突は避けられないけれど、自分のちっぽけなプライドを満足させるためだけにぶつかるのは止めておこう。そんなとこでとんがっても疲れるだけ。むしろ、ヒートアップしてやりこめたりやっつけたりしている「時間」と「エネルギー」が勿体無い。エネルギーは「感情」「労力」「アタマ」と読み替えてもいい。どれも有限でしょ。
次に、「感情を込める」ことを心がけよう。「どうもすみません」「申し訳ありませんでした」と口で言うのはたやすい(し、口だけで言っている人多し)。ホンキで済まないと思う感情は、「私の○○が原因で、△△な結果を招いてしまい、済まない」という言葉につながる。○○を正すのか、△△の結果を償うのかは臨機応変に。「済まない気持ち」を次へどっちへつなげるか、自分で伏線を張っておく。
謝罪は先手必勝。怒気を削ぐ意味でも、まずいと思ったら謝ってしまえ。ただし、謝罪した後どうなるか(責任問題や賠償問題)が分からない場合は、まずいところ「だけ」を強調して、精神論で謝罪する。例えば「もうちょっと気をつけていれば」とか「いたらないばかりに…」など、言い方は悪いがどうとでもとれる言葉で「すまなさ」を表現する。スピードが大事よ。
Noを使わない。映画「交渉人」(原題は"THE NEGOTIATOR")のワンシーンに「Noという言葉を使うな」とあるが、謝罪の時も有効なり。ネガティブな言葉はネガティブな感情を呼び起こす。「できません」は使うな、ということやね。さはさりながら、相手が付け入って、ムリな要求を押し付けてきたらどうする? 難しいよね。でも、ただはねのけるのではなく、謝罪の理由(○○が悪いと思っている)を繰り返し、正すところ(○○を直す、△△を償う)を強調しよう。しつこい場合は、「持ち帰り検討」も可。ビジネスの場で「検討します」は「やります」と同義。しかし謝罪の際は「検討した結果、○○させていただきます」とあらためて謝意とともに伝えればよい。時間を措けば最初の怒りも冷めてるだろうし。
「陰謝り」という裏ワザ。「陰褒め」という言葉がある。本人の知らないところで褒めておくと、まわりまわって「○○がアンタのこと誉めてたよ」と必ず耳に届く。本人は直接ほめられるよりも何倍も嬉しいだろう。このワザは謝るときにも使える。以下「思わず許す!上手な謝り方」より。
最後は「ありがとうございます」で締める。「謝る」という行為は、相手の許しを請い、許してもらうことを前提とする。だから最終的に許してもらった場合は、「ありがとうございます」をつけること(←忘れる人が多いし、そのためさらに怒りを買う人も多し)。よしんば許しを得られなかったとしても、「自分の過ちを気づかせてくれて、ありがとう」という気持ちを伝えること。「ありがとうございます」は魔法の言葉。誰も反論できない言葉であることをお忘れなく。
おまけ。下手な謝り方は、こんな特徴がある。
- 責任転嫁「前任の○○がやったことでして…」
- 反論口答「お言葉ですが、○○については…」
- 逆切れ型「じゃぁどのようにすれば納得いただけるのですか?」
- 開き直り「謝ればいいんでしょ、すみませんでしたー」
ああぁ、何度もやってるよ >私
書いててウンザリする。前にも書いたが、これは一般論のフリをした自己反省文ですな。
ゴメンで済むなら警察は要らないが、謝って済む話はさっさと謝ってしまおう。謝罪の「謝」は、感謝の謝でもある。「自分の誤ちに気づかせてくれ、謝るという行為を導いてもらい、感謝してます」ぐらいの心意気で。「ごめんなさい、でもこんな悪いところが分かって、ありがたく思ってます」ぐらいの殊勝さなら、きっと相手も許してくれるはず…
最後に、これらのテクニックは嫁さん相手にさんざん実証してきたことを付け加えておく。嫁に限らず配偶者マネジメントとして、「上手に謝る」ことはケッコンした者の必須のテクといえよう。
野郎ども、がんばれよ
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コメント
一度謝って、再び同じ罪を犯してしまった場合はどういう謝り方をすればよいのでしょうか。。
投稿: v | 2004.12.16 00:02
v さん、コメントありがとうございます。
ご質問は、犯罪について、それも再犯の場合の謝罪のことだと解釈しました。
残念ながら、私の乏しい経験では、ミスや誤謬についての謝罪の話までです。同じミスを繰り返すのであれば、「ミスを防ぐ方法」そのものを見直すことを謝意と共に伝え、再発防止に努めます。
しかし、いわゆる犯罪レベルでは「やったことを真剣に受け止め、全力で償うことを誓い、その決意を伝える」というありきたりな謝罪しか思いつきません。ましてや、再犯した場合にはどうすればよいか、想像することも難しいです。テクニック云々ではないですね。
投稿: Dain | 2004.12.16 12:04
日本限定の対処法ですね。
真実よりもその場の雰囲気を重視して、あいまいにごまかすってところがまさに日本人っぽいです。
誤るってことは相手方をすべて肯定することになり、結果的に自分が罪を認めることにつながります。
たとえ刑事罰の冤罪でもちっぽけなプライドを捨ててすべてを肯定すべきですか?
投稿: サラ | 2004.12.17 12:12
サラさん、コメントありがとうございます。
「日本人っぽい対処」…ううむ、的確な指摘ですね、その通りだと思います。新人さん向けに会社での処世術のつもりで書いたので、いきおい「場の雰囲気を重視」したものとなっています。
とはいえ、刑事罰の冤罪をも謝罪してしまえという話にはなりませんね。あくまでも仕事上の衝突をめぐる「会社という場」でのお話だとご了承ください。
ここは社会人一年生向けの記事も扱っているblogなので…
投稿: Dain | 2004.12.17 13:01
米国のビジネス界は割と日本と近い雰囲気を持っているとはいえ、Dainさんの取り上げた方法は結構有効ではないかと。
でも米国の違いといえば、
責任転嫁「前任の○○がやったことでして…」
が結構平気にまかり通ってしまうのですよね。
これに怒れる日本はちゃんとした国だと思います、ほんとに
投稿: from NY | 2004.12.17 21:32
「そうそう、うんうん」とうなずきながら読ませてもらいました。
私は通信系企業のコールセンターで働いてまして、オペレーターが処理しきれずリーダーでも手に負えないクレームを処理することが多々あります。
『最後は「ありがとうございます」で締める』そうなんですよ。これは非常に大事なことなんですね。
『クレームは宝もの』なぜなら、わざわざお客様が弊社のいたらない点を指摘してくれているんですからね。 まぁ~その指摘を上に報告していますが、まだまだ「クレーム」=「やっかいなもの」と認識している部分が強くて「処理してくれてご苦労様」で終わってほしくないんだけどなぁ
投稿: もとかん | 2004.12.18 02:21
from NYさん、コメントありがとうございます。
米国では「前任者がやったことでして」は使えるんですね、参考になりました…って、やっぱりダメですね、責任転嫁は。
米国ビジネスと縁が薄いですが、それでも"Sorry about that"はごく自然に聞きます。「非を認めるソーリーはめったに使わない」と教わったのですが…
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もとかんさん、コメントありがとうございます。
賛同のご意見、とても嬉しく感謝しています。ただ、本文にも書いたように、私自身「できていないところを自省している」ので、「クレームしてくれてありがとう」というレベルにまでは達していません。その点、「クレームは宝」といい切るもとかんさんはスゴいと思います。
投稿: Dain | 2004.12.19 00:53
まるっきり同じ内容のコンテンツがオールアバウトに載っていましたが、ご本人でしょうか?
http://allabout.co.jp/career/speechskill/closeup/CU20061218A/index2.htm
投稿: NANA | 2007.03.16 14:31
>> NANA さん
ホントだ… 教えていただいてありがとうございます、ちょいと訊いてみますね。
投稿: Dain | 2007.03.16 22:21
いろんな人に悩んでいたよと言われていたりしているうえに泣きながら謝っても、許してもらえないのですが…
投稿: レン | 2011.03.19 17:51
>>レンさん
どういうことにお悩みか分かりません。が、謝っても許してもらえないようなら、謝ることをそのものを止めてしまいます、わたしなら。
投稿: Dain | 2011.03.20 08:53
手紙の場合で、多くの人に形だけでも謝罪と、反省の気持ちを伝えるためには(誤解を解くのですが…)どうしたらよいのでしょうか?
内容は、
急にその場を去ってしまい、申し訳なく思っています。病院の予約を1時半にとっていたので、切羽詰り、
自己判断をしてしまいました。
ごめんなさい。
ありがとうございました。
水色。
至らぬ点は、無いでしょうか?
投稿: 水色 | 2011.03.20 17:59
>>水色さん
シチュエーションが分からないですが、じゅうぶん気持ちが込められているメッセージだと思います。
投稿: Dain | 2011.03.20 21:33