「おひさま」 vs 「ほっぺ」
読み聞かせ雑誌対決。結論からいうと「ほっぺ」の方がモノとしては良いのだが、一つしか買えないのなら、「おひさま」を選ぶ。
1.テーマ、または目的
「おひさま」は、「本好きの子どもを育てる」、「ほっぺ」は「子どもエンターテイメント*絵本*お話*歌*遊び」。絵本+お話の一辺倒な「おひさま」に比べると、「ほっぺ」のほうが盛りだくさん。
たしかに「ほっぺ」にはシール遊びや、切り張りする「しかけ」がある。しかし、てれびくんやしまじろうで、紙模型やシール遊び疲れしている私には、中途半端な感が否めない。シール数枚とクラフト遊び二つ程度で、子どもは満足しない。子どもはシールで遊ぶときにはそこらじゅうに張りまくるもの、しかもはがして張って、張ってはがしてをくり返す。歌を唄いたいときは、歌の絵本丸々一冊を唄いまくる(くり返しくり返し、一緒に唄うことを強要しながら)
「読み聞かせ」を目的としているため、「おひさま」に軍配を挙げる。
2.執筆陣
「ほっぺ」が上、というか金かけてる。よくぞこんなに集められたなぁと感心しきり。「超」有名どころを挙げる(敬称略)。
ほっぺ
- まど・みちお
- 大島妙子
- 中川ひとたか
- すがわらけいこ
- 100%ORANGE
- あべ弘士
んで、次号(創刊3号)は谷川俊太郎…スゴすぎるorz
おひさま
- 大島弓子
- 五味太郎
- 佐々木マキ
- 江川智穂
- 長新太
- 荒井良二
大島弓子がなぜここに…はじめて知ったときはただ絶句。
3.お話の中身
「ほっぺ」は「詩」+「絵」+「歌」+「遊び」なので、読み聞かせを判断基準にすると、やはり弱い。お話も読みきりのため、キャラや設定を押し出すと長くなる(→最後まで読みきれない)し、借り物のお話を持ってくるとオリジナル性が弱まる。
一方「おひさま」は読み聞かせのみに絞り、2~5歳ぐらいをターゲットに豊富に取り揃えている。しかも「絵本の連載」だ。お話は毎月毎月進んでいく。子どもは次号を楽しみに、今号を「読んで」とくり返しせがむ。嬉しいのは、3歳児には字が多すぎる「クレヨンまる」も、来年になったら読み聞かせできるので、とっておいておけるということ←これ重要。彼は「クレヨンまる」をいずれ読みたい(読んでもらいたい)と思いながら、他のやさしめのお話を読んでもらっている。
4.その他
歴史としては「おひさま」がダントツ。創刊10年経っている一方で、「ほっぺ」はまだ2号目が出たばかり。若い雑誌のワリには大御所を全面に押し出している。
「ほっぺ」には広告がない。徹底的にない。これは編集者中川ひろたか氏の方針だと思う。一方で「おひさま」は「絵本の顔をした広告」がある。新聞や雑誌でいう、「記事広告」というやつね。どろんこ遊びをしたら手を洗おうね、資生堂のハンドソープでとか、たんけんたいのみんなではをきれいにしようねと終わった次のページにサンスターGUMの広告があったり… 上手ですな、三菱自動車の広告だけはどうしても理解できないが。
というワケで、金をかけて良いモノを作っているのは「ほっぺ」だが、私は「おひさま」を選ぶ(結局どっちも買っているんだけどね)。
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