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巷のプロジェクトマネジメント1

 えーここでは「おまけ」ということで、この勉強をする上で知ったチョト面白い話なんぞを紹介しようと思います。コラムというやつやね …っつーかずーっとPMBOK解説するの、しんどくなったんだよぉ(弱音)

今回ご紹介するのはコレ!

経済産業省「プロジェクトマネジメント研究会」

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 要は有識者を集めた勉強会やね。平成13年8月から2ヶ月ぐらいやってたらしいです。テーマは↓

政府のITサービス調達の運用に関する提言

のこと。笑うところ参考になるところをご紹介します。まず笑うところ

笑える1
 研究会のメンバー(いわゆる有識者)とオブザーバー(経産省のお役人)の資料のギャップ。これはワロタ。レベルが違うというよりも、そんな資料しかないのか? とガクゼンとするぐらい幼稚。後述しますが IBM のPM成功事例はマジ参考になります。一方で、学生さんの散文のようなペーパーを出してくる奴、小一時間問い詰め(ry 

笑える2
 「どうして政調(政府調達)は高くつくのか?」 お役人さんはバカではありません。良い大学を出ていらっしゃるエリートですから。ちゃんと当初資料の原因分析のところで洗い出しています… 引用しますね(太字は私)

(ITシステムの政調は)基本的に単年度会計処理で扱われる場合が多く、結果として、ベンダー側に、初年度分は競争入札で低額落札しても、次年度以降の随意契約の中で全体として利益の確保を期待するという経営戦術を成立させており、安値落札の要因となっている。

安値落札のカラクリは自覚してるというわけやね…

このようなベンダー側の経営戦略の下では、初年度において発生した損失を後年度の受注の中で補填しようとするため、ソフトウェア・ライフサイクルを通じてコストの最適化、さらには品質の確保が図られているか疑問である

よーくわかっとるやんけ… この問題点が結論では影も形も無くなっとる…(わずかに現状の分析にでてくるのみ)

 ま、利害関係が全く無い私だからこんなカンタンな結論がいえるんだけどね… 政調の出費を抑える方法↓

  • 随意契約を一切止める
  • 単年度割を止め、投資とリターンを複数年度会計の中で評価する(勿論売り逃げ、買い逃げは許さん!)

詳しくは以前の記事で書いたことを思い出しました↓
「e-Japan戦略II加速化パッケージ」と「随意契約」について

 多分「最終報告」に書いたら、NGがきたんやろなぁ …んで、泣く泣く削除したんやろなぁ …笑うというより泣ける

(つД`)

次、参考になるところ。

参考になる1
 成功例はマユツバモノが多い中、ウソっぽくない成功例がありました↓

EVMS導入事例と考慮点(pdfファイル)

 発表者は冨永章氏、プロジェクトマネジメント学会会長でもあり、日本IBM株式会社常務取締役でもあるエライ人です。

 もちろんご本人がシコシコ書いたわけではないのですが、この資料、すごくよくできています。どこがよくできているかというと、

  1. 読むだけでEVMの基本概念が分かる
  2. 読むだけでEVMの問題点が分かる
  3. さりげなくNotesを宣伝している

 3.は冗談半分として、EVMの課題とそれをIBMがどのように対処しているのかは知っておいて損はないでしょう(具体的には伏せられていますが…)

 んで、これ、成功例として良いといいましたが、よーく読むと、EVMSと全く関係なく成功している例なことが分かる。こいつをPM研究として一生懸命読んでいる人たちを思うと…

( ´,_ゝ`) プッ

あ、笑うところじゃなかったですよね。

参考になる2
 さっきお役人を腐したので、ここでは誉める、マジで。8月の第1回目からあんなにお粗末なドキュメントしか作ってこれなかったのが、翌年3月の最終報告書(pdfファイル)は、ものすごく良くできているところ。

 「現状、問題、対策、評価」から見ても、定性定量的にみても、レトリックの使いまわしからしても、うぐぅの音も出ません …すスゲェ

Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)!!  やっぱあんたらアタマいいよ !!

 肝心の「随意契約」「単年度会計」を書くと問題になるのでさりげなく回避しているところもポイント高いしな!

場所は経産省コンテンツ産業政策(PM研究会)に埋まっています。たぶん公開情報。
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