第6章:プロジェクトタイムマネジメント(その2)
ネットの片隅で、聞いた。ちょっとだけ頼りにされているらしい…ここ。嬉しい、がんばるよー
ここでは、プロジェクトタイムマネジメントをまとめます。
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keywords
- 見積もり手法
- CPM(Critical Path Method:クリティカルパス法)
- PERT(Program Evaluation and Review Technique:パート)
- PERTによる見積もり
- モンテカルロシミュレーション
見積もり手法
どれくらいの期間がかかるのかを見積もるための手法。カレンダー日付じゃないことに注意。このタスクをこなすのに○○日(あるいは時間)かかるから、結局ぜんぶでこれだけかかる、という見積もり。数理解析と呼ばれているのがCPM、GERT、PERT、シミュレーションと呼ばれているのがモンテカルロ法。
CPM(Critical Path Method:クリティカルパス法)(p.75)
CPMによりクリティカルパスを見つけることができるが、CPMそのものは、クリティカルパスを見つけることではないことに注意。CPMの本質は、ひとつのタスクに一つの時間(期間)を割り当てること。
- ひとつのタスクは一つの(決まった)時間(期間)がかかる。決まった時間は最もありがちな(平均的な)時間が見積もられる
- タスクに対し時間を「決め付ける」ことにより、スケジュールには柔軟性がなくなるが、コスト管理ができるようになる
- AOA(アクティビティ・オン・アロー)でのみ適用できる
- AOAなので、ダミーのタスクを持つことができる
GERT(ガート)
条件分岐やループ回数に確率統計を用いて、期待値による時間の算出をする。
PERT(Program Evaluation and Review Technique:パート)(p.75)
PERTと違うところがポイントかつ試験に出るところ。計算問題として出題される。
- ひとつのアクティビティに対し、3つの観点から査定する。3つの観点とは→「楽観的」「平均的」「悲観的」
- 時間だけでなく、コスト見積もりにも用いる
- コストに柔軟性を持たせながら、スケジュールするために用いる
- AOA(アクティビティ・オン・アロー)でのみ適用できる
- AOAなので、ダミーのタスクを持つことができる
PERTによる見積もりは、CPMよりも優れているといえる。それは、ひとつのタスクに対して、3つの観点から時間を見積もっているから、より正確に近いといえる。かといってひとつのタスクに3種類の時間を割り当てているわけではない。
- 最も楽観的(時間なら最短、コストなら最安)な見積もり(O:Optimistic)
- 平均的でありがちな(時間、コストの)見積もり(M:Most likely)
- 最も悲観的(時間なら最長、コストなら最高)な見積もり(P:Pessimistic)
これらを次のように計算する。
1.PERTの公式(P+4M+O)/6
2.標準偏差だと(P-O)/6
3.平方偏差(バリアンス)だと[(P-O)/6]^2
PERTの公式はそのタスクに割り当てる時間/コストを計算する方法。標準偏差はばらつきぐあい、平方偏差は、標準からどれぐらいかけ離れているかを計るモノサシ。" ^2 "は二乗ってこと。ビジネス統計入門とか見ると分かるかも… 私は理解せずに覚えるつもり。上から順に試験に出る計算式。設問はこんなカンジ…
問1:タスクAの見積もりにあたって、楽観的な場合は4日、悲観的な場合は10日かかることが分かった。最も平均的な期間は何日か?
A.6日
B.7日
C.8日
D.上記以外
問2:タスクBの見積もりにあたって、P=5日、O=2日、M=3日かかることが分かった。標準偏差を求めよ
A.0.025日
B.0.5日
C.3日
D.上記以外
…で答え。問1:D、いきなりひっかけ問題出してスマソ。でも平気で出てくるみたい。受験者はPERTの公式は当然覚えてきているというスタンスで、「PERTの公式を理解しているか?」を問うための設問なんだろな。問2:B、これは公式どおりで、(P-O)/6=0.5
計算問題ばかりで申し訳ないが、くり返す。出るから、ここ。
- タスクA(O=3、M=4、P=5)
- タスクB(O=7、M=8、P=9)
- タスクC(O=2、M=4、P=7)
- 問1:A,B,C のPERTによる見積もり値を求めよ
- 問2:A,B,C の標準偏差を求めよ
- 問3:A,B,C の平方偏差を求めよ
- 問4:A→B→C がクリティカルパスなことが分かった。プロジェクト全体の期間の見積もり値を求めよ
問1の答え
A=(3+4*4+5)/6=4
B=(7+8*4+9)/6=8
C=(2+4*4+7)/6=4.1666..≒4.17(小数点第二位まで四捨五入で)
問2の答え
A=(5-3)/6≒0.33
B=(9-7)/6≒0.33
C=(7-2)/6≒0.83
問3の答え
A=[(5-3)/6]^2≒0.11
B=[(9-7)/6]^2≒0.11
C=[(7-2)/6]^2≒0.69
問4の答え。これは既出じゃないから解説が要るね。A,B,Cそれぞれの見積もり期間は、問1により計算されているけれど、「どれぐらいのプラスマイナス(±)があるのか」は平方偏差によって導き出される。こんなカンジ…
クリティカルパス上の期間=A+B+C=4+8+4.17=16.17
標準偏差=[平方偏差の和]のルート=√(0.11+0.11+0.69)≒0.95
答えは、16.17±0.95
この計算式、腑に落ちるには私の頭だと足りない、っつーか理解を拒否しているので覚えることにする。ちなみに「覚える」って一番アタマ使わずに済む方法だと思いません? リアル厨房・工房やってたときは暗記がすごくイヤで苦手だったけれど、このトシになると「考えて理解しなくてすむ」スバラシイ方法だと思うようになったよ… をっと脱線、次いこ、つぎ。
モンテカルロシミュレーション(p.44,p.75.p.139)
PMBOKではスミッコに追いやられているけれど、リアルでは一番使える方法だと思う。恣意度も高いし。紙とエンピツでは無理で、PCソフトで計算するのが一般的。PERT見積もりとネットワーク図を用いるが、特徴は…
- 何パーセントの可能性で、その日にプロジェクトが完了するかに着目する
- 何パーセントの可能性で、それだけのコストでプロジェクトが完了するかに着目する
- プロジェクトに対し、どのリスクがどの程度のっかかっているかに着目する
パーセンテージの重み付けはテキトーに扱えるので、ボスを説得する度合いは各人で操作してくれ。モンテカルロのポイントは、期間やコストだけじゃなくって、リスクの重みも付けられること。
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コメント
PMP試験に落ちてヘコんでいました。試験を甘くみていたのですが、英語の壁と応用問題にパニくってしまった次第。ただ今、苦労しながらリタ本を読んでいます。が、辞書片手に直訳だと意味不明になって今ひとつビンときません。
このサイトはわかりやすくって助かっています。
できれば問題ももう少しのせてほしいです。
投稿: フルフル | 2004.04.18 23:35
こんにちは、フルフルさん
あうぅー (つД`)
初めてPMP記事にコメント頂けて嬉しいです。
「英語の壁」ですか、お気の毒です… 訳がアレなので、設問が意味不明な話はあっちこっちで聞いたことがあります。
私の場合、一つのプロセスエリアについて、リタ本→PMBOK[和]→PMBOK[英] の順で読んでいます。英語版で調べて初めて理解できることが多々あります。時間がかかってしょうがないけれど、急がば回れの気分で書いています。
執筆と並行してオリジナル問題を作成中です、追々UPしていきます。
投稿: Dain | 2004.04.19 10:22
先日、PMP試験に挑戦しました。無事合格できました。
リタ本→PMBOK[和]→PMBOK[英]は結構有効ですね。
相変わらず、試験の和訳は?で翻弄させられましたけど。
投稿: フルフル | 2004.05.17 16:54
ちゃらららっちゃっちゃっちゃ~(ドラクエのレベルアップの音)
フルフルはレベルアップした!!
マネジメントりょくが2ばいになった!!
フルフルはピーエムをマスターした!!
おめでとうございます~
\(´▽`)/
それに比べてオレは…
考えてみたら3月から始めてトロトロと2ヶ月…
腐った記事ばかり書いててPMネタ放置してるし…
_/ ̄|○
フルフルさん見習って、精進します
つか、35時間のノルマが厳しい…
投稿: Dain | 2004.05.17 18:41