ホンキで悪いことを考えてみる(その2)
「摩天楼の身代金」という犯罪小説をご存知ですか? 超高層ビルそのものを人質にしてしまうという荒唐無稽だが極めて現実味のある話です。モロバレが入るので読みたい方はご遠慮を。
っつーか、めちゃめちゃオモシロイので、図書館等で読んでからこの続きを読んだほうがいいカモ(現在絶版ですが…)
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
方法はカンタン。超高層ビルの「中の人」になるわけです。「ナカのヒトぉ?」ですって? ご存知ない? 世の中にはたくさんの「中の人」がいますよ。
- テレビの中の人
- コックピットの中の人
- 厨房の中の人
- ガチョピンの中の人
ガチョピンの中の人などいないのかもしれませんが、中の人はいろいろなことができます。麻婆豆腐を作ったり、ジャンボ機を離陸させたり、特別なことができます。まさに、中の人ならではでしょう。
超高層マンションビルの「中の人」は、工事現場の一人です。ビル建設の計画段階からこれを知り、日雇い人として現場に入り込みます。
ところで、巨大ビルを建設するとき、現場と地上との連絡はどうやっているか、知ってますか? 電話なんですよ、有線電話。もちろん建った後の入居者が使う回線ではなく、あくまで建築現場専用の回線。鉄骨や壁のスキマに沿うようにのびてて、出来上がったらそのまま放置される、メタルケーブルなんです。いわば使い捨て電話ってやつね。
「中の人」はこれを利用します。爆弾と外側をつなぐラインとして。「中の人」は、まさに現場で働いているのだから、壁の中や床下に「爆弾」を埋め込んで内装を仕上げるなんてお手の物でしょう。埋め込んだ爆弾を起爆させるための微弱な電流を流すためのライン…
そう、「中の人」は、ただ電話をかけるだけで起爆させることができるんです。いくつの爆弾をどこに仕掛けたなんて、覚えておく必要は、無いんです。電話番号だけ控えておけば、ね。
気が遠くなるような時間と労力をかけて、この「作品」が完成し、「中の人」は400万ドルの身代金をニューヨーク市に要求するのだが… という話。身代金の受け取り方法がまたスゴいんだけど、ここでは別の話。
え? 何の話がしたかったんだって?
だから、「中の人」の話なんです。例えば私はとあるシステムの開発に携わっていて、そのシステムの「中の人」といえるなぁ… もちろん上の男のようなことをしようなどという気はこれっぽっちもありゃせんが、ホンキになってやればできちゃんだよなー などと考えたので。
いま、システムの安全性を支えているのは、開発者のモラルだけなんだよなーというごまめさんのつぶやきを耳にして、ふッと思ったので。
以上、ホンキで悪いことを考えてみる(その2)でした。「その1」は具体的技術や方法に踏み込み過ぎたので、後でシャレにならんことに気づき、消しました。酔ってblogるのはとてもキケン。
この腐れblogに「プロジェクトマネジメント」やら「UML」やらでいらっしゃる皆さま、いつもありがとうございます。でも、皆さまもまた、「中の人」なんですよ。
ごまめさんちでも発言しましたが、これを読む皆さま、昨今の情報漏えいの記事を読んで、不思議だと思いませんか?
『つかまった「中の人」は、個人レベルであること』を
「数人で…」も個人レベル。捕まらないようにちゃんとやるなら組織的に計画的にやらないと(w
だってこれこそ、プロジェクト・マネジメントですもの(ww
最後に。「摩天楼の身代金」のラストシーン、衝撃的ですが非常に示唆的です、一人のプログラマとして。
--
追記:めっちゃ露悪趣味に書きましたが、システムの開発に携わる人は全員、必ず契約を交わしています。即ち、自分が接する全ての情報について、
- 「情報の安全性」
- 「情報の認証性」
- 「情報の完全性」
- 「情報の秘匿性」
を守ること。さらにこれは、雇用/被雇用の関係が終わった後も一定の期間「縛り」が続く契約…
… … … って、みんなちゃんとやってるよネ? ね? (´∀` ;) ?

| 固定リンク
コメント