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第2章:ひっかけ問題はこう出る/こう答える

ここでは、PMP試験で正答を得るためのポイントや、ひっかけ問題を紹介します。
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正答を得るためのポイント


  1. 暗記力を試す試験ではない。「知識」と「それを適用する能力」が問われる。PMBOKの知識が実際のプロジェクトでどう連動しているかを理解する必要がある。
  2. 実戦経験が必要。PMBOKのPMテクニックを、実践に適用してみる。
  3. PMBOK2000をキチンと読む、これは教科書。
  4. 質問形式に慣れる。できるだけ多くの練習問題を解くしかない。


ひっかけ問題はこう出る/こう答える

  1. 最もありがちなのは「PMIの観点」。これは、実際のプロジェクトの経験上から得られる観点とは少し違っているため、頻出する「ひっかけ」とも言える。これは練習問題をできるだけ多く解くか、Prep本で学ぶしかない(これも練習問題が多数あるが)。
  2. 次にありがちなのは、「…以外は何か?」や「…でないのは何か?」などの設問。よく読んで、何を問うているのかを理解すればラクラク回避できる。
  3. 受験者が陥りがちなミスは「選択肢を全部読まない」がほとんど。つまり、「○○の次にするべきは何か?」設問に対し、「最初はDを行い、次にCを行う」のが正しいのだが、選択肢Dを読む前にCにチェックを入れて次の問題へ… という誤りをやらかす。選択肢は全部読んで!! それから選ぶこと。
  4. 正しい」答えと「ベストな」答えの二つに迷うことがあるかもしれない。そのときは「ベストな」を選ぶこと。もちろん、このベストは、「プロジェクトマネージャが選ぶベストな」という意味で。
  5. さっき解いた問題と同じ状況説明が出てくることがある。これはヒントだ。さっきの問題と今の問題、両方のヒントになる。
  6. 選択肢から「最初に」「最後に」「次に」「最も」「絶対に」「常に」「…は別として」「最優先に」といった言葉を探すこと。それはおそらくダミーだろうから、選択対象から外してもよい。
  7. 正しいことを言っているんだけど、設問に答えていない選択肢がある。もちろんダミー。
  8. 「よくある間違い」が選択肢に混じっていたら、要注意。現実ではそれは「よくある間違い」かもしれないが、PMBOKの観点での「間違い」を選ぶこと。PMBOKの知識を試す試験なのだから。
  9. 「完全に」とか「必ず」を含む選択肢は、まず間違い。代わりに「おそらく」「一般的に」を含む選択肢は、正解に近いといえる。
  10. 空欄に入れる選択肢を選ぶ設問では、実際に入れると文法的におかしいんだけど、正解、というものがある。


正答を得るためのポイント:PMIイズム
 PMIイズムとは、PMP試験のなかでの「プロマネとはこうあるべき」という考え方と解釈して欲しい。つまり現実とは違う… ので、経験に即して問題を解いていくと「なんでじゃあー」とグチの一つもいいたくなる。そうならないための「考え方」を以下にまとめておく。

  1. 「過去の情報」は、4.1プロジェクト計画の策定のインプット情報として扱われる。実際には「過去の情報」=(記された)経験なので、どんなプロセスにも使えるはずなのだが…
  2. 組織形態にもよるが、権限のないPMを経験していると、「プロマネとは、プロジェクトをサポートし、各担当に何をするべきかを告げてまわる人」という誤解を生じることがある。権限の強い弱いはあるけれど、PMは「プロジェクトをマネジメントすることに責任を負い、その権限を有する個人」のこと。プロジェクトをマネジメントすることとは、目次の第3章から第13章までの仕事をこなすこと(全部ひとりで、というわけじゃないから、安心して)。
  3. 全ての役割と責任は、特定の個人にまで割り当てられている。「○○担当」というグループで分散されていない
  4. 4.1プロジェクト計画策定では、「ガント・チャート」は作らない。ガントチャートは途中経過の報告のための資料なので、「計画」段階では不要。代わりにWBSを含む「プロジェクト計画書」が作成される。
  5. WBSは全てのプロジェクト計画の基礎となるものであり、どんなプロジェクトでも有用だといえる。
  6. WBSは「リスト」ではない、階層構造をもっているから。
  7. 「キックオフ」は、現実とPMIで定義しているのとカナーリ違う。現実では「立ち上げ」の段階で、顔見せのための飲み会になったりするが、PMIでは「計画」段階の最後に開かれる。各ステークホルダー全員があつまり、コミュニケーションが円滑になることを目的とする。そこではプロジェクトの詳細が説明され、リスク、コミュニケーションプラン、定例会議のスケジュールなどが話し合われる。
  8. PMは「プロアクティブ」でなければならない。試験ではこの「プロアクティブ」という単語はそのままでてこない。PMは先見の明を持ち、問題を事前に捉え、早期に変化を察知し、先行して手をうつ… 無批判に"proactive"をカタカナ語に変換している香具師がいっぱいいるけれど、要は「先を見越して行動すること」だな。
  9. PMはプロジェクトをプロジェクト計画どおりに進めなければならない。計画たてて、ロッカーに入れて、そのまんまな人、手を挙げて
     ハーイ(´∀`)ノ

  10. 「調達検査」や「品質監査」など「検査」「監査」(原文は"audit")の意味合いが、リアルとPMBOKでは異なることに注意。調達マネジメントや品質マネジメントの章で詳説する。
  11. 「是正措置」は頻出。是正措置の定義とこれが遂行されるタイミングは要チェック。
  12. コントロールプロセスと終結プロセスは、リアルではあんまりやらないだろうから、穴になりがち。

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