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第1章:PMP試験の傾向と対策

ここでは、PMP試験の傾向と対策をまとめます。
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基本的なところ…
  出題数は200問
  試験時間は4時間
  合格ラインは137点
  多項目(4つ)より一つを選択する方式

*内容についてはご自身で受験前に再確認してくださいマンセー。方式が変更されている可能性もあるので。

出題範囲
試験の出題範囲は、PMBOKから。PMBOK2000版が出ている←教科書ですな。

試験の観点
試験は以下の観点で問われる。したがって、用語解説など、PMBOKからストレートな問いが出ることは、まれ。つまり、単なる暗記ではダメそうね…
 ・PMBOKの知識
 ・知識をいかに適用できるか
 ・問題に対し適切な分析をしているか

試験は現実のプロジェクトで起こりうるシチュエーションの形を取って、出題される。つまり「○○という状況下で、(PMである)あなたが取るべき最善の方策は?」という問われ方をする。

したがって、自分の経験で答えればよいかというと、×(これで痛い目にあわされた)。PMBOKの知識をベースに答える必要がある。つまり理想と現実は違うということ。

出題傾向
各PMプロセスにおける出題傾向は、以下の通り。最新はPMI(英語)で確認できる。

       立上げ 17問(8.5%)
       計画 47問(23.5%)
       遂行 47問(23.5%)
       コントロール 46問(23.0%)
       終結 14問(7.0%)
       プロフェッショナル責任 29問(14.5%)

10-12問程度は、プロセスのインプット/アウトプットを直接問う設問がある。

8-10問程度は、計算問題あり。

10-12問はアーンド・バリューの設問。アーンド・バリューだからといって、全てが計算問題になるわけでもなし。

ちょっと英語のチカラが必要。どれくらいかというと、略号の元の英語が分かるといった程度。例えばWBS:Work Breakdown Structure = 仕事を細分化して再構築した構造体…と直感的に理解できるから。

PMBOKにないところも、出る場合がある。prep本はそこを押さえているからステキ(英語だけど)。

総200問のうち、解答者はだいたい40問くらいは解答に自信がないらしい。

ほとんどの解答者は2時間30分ぐらいで終わる…で、残りの時間は見直しする。

設問の形式
以下のパターンに大別される。

○パターン1「○○という状況下で、どれが最善策か?」

この場合、「プロジェクトマネージャであるあなたが」と主語を入れて考えるといいかも。例えば、

ある重要な物資を購入しない限り、プロジェクトが遅れることが判明した。次のどれが最善策か?

    A. 無視して、逝ってよし!!
    B. ボスに知らせる
    C. 顧客に知らせて、次案を検討する
    D. チームメンバを集めて代替案を特定する

答えはD. 腐ってもマネージャなら、リスクが顕在化したときには、それに応じた代替案を見つけ出せよーというのが、PMPの考え方なんだって。その後、顧客なりボスに知らせよ、ってこと。これはパターン2にもつながる話。

○パターン2「○○をやった。次は何をするのか?」

PMプロセスの順序性を問う設問。覚えるしかないが、経験から答えることもできるが、間違えた場合「なんでやね~ん」と_/ ̄|○すること請合い。

○パターン3「設問の情報を使わない質問」

設問にある情報とは一見関係の無い選択肢なのに、それが「正解」という場合がある。例えば…

製造者の熟練化により、扉の部品コストは10%減らすことができることが分かった。会社側は次期の製造コストとして、扉3,000あたり21,000ドルかかると見積もった。これが意味するところは:

    A. 学習サイクル
    B. 収穫逓減の法則
    C. 80/20の法則
    D. 係数モデルコスト見積もり

答えはD. 最初は私も「ええっ」と思ったけれど、後で納得した。10%だの、21,000ドルだの、関係なし。上の状況において、関係なさそうなものを消していって、残った一つが正解、というカラクリ(いわゆる消去法)。

○パターン4「新しいアプローチを要する」設問

設問と選択肢をきちんと理解していれば回答は比較的たやすい。

マトリクス型組織では、次のどのように情報が流れると効果的か?

    A. 上下水平展開に流れる
    B. コミュニケーション・フローが簡素化されてる
    C. マトリクス型組織の本来の情報回路に従う
    D. プロジェクトマネージャと組織マネージャの管理下にある

答えはA. マトリクス型組織の図が頭に浮かべば、A.が最適だから。
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コメント

実はこの2月にPMP試験に失敗しました。
その後このサイトを知りました。
当サイトのコンテンツを何度も繰り返し熟読したことで、PMIイズム(リアルとの違い)の勘所がわかり、4月のリベンジに成功しました。ありがとうございました。

このときは1章~4章までのコンテンツでしたが、非常に有効な情報として、同僚に「お勧めのサイト」として紹介しております。
今は6章までとパワーアップしており、これであれば更に5点はアップできたなぁと思っている次第です(10点といいたいところですが…PMP試験ですから)。

これからも頑張ってください、そして早期のPMP合格をお祈りしています。

投稿: ロバくん | 2004.04.21 21:18

合格おめでとうございます!なんだか私も一緒に嬉しくなってます
ヽ(´ー`)ノ

どうやらこのblogが役に立ったみたいで、嬉し恥ずかしチョトえっへんですー たった今勉強している人たちも沢山いるみたいだし、リキ入れて書きますー
(*゚ー゚*)

最初はドツボにはまる仕事をなんとかしたいという焦燥から始めたこのblog、いまや私んとこの会社でも有名になってます(w

ただ、一部にヲタネタを入れているため、人によると微反応があるかも… ま、そこは知らんぷりして「オススメ」してくださいませ

投稿: Dain | 2004.04.22 01:17

私も実はこの9月にPMP試験に失敗し、合格に役立つサイトをさがしている中で、このサイトを知りました。
PMPの合格率は約6割とのことでしたので、実務経験があったため3ヶ月の準備期間で十分かと思い受験しましたが、初戦は130点と敗退してしまいました。
当サイトのコンテンツ記載のとおり、アメリカ人(出題者)の感覚では正解であっても、日本人の感覚では誤りといったところが多々あるかと思います。受験対策はPMBOK(日本語訳)と、問題集3冊を購入してました。他にも購入したい参考書もありましたが高価なので本屋で立ち読みしました(数時間)。結果的には、11月の試験では15点アップの145点で合格することができました。
私の経験では参考書や問題集を暗記しても、試験問題の半分しか正解の確信がもてませんでした。残りの5割については運任せといったところになるかと思います。また、日本語ての迷訳も多く、キワードについては英語を覚えることも大切かと思います。尚、EV計算や、クリテカル日数問題は答えがはっきりしているので、全て正解する必要があるかと思います。
いずれにしても、ちまたの合格率にまどわされることなく地道な対策(勉強)が必要になるかと思います。
これから受験される方、当サイトの主催者の方におかれましては頑張って合格して下さい。

投稿: ムーニパパ | 2004.11.25 08:36

ムーニパパさん、合格おめでとうございます!

それから、貴重な体験談をありがとうございます。翻訳がアレなことは薄々知ってはいましたが、ひょっとすると原文で受験したほうがよいような気がしてきました。

最近では現実のプロジェクトマネジメントでひーひー言ってて、勉強が手付かずとなっています。時間みつけてやらないと…

  >地道な対策(勉強)が必要になるかと

この一言が重いです、がんばります

--

投稿: Dain | 2004.11.26 18:25

昨日12月1日、一発合格を果たすことができました。
何と行ってもこのサイト、見た目おとなしいので仕事中も気兼ねなく読めたのは最高でした。PMP,誤訳・チン訳という検索でヒットしたのが試験の5日前でしたが、読み物としても非常に面白い!一気に読破してしまいまして今回の合格につながったと思います。
ありがとうございました!
英語の件ですが、皆さん!ゼンゼン気にする事無いですよ!!長文は少ないので、まずは原文を眺める、あれ?おかしいな??と思ったらその単語だけ原文を見るようにするだけで十分合格できます。
Dainさんはその後どうですか?ここまで内容を理解していれば完璧に合格できるハズですよ!

投稿: 鉛のZEP | 2004.12.02 20:49

鉛のZEPさん、合格おめでとうございます
お役に立てたみたいで、私も嬉しいです
今後はPMPホルダーとしての「更新」がいろいろ大変かと存じます。頑張ってくださいね

私のほうはぜんぜん止まっています
リアルのプロジェクトでぐったりとしてるところです orz

投稿: Dain | 2004.12.03 12:02

はじめまして、ごんぞうと申します。
本日、PMP試験に合格することができました。
私は翔泳社のPMP教科書を中心に勉強し、カバーされていない部分をPMBOKで確認していましたが、PMBOKがなかなか頭に入らないで苦労していた時にこのサイトを知り、理解が一気に進みました。試験中も、このサイトのページが頭に浮かび、回答できた問題がいくつかありました。特にコミュニーケーションチャネルの問題は例題と同じ引っ掛け(チームが増えると、チャネルは「いくつ増えるか?」)が出ましたが自信を持って答えることが出来ました。

PMPの試験も3rd Edition対応になりましたが、PMBOK2000での再受験は来年9月まで可能なので、その時までこのサイトを残していただければと思います。

有益な情報を提供いただきましたことを改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

投稿: ごんぞう | 2005.12.19 22:33

ごんぞうさん、合格おめでとうございます!
それからコメントありがとうございます。

こうしたコメントをいただけると、自分の勉強を公開してよかったなーとしみじみ思います。このPMP対策シリーズは、分かりにくいところ、間違ってるところ、沢山あるでしょうがお読みいただいてとても感謝しています。

かくいう私は、未だ35時間まで至らず…
ごんぞうさんのコメントを励みに、精進します。

投稿: Dain | 2005.12.21 13:25

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