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サハリンプロジェクト

テレビ東京のガイアの夜明け「燃えよサハリン~始動する石油巨大プロジェクト~」を観た。知人が赴任するから、どんなとこだろうと興味半分で、観た。

「極寒の地」そのままの風景。長男ドミートリイの流刑先もさにあらん、というすごい場所。

そのすごい場所に世界中の目が集まっていることに、あらためて気づかされました。映像はスゴかったけれど、番組は薄かったので、ネットで補完した情報をメモする。この超巨大プロジェクトを「どのようにまわしているか」がとても気になるところ。引き続きヲッチする。

■サハリンプロジェクトの概要。開発進展の程度により3つのカテゴリに分けることができる。( )内は投資額。

 ○カテゴリI
   サハリン1プロジェクト(150億ドル)
   サハリン2プロジェクト(100億ドル)

生産物分与契約(PSA)が発効しPS鉱区として事実上承認され、具体的な開発作業に入っている。

 ○カテゴリII
   サハリン3プロジェクト(探鉱投資に4.1億ドル)

鉱区開発権を落札。生産物分与契約は未締結。PS鉱区法は承認されつつある。

 ○カテゴリIII
   サハリン4プロジェクト
   サハリン5プロジェクト
   サハリン6プロジェクト

開発権の入札があるが、形成されつつあるコンソーシアムが落札する見こみ。

※「ガイアの夜明け」ではサハリン1とサハリン2を扱っていた
サハリンプロジェクトの鉱区地図

■資金調達の方法。非常に厳しい気象条件と地理条件の下、1990年代に貧乏国となったロシアが、莫大な投資負担は不可能。

ここで注目するべきなのが、「生産分与契約(PSA)」という資金調達の方式。これは、探鉱、開発および生産プラントのコストを賄うために企業が提供した投資への返済に、プロジェクトから生まれた初期収益があてられることを保証する方式である。

一見するとロシア、西側企業ともにwin-winの調達方式に見えるが…

 ホスト国が鉱区使用料あるいは税金の受け取りを始める以前に、どのコストが賄われるべきかについて、だれが決定権を持つのかという問題があるのだ。まったくよくあることだが、プロジェクトは「金メッキ」ものであった。言いかえれば、鉱区使用料の支払い段階になる以前に、充分な──ということは、不当な──利益を確保しようと、企業は建設コストを水増ししていたからである。じつに、いくつかの事例では、開発コストはあまりにも高く計算されており、鉱区使用料は結局支払われることがなかったのである。
(リチャード・タンター「サハリンプロジェクト:夢か悪夢か?」より引用)

これをふまえて、カテゴリII、カテゴリIIIでは生産分与契約は未締結のまま。「ガイアの夜明け」では「30年の悲願」や「国益」といった言葉が景気良く飛び出していたが、まだまだ途についたばかり、ともいえる。この巨大プロジェクト、私が生きている間にどこまで進むのだろうか?

■関連リンク
北海道:サハリンプロジェクトの現状
京都精華大学:サハリンプロジェクト~夢か悪夢か?
北海道大学:サハリン大陸棚における石油・天然ガスの開発と環境
三井物産:サハリンへの道がエネルギーの道になる
資源エネルギー庁:サハリンプロジェクトのFAQ
ガイアの夜明け
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