釘宮病から脱出する、たったひとつの冴えたやりかた
全国 1,000万人の伊織ちゃんファンのみなさん、ニヤニヤしてますか。
わたしならだいじょうぶ、1日100回聞いたことはあるけれど、毎日百回なんて無理ムリ。生活に支障をきたすもんね。10回程度だから中毒ではな…い…はず…。
ただ、何を聞いても釘宮ヴォイス変換できる耳になったのはありがたい。たとえば、「ホームでは、白線の内側まで下が… …ってないと許さないんだからーっ!!」とか、「キミぃ、こないだの会議の報告書なんだけど… …あったま悪ぅーい、バッカじゃないの!?」といったカンジだ。こないだなんて嫁さんと、こんな会話になった。
嫁さん 「ねーねー、さいきん飲み会ばっかりで遅いよね」
わたし 「しょーがないよ、つきあいなんだし」
嫁さん 「なによー キスしたくせに! もっと早く帰ってきてよねっ」
わたし 「わかったわかった」
もちろん嫁さんは「キスしたくせに」なんて一言も発してない。しかし聞えるのだ、あの声で。相手の本心が聞えるようになったので、非常に便利だ。読心術の一種か、サイキック・パワーに目覚めたのだろう。
ところが、先日、とんでもないことが起きた。あ…ありのままに起こったことを話そう。
25:00、家族が寝静まった頃合いを見計らってアクセスする。ヘッドホンは必須だ。ヴォリュームは最大だ。罵倒BGMでヘッドバンギングしながらblog更新にいそしむ。わたしを取り戻す時間、今日と、明日が出会うとき… 時報にキれそうになる。
何周目だろうか? ちょうど「伊織ちゃんを称えるコーナー」に差し掛かったとき、
「なにしてるの?」
「qあwせdrftgyふじこlp」
精神的にはズボンを半分おろした状態だったので、コタツごと飛び上がった(ように見えたらしい、嫁さんの目には)。
はずみでジャックが外れる、室内を圧倒する大合唱。
へんたいー!(閣下)
へんたい!(あずさ)
へんたいー!(美希)
へんたい!(とかち)
へんたいー(真)
へんたい!(千早)
へんたいー(雪歩)
う゛ゃぁ!!へんたい(全員)
へんたい(伊織)変態!
大変態ヘンタイ変態 … …
「なにこれ?…ってかウルサイ!!」
「qあwせdrftgyふじこlp、qあwせdrftgyふじこlp」
フンフンフン!
よく聞きなさいよねっ
別にアンタのことなんか、
これっぽっちも考えちゃいないわよ
何ニヤけてるのよ…もう…バカ
バカぁ!
バカッ!
バカ!どどどどど変態!
「はやく切りなさーーいっ!!」
ばたん、とノートを閉じる。断ち切れたように静寂が訪れる。
「アンタ.… … … … … … 」
わたしのほうを見やる嫁さん。路傍の石を眺めているような無感動さだ。「アンタ」で絶句しているため下の句は分からない。髪の毛が逆立っている。静電気だと思いたい。
「ほ~~~~~んと、バッッッッカじゃないの!!??」
ずっきゅーんとキたね。「ずっきゅーん」はガンダムのビームライフル音を充ててくれ。
「いま、なんつった?」
「さいってーの、アホバカ旦那だって言ったのよ!もんくある?」
「泣くよ!子どもが!アタシは呆れてものもいえないけどー」
「バッカじゃないの!?聞いてる? バッカじゃないの!?」
「もー、なさけないったら!信じられなーい!」
「バッカ!バッカ!バッカ!もういっぺん、バーカ!」
とかナントカ。もちろん極めつけの「イライラするのはアンタのせいよ!」も聞けた。Kanon事件([1][2][3])で理解を得ていたと思っていたが…水瀬名雪(16)ならOKなのに、水瀬伊織(14)だとダメとはこれ如何に…、ロリコンのボーダーラインは14歳というからなぁ…いやいや、水瀬秋子(年齢不詳)派だと思っていたのか? まさか…思考は忙しく駆け巡るのだが、そのうちどうでもよくなる。罵詈雑言を嫁ヴォイスで聞いているうちに、ニヤニヤがとまらない。
「なにニヤニヤしてんのよ!それこそヘンタイじゃないのよ!」
もう半泣きである。みなもの問い詰めもかくあるやという勢いである。ひとしきり感情を爆発させたあと、もういっぺん再生しろという。ニコニコにアクセスする。黙って聞いている。隣のカラオケバージョンを見つけて、再生しろという。そして宴が始まる…
「変態変態ど変態」
「かっこ悪いったらありゃしないわ」
「バカ言ってんじゃないわよ!」
「頭使いなさい!」
「イラつくわーイラつくわーイラつく」
「イライラするのはアンタのせいよ」
「ほんっとダメダメなんだから」
「アナタねぇいいかげんにしなさーいっ!」
もうね、フル嫁ヴォイスよ。ネットとヘッドフォン越しの「安全な場所」からではなく、ほぼ目と鼻先のゼロ距離からの罵られオンパレード。B.B.の10センチ爆弾だって「10cm」あったのに。そのとき、わたしの心は、
( ゚∀゚)o彡
曲が終わるころ、嫁さんは疲労困憊だった。狩りのコツは獲物を疲れさせることにある。2周目が終わる頃、脳内のすべての釘宮ヴォイスは嫁ヴォイスに塗り変えられており、ふたりはきゅあきゅあになっていた… いおりんの罵倒セリフは、全て嫁さんの声でオーバーライドされた。これぞ夫婦和合の奥義!なのかどうかは知らないが、「男は名前をつけて保存、女は上書き保存」は真なのだ。
不治の病と呼ばれていた釘宮病の特効薬は、「リアルツンデレを浴びる」に尽きる。具体的にはパートナーに「罵ってけ」を歌ってもらうことだ。え? 嫁もしくは彼女がいないって? …そ、それは… お母さんに歌ってもらうとか。
…というわけでクリスマスの性夜、長かった闘病生活も終わりを告げようとしていた。まなめさんが[これ]を伝えるまでは。
( ゚∀゚)o彡
( ゚∀゚)o彡
( ゚∀゚)o彡
え? どうなったのかって?
もちろん、くっぎゅくぎゅにしてもらってるよ☆嫁さんにね。
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