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橋本大也さんの最近のお薦め10冊を聞いてきた

 [情報考学 Passion For The Future]をご存知だろうか?

 科学の啓蒙書や経済・経営のノンフィクションから、SF、純文学、教養と思想、ゴリゴリの猟奇モノまで幅広く紹介するブログだ。更新頻度もひんぱんで、新刊もそうでないのも分けへだてなく、「基本誉める」を貫いており、たいへん参考にさせていただいた(というより、あこがれまじりで追いかけていた)。書評ブログといえばここだったのだが、ここ数年、あまり更新されていない。

 仕事が大変で、書評どころでないのだろうな……と思いきや、某所で活動されているのを耳にした。数年前、一念発起して英語を学び直し、今は英語の本が中心とのこと。audible も活用し、耳からの読書もしているという。書評も英語圏で発信しており、(当然のことながら)日本語ではない。詳しいことは、デジタルハリウッド大学の企画[今、この10冊が面白い!]という対談会でお話を伺ってきた。

 対談は、学生図書館長の森泉さんと、橋本大也さんのお二人で行われた。森泉さんは、日本人作家の小説が中心で、橋本さんは洋書オンリーという20冊+アルファの構成だった。ここでは、橋本さんが紹介された本を中心にまとめる。

”The Buddha in the Attic”Julie Otsuka/『屋根裏の仏さま』ジュリー・オオツカ

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"We" で始まる独創的な小説

 めっちゃソソられたのがこれ。非常に前衛的で独創的といってもいい文体だという。その秘密はすぐに教えてもらった。Amazonの中身検索を見ると、ほぼ全てのパラフラフが ”We” で始まるのだ。

 本書は、写真花嫁(picture bride)たちの物語である。日系移民一世(ほとんどが男性)が配偶者を見つけるために写真だけでお見合いした結果、一度も会っていない夫を頼りに渡米してきた花嫁たちである。特定の登場人物がおらず、女性たちの集合的な記憶をつむぐかのように表現するために、”We” が使われている。

 そのため、英語としては非常に分かりやすくなっている。なんせ、全てのパラグラフが ”We” で始まるのだから。一方で、”They” が使われるとき、それは渡米した女性たちの「外側」を示すことになる。それは男性たちであったり、馴染めないアメリカ文化であったり、差別的な社会になる。邦訳は『屋根裏の仏さま』とのこと。

”The Fault in Our Stars”John Green/『さよならを待つふたりのために』ジョン・グリーン

 これはわたしもオススメ。「難病のカップル」「ボーイ・ミーツ・ガール」「タイムリミットのある恋」と、かなりキツいお話となっている。主人公は16歳のヘイゼルで、がんの進行を薬で抑えており、自分でもそう長くないことは分かっている。「自分が死んだ後、悲しむ人は少ないほうがいい」と割り切った生き方をする彼女が恋をしたらどうなるか?

 紹介とともに、洋書読みとしてのポイントもあわせて教えてもらう。YA(ヤングアダルト)のメリットは、比較的易しい表現が多く、読みやすいことと、今の若者用語を学ぶことができるという点にあるという。前者は分かるが、後者は今のYAを読む理由になる。"The Catcher in the Rye" (ライ麦畑でつかまえて)や ”To Kill a Mockingbird” (アラバマ物語)という名作もあるけれど、いかんせん古く、アメリカの若者はそんな言葉は使わないらしい。

 ちょっともったいないのが、タイトル。原作は、”The Fault in Our Stars” なのが、邦訳で『さよならを待つふたりのために』になり、さらに映画で「きっと、星のせいじゃない。」に変わる。そして映画にあわせて邦訳も変えられてしまうのだ。わたしもブログやSNSで紹介したが、名前をコロコロ変えたことで、検索してもらう力がダウンしたのではないかと思う。わたしが読んだのは邦訳だが[書評]、これは原書も挑戦したい。

”Sphere”Michael Crichton/『スフィア 球体』マイケル・クライトン

 「この作家のおかげで英語が読めるようになった!」というのがマイケル・クライトン。やさしい英語で、見てきたように明示的に書いてくれている。映画を意識しているのか、ビジュアルで全てを語ろうとする。文学小説にある、「行間を読ませる」とか、一文に意味を込めるといった技巧は凝らさないため、読むことと理解が同期する(リーダビリティが高いともいう)。

 何冊か読んだ中でのダントツは、”Sphere” だという。テクノロジをミステリ仕立てで語り、読者をノせるのが非常に上手いだけでなく、ちょっと「哲学」が入っているのがいいのだと。クライトンのお約束である、「何かトンでもないものが発見される」→「最先端の科学チームが結成されて調査に赴く」→「たいへんなことが起きる」を忠実に踏襲しており、安心してハマれそう。これは読みたい!

“The Nightingale” Kristin Hannah/『ナイチンゲール』クリスティン・ハナ

 ものすごく気になるのがこれ。英語の本を読むようになると、当然のことながら、英語の本を読む人々での評判もチェックするようになる。そして、「英語圏での傑作」を見ていると、「なぜ日本で売れていないの?」と首をかしげるような現象があるという。

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こんなに傑作なのに、なぜか日本で売れてない?

 つまりこうだ、質量ともに十分な読み手が「これは傑作」と太鼓判を押し、なおかつその高評価でもって邦訳を出したのに、日本では鳴かず飛ばずという(マーケティングの失敗なのか日本人ウケしなかったのか……)。

 その代表格として、これ。第二次大戦下のフランスの姉妹の物語。優しく受身の姉と、活発で反抗的な妹が、戦争の運命に巻き込まれてゆく。ドイツの侵攻から生家を守ろうとする姉と、レジスタンス活動に身を投じる妹の、それぞれの人生が歴史のうねりの中で大きく変わってゆく感動物語だという。

 原書と邦訳版のパッケージを見比べると分かるが、おそらく「読み手に届く」形になっていなかったのかも(あるいはアニメ化も念頭にあったのかも)。

“Cathedral”Raymond Carver/『大聖堂』レイモンド・カーヴァー

 これも大好きな作品。「ぐっと胸にせまる」「心あたたまる」という形容がぴったり。なかでも傑作なのが『大聖堂』だ。妻の古い友人ということで、盲目の黒人が家にやってくるのだが、語り手である「私」は固い反感じみたものを感じていた。それが、ふとしたきっかけで、心がつながりあってゆく。

 カーヴァーが書く小説の登場人物は、自分の感情をべらべらとしゃべらない。だから読者は、人物の外側の描写や、彼・彼女が感じた断片から推し量るほかない。わたしは村上春樹の翻訳で読んだのだが、(原文を知らないにもかかわらず)素晴らしい名訳だと思った。橋本さんを見習って、原作に挑戦してみるか。その場合、最初に読む Carver は、” Small, Good Thing” (ささやかだけれど、役にたつこと)だな。

”The Overstory”Richard Powers/『オーバーストーリー』(未邦訳)リチャード・パワーズ

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正座して邦訳を待つパワーズ本

 最近のベスト本とのこと。樹木に宿命づけられた10人の運命がばらばらに語られてゆくうちに、最終的にまとまって、一つの物語に収斂するという。個人個人の物語がだんだん絡み合ってゆき、最後に大きな流れに一体化する骨格は、『舞踏会へ向かう三人の農夫』[書評]が浮かぶが、今度は10人とは! めっちゃ気になる。橋本さんは、『われらが歌う時』[情報考学の書評]も絶賛していたけれど、これも負けず劣らず傑作とのこと。いずれ邦訳されるだろうし、わたしの英語力では追い付かないので、正座して待つ。

英語の本をどうやって探すか?

 これは頭を悩ませているところ。日本語の本なら、ネット、読書会、図書館、リアル書店、Amazonを通じて沢山のチャネルがあり、そこから本の情報を入手できるが、英語の本はどうするか?

 わたしがチェックしているのは、ブッカー賞や全米図書賞の候補作、ベストセラーリストぐらい。「ビルゲイツお薦め」が「キング絶賛」と同程度のコピーであることに気づいたいま、広告に惑わされない読み手が欲しい。

 それは、橋本さんであり、[未翻訳ブックレビュー]のかもめさんだ。そんな「読み手」をどうやって探せばよいか。「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」の「あなた」を探す洋書版である。

 そんな質問を橋本さんにぶつけてみたら、ど真ん中が帰ってきた。

 それは、[goodreads] だ。

 読書メーターやブクログのような、本の登録+評価+レビューサイトだが、凄いのはその質量。英語を話す人という時点で分母が巨大な上に、そこで洗練された評者のレビューがありがたい。出版社や作家といった「中の人」ともつながることができるのも嬉しい。

 インターネットの中で、知を発信し続けるスゴい人がいる。そのNo.1は[読書猿さん]だ。わたしの目標の一つに、「英語圏の読書猿を見つける」がある。市井に住み、知を愛し、ネットで発信する哲人は、必ず居ると信じる。なんとなく、米国よりも、イスラエルとかインドにいそうな予感だけれど、goodreadsから探せそうだ。

 goodreads での橋本大也さんのレビューの入口は[Daiya Hashimoto]、もちろん英語だ。

どうやって読書の時間を捻出するか?

 これも悩ましい。わたしの場合、通勤時間を利用しているが、橋本さんも一緒みたい。「通勤時間=読書時間」と決めてしまうことで、まとまった時間を読書に割り当てることができる。考えてみれば、自分の時間が比較的ある休日のほうが、本を読んでいない。もちろんこうして書いているからということもあるが、それでも、Dark Souls にかける時間を減らせば、もっと読めるはずだ(あとは薪の王のみ)。

 そして、もう一つ、嬉しいことが聞けた。それは、audible の利用だ。混雑した電車で小さい字を追いかけるのも大変だが、聞いて読むという手でクリアできる。audible を活用することで、英語力の向上+目を使わずに読書している。ノンフィクション系が良いとのこと。というのも、小説の場合、一文で状況が変わってしまうことがあり、聞き逃しの致命度が高い。一方、ノンフィクションだと似たような表現や補足をしてくれるため、audible 向けだという。なるほど。

 そして、日本のよりも米国のほうが質量ともに凄いらしい。audible 専用のラジオドラマシリーズがあるぐらいで、Netflix と同じビジネスモデルが成り立っているという。どんな番組がいいか分からない場合は、とりあえず audictid がお薦めらしい。audible の addict(中毒)で、女の子たちがお薦めを語ってくれるガールズチャットだという。

「今、この10冊が面白い!」で紹介された本のリスト

今、この10冊が面白い!
”The Buddha in the Attic” Julie Otsuka(屋根裏の仏さま)
”The Fault in Our Stars” John Green(さよならを待つふたりのために)
”Sphere” Michael Crichton (スフィア・球体)
“Jaws” Peter Benchley(ジョーズ)
”Me Before You" Jojo Moyes(ミー・ビフォア・ユー)
“The Nightingale” Kristin Hannah(ナイチンゲール)
“Cathedral” Raymond Carver(大聖堂)
“Olive Kitteridge” Elizabeth Strout(オリーヴ・キタリッジの生活)
“Washington Black” Esi Edugyan
"Sing, Unburied, Sing" Jesmyn Ward
“The Underground Railroad” Colson Whitehead(地下鉄道)
“Grinding It Out” Ray Kroc(成功はゴミ箱の中に)
“Google It” Anna Crowley Redding

英語読書の入口(映画の原作&やさしめ)
“The Godfather” Mario Puzo(ゴッドファーザー)
“The Exorcist” William Peter Blatty(エクソシスト)
“The Shining” Stephen King(シャイニング)

映画より原作が面白い
“The Sheltering Sky” Paul Bowles(シェルたリング・スカイ)
“The Hotel New Hampshire” John Irving(ホテル・ニューハンプシャー)

世界でベストセラーだけど日本ではほぼ知られていないノンフィクション(経済編)
“Conspiracy” Ryan Holiday
“Bad Blood” John Carreyrou
“Billion Dollar Whale” Tom Wright,Bradley Hope

最近のベスト
”The Overstory” Richard Powers
"Circe" Madeline Miller

森泉さんのお薦め
『いなくなれ、群青』河野裕
『罪人が祈るとき』小林由香
『望郷』湊かなえ
『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』内藤了
『君は月夜に光輝く』佐野徹夜
『かがみの孤城』辻村深月
『また、同じ夢を見ていた』住野よる
『星か獣になる季節』最果タヒ
『渦森今日子は宇宙に期待しない』最果タヒ
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』最果タヒ
『ドグラ・マグラ』夢野久作
『舞姫』森鷗外

 最果タヒ作品が魅力的なので、これを機に手を出してみるつもり。
いっぽう、エログロ猟奇系なら『異常快楽殺人』、制限時間つきの人生なら『死ぬまでにしたい10のこと』、いじめの強烈なやつなら『ぼくはお城の王様だ』をお薦めしてきた。

 めちゃめちゃ充実した時間でした。橋本さん、森泉さん、ありがとうございます!

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『会計が動かす世界の歴史』はスゴ本

 シャーロック・ホームズの金銭感覚や、ダーウィンの資産活用から、会計と革命の意外すぎる関係、複式簿記から解き明かす知性の進化など、歴史を縦横に行き交い、ミクロからマクロ経済まで自在にピントを合わせながら、人類の歴史を損得の視点から紐解く。

Kaikeiga

 パッケージから、最初は「簿記の歴史」や「会計の世界史」という印象を持った。だが、本書の焦点深度はもっと広い。そして、めちゃめちゃ面白い。これは、お金と人との関わり合いをドラマティックに描くだけでなく、それを通じて「お金とは何か」ひいては「価値とは何か」についても答えようとしているからだ。

「お金」が人を作った?

 誤解を恐れずに言うと、「お金」が人を作ったといえる。

 逆じゃね? と思うだろう。壱万円札を作ったのは人だし、その紙に「壱万円分の価値がある」(ここ重要)と信じているのは人だから。なぜ壱万円に壱萬円分の価値があるかというと、壱萬円の価値があるとみんなが信じているから。この「みんなが信じる価値」がお金の本質である。

 そんな「価値」みたいな概念ではなく、金や銀といった貴金属がお金じゃないの? という疑問が出てくる。本書では、お金と人の歴史を振り返りながら、「みんなが信じる価値」と「お金」の関係に迫る。

 たとえば、スペイン帝国がもたらした価値革命の例をあげて、金銀はお金というよりも、お金を計るためのモノサシだと答える。植民地化した中南米から大量の銀が持ち込まれた結果、銀という通貨の供給量が増え、大規模なインフレが発生する。すなわち、ヨーロッパでの銀に対する「みんなが信じる価値」が下がったのだ。

 あるいは、最古の金融バブルと呼ばれているオランダのチューリップ・バブルや、詐欺師ジョン・ローが引き起こしたミシシッピ・バブルの話をする。彼が作り出した「利子付きのお金」は、良い意味でも悪い意味でも応用が利くだろう。欲望が欲望を生み、「みんなが信じる価値」が膨らんで弾けた出来事だ。

 面白いところをつまみ食いするだけなら、[ペペラのバブル物語]を読めばいい(めちゃくちゃ面白いゾ)。だが本書では、「なぜバブルが弾けたのか」という問いを立てる。ありがちな「みんなが現実に目覚めたから」ではなく、「なぜ現実に目覚めたのか」という視点から、生々しい理由を炙り出す(p.173の解説は、あらゆる先物取引(の損切タイミング)に応用が利くだろう)

なぜ文字より先に簿記が生まれたのか?

 本書が類書より優れているのは、さらに「みんなが信じる価値」の先へ踏み込んでいるところだ。サブタイトルの「なぜ文字より先に簿記が生まれたのか?」の秘密はそこにある。

 紀元前4千年までさかのぼる。最初の簿記はメソポタミア文明の「駒」だという。トークンと呼ばれる、粘土製のおはじきのようなもので、穀物や家畜を表していた。トークンは現実の羊やパンと1対1で対応し、税の取り立てや財産管理に使われていたという。

 紀元前3千年にイノベーションが起き、トークンそのものではなく、粘土板にトークンを押し付け、型を記録するようになる。現実と同数同種類のトークンを用意する必要がなく、トークンを現実の数だけ押し付け、粘土板を管理すればいいようになる(簿記の原型)。そして型押しが簡略化され、粘土板に溝を彫るようになったのが文字の誕生になる。

簿記に隠された進化の鍵

 そして、簿記の歴史を紐解きながら、「みんなが信じる価値」の本質に迫る。

 興味深いことに、粘土板から始まりルネサンス期に完成した複式簿記と、独自で発達した日本の簿記と、似たような構造をしているという。つまり、勘定科目を借方と貸方に分けて記載し、貸借を一致させるという構造だ。

 あたりまえだろ? 誰かにとっての「借り」は、その相手にとってみれば「貸し」になる。千円借りたら、千円返さないと。ここに時間の概念を入れると、利子や償却といった要素が必要になるが、簿記の基本は、「貸し」と「借り」が一致することにある。

 しかし、この「あたりまえ」こそが、ヒトを人たらしめた原因だというのだ。

 社会的動物であるヒトが、そのコミュニティの中でうまくやっていくためには、個体を分別し、その個体が自分にとって得となるか損となるか判断する必要がある。仲間だから協調する部分もあるが、食物や異性の取り合いとなることが出てくる。

 つまり、裏切ったり裏切られたりする関係性を続けながら、うまく生き延びる必要がある。場合によっては、自分に有利なときでも、仲間に恩を売ったほうがトクになることが出てくる。この協力と裏切りの駆け引きの中で、知性すなわち脳は進化していったという(これを[マキャベリ的知性仮説]と呼ぶ。以前の記事で、イカの脳についても同じ説が展開されている[頭足類の心を考える])。

 その中で重要なのは、身近な仲間を判別し、それぞれの「貸し」「借り」を理解し、記憶していくためには、高度な知能が必要となる。現代では、お金を貸したとき「貸付金」として登録しているが、昔は「貸した人の名前+金額」で債権を記録していた(人名勘定)。つまり、簿記の基本構造の中に、知性の進化の秘密が隠されているといえる。

「お金」の本質=譲渡できる信用

 誰かに「貸し」を作ったら、それを報酬として受け取れるのは、返してもらえると信用しているから。以前に「借り」たものを返すのは、それをしないとコミュニティでやっていけないから。

 そのための約束ごとが、「みんなが信じる価値」すなわちお金になる。時代によって、それは貝殻だったり金銀といった貴金属、あるいはデジタルデータとして計られるが、その計られる対象である信用が、知性を進化させたのである。

 会計という視点で人類史を斬ると、その断面にお金の本質が見える。18世紀イギリスの産業革命を経済現象として読み解いたり、未来の通貨と呼ばれる仮想通貨の構造的な弱点を明らかにしたり、盛りだくさんの内容となっている。

 愚者は自分の経験から学び、賢者は歴史から学ぶという。さらに、歴史を通じて現在の問題を理解することができる。「会計」という斬り口から歴史を眺め、伏線と謎解きを張り巡らし、極上のミステリに仕立てた一冊。

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