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「見る」をアップデートする『名画読解』

 マルセル・プルーストの「真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ」を実現する一冊。これを読むことは、新しい目を手に入れる旅といっていい。

 きっかけはこのツイート。

読書猿先生が紹介した『名画読解』はdainさんで言うスゴ本なり(私見)。dainさんの書評で、新しい目を提供するのがスゴ本だと言っていたが、この本は身体としての眼そのものが変わる実感を得られた。世界の解像度が上がって見えるので是非読んでほしい。教養(雑学)の美術ではなく、観察としての美術

ぶんもう (@sikoubox2357)
あと観察力をガチに高めるなら、FBIやCIA、ニューヨーク市警、ロンドン警視庁でも採用されている(セミナーをやってる人が書いている)『観察力を磨く 名画読解』をどうぞ。

読書猿(@kurubushi_rm)

 これは期待! とワクワクしながら読んだら、それ以上にスゴかった。読む「目」が更新されるのだ。外界の光学的情報を映すハードウェアとしての「目」は変わらないが、そのソフトウェアがアップデートされるようなもの。まぎれもなく、「世界の解像度が上がって見える」。ぶんもうさん、読書猿さん、ありがとうございます。

Meigadokkai

「見える」と「見る」の違い

 「見える」と「見る」は違う。目に入ってくるものを漫然と眺めていることと、能動的に目を凝らして観察するぐらい違う。しかし、どうすれば両者を効率的に切り替えられるのか、分からない。さらに、細部に集中するあまり、最も重要なものを見落としたりする。目に入っていながら「見て」いなかったことを思い知る。

 「見る」はトレーニングにより向上する。あまりに基本的すぎるため、これに気付かない人が多い(というか、わたし自身がそうだった)。そんなわたしは、本書が示す、まず「脳のオートパイロットを切る」から実行した。

 視覚から入ってくる情報はあまりに多い。街の雑踏に立つとき、膨大な色彩や光源、道路や建物の様々な形、歩く人と走る車が、いちどきに目に入ってくる。これらすべてに等しく注意を向けて処理はできない。

脳のオートパイロットを切る

 だから「歩く」とか「道を渡る」に必要な情報を脳が取捨選択する。もっと言うと、「注意する」以前の段階で処理されているという(これが脳のオートパイロットだ)。網膜は視覚情報を受け取るだけの器官ではなく、神経組織から成る脳の一部であり、そこで注意の前処理がなされている。つまり、「人は目で見るというよりも脳で見ている」というのだ。

 この構造を意識して、「見える」ものを「見る」に切り替える。目に入ってくる一つ一つを吟味して、それが何であり、いつどこで起きたか、誰がどのようにしているかを分析する。これ、街中でやるとかなり危険だ。情報量が多すぎて、一歩も動けないだろうし、分析したものが正しいか確かめるのも一苦労だ。

なぜアートなのか?

 そこで、アートが登場する。アートとは何か? 「アートとは、途方もない量の経験と情報の蓄積」だという。絵画であれ彫刻であれ、モチーフが誰か(あるいは何か)、いつ、どこで起きた出来事で、なぜそのポーズをしているのか、予め分かっている。つまり、アートには答えがある。

 さらに、アートは観察者の感情とは独立して、そこに存在する。嫌いな、不快なモチーフだからといって、それを見なかったことにはできない。同様に、自分の好悪とは無関係に、対処が必要な現実の問題は存在する。嫌いだから無かったことにはできない。感情を切り離して対処する上で、アートは現実と同じように向き合うことができる、格好の材料となる。

 アートは、観察力、分析力、コミュニケーション力を鍛えるのに必要なすべてを備えているという。美術作品を見て、そこで何が起きているのかを説明する能力は、会議でも、教室でも、犯罪現場でも、工場でも、あらゆる局面で役立つというのである。

「見る」の実践

 では、アートを用いてどのように「見る」のか。美術作品の場合、「鑑賞する」というほうが適切だが、本書では、「観察する」さらには「観照する」に近いトレーニングになる。

 エッセンスをまとめると以下の通り。

  • 自分の感情をいったん脇に置き、対象と向き合う
  • そこに描かれているものを一つ一つ取り上げ、分析する
  • 重要なものから優先順位をつけ、どんなに当たり前に思えても全て言葉にする
  • 認知を歪めるバイアスを意識して、人に伝える上では客観的事実に限定する
  • 逆に人の意見を元に、対象に再び向き合って、認識が変わる点がないか確認する
  • 集中力は途切れやすいから、必ず休憩を入れる。

 あたりまえじゃん、というツッコミ歓迎。やってみるとすぐ分かるが、その「あたりまえ」ができていない。たとえば、重要なものを見落とす。快不快に左右される判断や、偏見に歪んだ判断を下す。決定的なものを伝えない。事前情報に左右される/耳を貸さない。

 目の前にある、動かないアートであるにもかかわらず、そうした罠のいちいちに引っかかって、自分がいかに「見えていながら見ていなかった」ことを思い知る。自分がいかに「見て」いなかったかを知るためだけでも、本書は有用である

百聞一見、youtubeに如かず

 本書のエッセンスは、わずか50分の動画で知ることができる。著者エイミー・ハーマンがGoogleで講演したものである。タイトルもずばり「Visual Intelligence」。

かなり早口の英語だけど、字幕が出るのがありがたい。本書には出てこないアートが紹介されており、本を読んだ人がこれを観ると、より理解が深まるだろう。

トラブルの渦中で「見る」べきもの

 本書で得られた「見る」能力は、あらゆる現場で役に立つ。著者は、FBIやCIAやNAVY Seals 、警察組織などで講演していることがその証左であり、そのフィードバックも本書で紹介されている。「見る」ことが、それこそ死活問題となるような現場である。

 本書で「グレーエリア」と呼ばれている緊急かつ重要な状況下では、「見る」優先があるという。トラブルが起きていることは分かるが、その規模や発生個所、理由、影響、いつどのように起きたのか、断片的にしか分からない。大規模な事故や災害の現場、ゴシップの炎上などがそう。このとき、「見る」優先度はどこになるか?

 グレーエリアにいる人は、感情的になり、パニックに陥りやすい。何が起きているのかよく分かっていないため、どうしていいか判断できない。そして、往々にして、渦中の人はこの言葉を口にする「いったいぜんたい、なぜこんなことになったのか!」と。

 そして、まさにこの「なぜ」が、最低の優先度だという。いつ、どこで、誰が(何を)、どのようには、「見る」べきものであり、「なぜ」は後回しにせよという。なぜか?

 それは、「なぜ」は分からなくても対処できるから。直接的な原因から発生する影響を回避・解除すれば、当面の問題は解決する。直接的な原因を引き起こした「なぜ」は解決した後であっても、分からない場合が多い。大騒ぎの中で「なぜ」を特定したとしても、それは断片的な情報から憶測で引き出した「原因」であり、感情や偏見のバイアスにかかっている場合が多い(しかも拡散しやすい)。

 そして、バイアスのかかった「原因」は、さらに人々の感情を煽り、問題解決のための「見る」をさらに歪めることになる。従って、手に入らない答えを探して時間を費やすより、今ある情報を「見ろ」というのである。

 この指摘は、ものすごく正しい。長いことシステム屋をやってきて、システムがコア吐いて死んだとき、プロジェクトが炎上してPMが逃亡したとき、偉い人は必ずといっていいほど、「いったいぜんたい、なぜこんなことになったのか!」と叫ぶが、この質問に答えるのは最後にするべきである。

 起きた事実だけを淡々と収集・分析するとともに、そこから発生・派生する影響を調べ、波及しないよう、沈静化するよう手を打つ。分析プロセスと沈静化プロセスは担当を別にして(でないとパニックになる)、間にホワイトボードを置く。そこに書かれる情報は、事実と推測を明確に分けるルールを設ける。わたしが血まみれになって学んだ経験が、本書できっちりノウハウ化されている。

おわりに

 タイトルは『名画読解』だが、名画の見方みたいな話は出てこない。あくまで観察のためのトレーニングツールである。読むことで目が更新され、新しい「目」が得られる。ぶんもうさん、読書猿さん、素晴らしい本を紹介していただき、あらためて感謝します。

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スゴ本オフ「のりもの」が熱い!

 好きな本を持ち寄って、まったり熱く語り合う読書会、それがスゴ本オフ。本に限らず、映画、音楽、ゲームなんでもよく、好きな作品でつながりあう。「好き」を介して人と出会い、人を介して「好き」を広げる場なんだ。

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 たいていは「テーマ」を決めて、そのテーマにちなんだ作品を持ち寄っている。もちろんストレートに思いついた作品もいいし、ひねったりコジツケてもOK。「なんでソレにしたの?」という疑問に答えることが、その作品の最高の紹介になるかもしれない。

 今回のテーマは「のりもの」。クルマや電車といった「乗り物」や、雑誌や新聞を「載りもの」にしてもいいし、最近ノッてる音楽もあり。いろいろな「のりもの」が集まって、子どもから大人まで、熱く楽しい日曜の午後でしたな。

新幹線大爆破

 めちゃくちゃ笑ったのが、ズバピタさんが紹介した映画『新幹線大爆破』。

 東京発博多行きにひかり号に爆弾が仕掛けられ、時速80km以下になると爆発するというパニックもの。爆弾魔が高倉健、新幹線の運転手が千葉真一、国鉄指令室に宇津井健というオールスターキャストで繰り広げられる頭脳戦と、暴走する警察が見どころとのこと。

 撮影当時、国鉄が撮影に協力してくれず(あたりまえやね)、やむをえず新幹線内部は隠し撮りしたという。前は東映と国鉄は良い関係だったのに、これで出入り禁止になったという曰くつき。予告編見れば分かる。

「現代の狂気を抉る!」
「爆弾と恐怖を乗せて!」
「死の旅へ一直線!」

 そりゃ怒られるわなwww 昭和臭たっぷりだけれど、「時速80km以下で爆発」ってまんま『スピード』だし、現代でも充分に通用するスリルと面白さとのこと。Amazonプライムで視聴できるので、ちょっと観てくる。

 「乗り物」といえばコレでしょ、とばかりに新幹線、電車、機関車など鉄分たっぷりでしたな。変わったのでは、日本の鉄道の「名所」として、勾配や曲線が変わったところばかりを紹介している本や、後ろにプロペラがついている機関車が出てくる。

乗り物としての人体

 「なるほどそう来たか!」と驚いたのが、乗り物としての人体。「のりもの」なんだから、当然、「のる」主体は人だと思っていた。ところが発想を変えると、人でない存在にとっての「人体」という乗り物が生まれてくる。

 たとえば、ビフィズス菌のような乳酸菌は、人体を乗り物にしていると言えるし、リチャード・ドーキンスは個体は遺伝子を運ぶ乗り物(vehicle)と表現した。そこで出てきたのが、onoさんが紹介した、「感染した人を天才にする菌」の話。

 『天才感染症』は、SF+バイオテロ+スパイてんこ盛りの徹夜本らしい。人間を乗り物にして広がろうとする菌と、それを抑え込もうとする人間の知恵比べが、スピーディーに展開される。非常に興味深いのは、これ、「森山塔の『デマコーヴァ』みたい」という喩えなり。分かる人には分かるが、それだとシャレならないんですけど……

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 もう一つ、タメになったのがH2さんの「腰」の話。現代人は、なぜ腰痛になるか? 実は、「腰」という場所を誤解しているのではないか? そこからスタートするH2さんの話が面白い。腰の概念がガラリと変わる。

 「腰がどこか、触れてみてください」と言われて手を後ろに回し、自分のお腹の背中側を触ってみる。ところが、そこは間違いとのこと。「腰をひねる」「腰を回す」といっても、「腰」は回らない。同様に、「腰の据わった」「腰が抜ける」「腰が重い/軽い」といった慣用句で示される「腰」の部分は、「お腹の背中側」ではなく、もっと下になる。

 では、腰とはどこなのか?

 答えは、杉田玄白『解体新書』にある。「腰は尻の上なり」と書いてある。本当の腰は脊髄の付け根なのだ。そして、そこで上半身を支えることで、腰痛は楽になる。腹筋や背筋の衰えで腰痛になるというのは間違いで、本当の腰(脊髄の基部)で上半身を支えることを意識することで解消できるという。

 立つにせよ座るにせよ、脊髄の基部を意識すると、下腹に力を突き出る感じがする。これはちょっと苦しい。しかし、意識することで、自然に背筋が伸びる姿勢になる。もともと背骨はゆるやかなS字型になっており、そのカーブで重い頭を支える仕組みとなっている。腰を意識することは、体幹をS字型にすることなのかもしれない。

 現代人は、自分の体を乗りこなせてないかもしれない。

異形の飛行機

 旅客機や戦闘機や、それにまつわる飛行機関連の作品も沢山紹介されたが、ここではなかでも目を引いた「異形」の飛行機についてまとめよう。

 度肝を抜かれたのが、山内さん紹介のジェットマン。これすげぇ!



 カーボンファイバー製の翼付きジェットパック・スーツで、時速320km、高度3,600mまで達する。ヘリからスカイダイビングのように飛び出して、飛行、滑空、旋回、空中ダンスと多彩な技を繰り広げ、最後はパラシュートで降りてくる。グランドキャニオンやドバイ、富士山上空を飛んだこともあるそうな。

 このジェットマン、スイス人で、イヴ・ロッシーという。元戦闘機パイロットで、元エアラインの機長だけど、自分自身で飛びたいという長年の夢をこうやって実現するなんて、凄いとしかいいようのない。来年還暦とのこと。

 異形の飛行機として面白いのが、たけさん紹介の『未完の計画機』。

 マッハ3を目指した超高速XB70バルキリーや、原子力エンジンという米国の野心を露わにした飛行機など、計画されテスト飛行もされていたのに、実際の運用として世に出なかった機体が紹介されている。

 それぞれの機体ごとに、各メーカーの草案、未完成のまま計画終了に至るまでの政治・組織的駆け引き、さらに実用性の乏しいデザインといった背景にまで掘り下げているという。

 面白いのは、さまざまな思惑の中で、最終的に飛ばなかった理由として最も大きいものは「政治」であること。デザインや安全性は修正が利くが、政治的判断はそのまま開発費用に直結するからなぁ...…続編の『未完の計画機2』もあるとのこと。

人馬一体

 圧巻だったのが、みかん星人さんが持ってきたディック・フランシスほぼ全巻。そして「乗り物としての馬」のお話が面白かった。

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 中世ヨーロッパの人々が南北アメリカ大陸を侵略できた理由として、「馬」があるという。南北アメリカ大陸にも馬はいたのだが、食べ尽くしてしまったとのこと。17世紀にヨーロッパ人が持ち込んだ馬を、「大きな犬」と思ったらしい。

 もともとそこに住んでいた部族をヨーロッパ人が殺戮しはじめたとき、馬がいれば情報を伝えることができ、部族間で結束して反撃することも可能だったかもしれない。だが、馬がいなかったため、各個撃破の形で侵略されてしまったという説である。

 そして時代が下ってディック・フランシス。ジョッキーの経験を活かした競走馬シリーズが有名なり。みかん星人さん、文庫で全巻持っているほど大好きだけど、ハードカバーで揃えたくて、今回全て放出とのこと(太っ腹!)。

 なかでも一番は『直線』(原題は”Straight”)で、レースの直線コースだけでなく、「真面目」という意味もあるという。主人公はジョッキーだけど、本当の主人公はその兄になる。冒頭が上手い。

私は兄の人生を引き継いだ。彼の机、彼のビジネス、彼のおもちゃ、彼の敵、彼の馬そして彼の愛人。私は兄の命を引き継いだ。そしてそのために危うく死ぬところだった。

 ディック・フランシスの作品に通底するテーマは喪失感だという。兄を失った穴を抱えながら、兄が残したさまざなヒントを元に謎を解いていく一方で、喪失感も深まってゆく。『直線』は、初めて声を出して泣いてしまった小説とのこと。これは読みたい(と何度も言明しているけれど、読めていない……スゴ本オフでは、そうした読みたい!が大量に積上げられる場でもある)。

いす・ワン・グランプリ

 めっちゃ面白かったのが、「いす・ワン・グランプリ(ISU-1GP)」。キャスター付きの事務用椅子を使って2時間でどれだけコースを周回できるかを競う耐久レースとのこと。見たほうが早い。

 2010年京都府京田辺の商店街で始まり、いまでは全国12カ所、海外は台湾でもレースが行われているという。コクヨの公式チームが参戦しているのには笑った。どんな姿勢でもOKだが、スピードと体力効率を考えると、後ろ向きに座って足で蹴りながら移動するのがベストらしい。

巨人の肩

 わたしがお薦めしたのは、「巨人の肩に乗る」ための3冊。

 アイザック・ニュートンが手紙の中でこう言ったという。

私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。
If I have seen further it is by standing on ye sholders of Giants.

 この「巨人」とは先人たちの知恵でありデータを集積したものだ。どんな天才といえども、ゼロから何か巨大なものを創り出したり、発明することなんてできない。必ず、先行研究者たちの教えを学び、そこに自分の研究なり仕事を乗せるからこそ、成功に結びつくことができる。

 こうした「巨人」は、既に世の中に出ており、図書館に行けば無料でいくらでも利用できる。また、世の中の多くの人々が、既知の事例とみなしていることもある。

 しかし、まさにその「巨人の肩に乗れるように」=「知識を使えるように」したものはほとんどない中、これらがそれに匹敵する。

 ひとつは、『アイデア大全』『問題解決大全』のセットなり。ガチ教養人の哲人である読書猿さんが書いたもので、学問領域を横断して集め、実際に使える形にした、技法集である。その技法を支えている思想や歴史的背景まで紹介し、関連書籍へといざなっており、まさに「使い倒すための教養書」といえる。

 これ読むと、あらゆる問題は、先人が既に悩んでおり、わたしたちは、いかにその解決技法にたどり着くかが問題なのだということが分かる。一生モノの一冊。わたしのレビューは『アイデア大全』『問題解決大全』に書いた。

 もうひとつは、『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』だ。伝説のモンスター・ブロガーふろむださんが書いた、賢者の書であり悪魔の書とも言える一冊。行動経済学、認知科学の知見を「武器」の形にまで仕上げており、悪用もできるし、跳ね返って自分をも傷つける恐れがある、両刃の剣としての「教養」だ。

 煽り気味な書き方だけど超マジメに語っており、一言なら「人は器に従うが、器はマネジメントできる」になる。わたしのレビューは、『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』に書いた。お試しは、『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』第1章で読める。

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 驚いたのが、30人ぐらい集まった中で、読書猿さんやふろむださんのブログを、数えるほどしか知らなかったこと。とりあえず全員に「全て忘れてもいいから、このブログだけはチェックするように」と念押ししておいた。

まとめ

 「のりもの」をキーワードに、航空機、クルマ、鉄道、自転車、馬、除雪車、船、宇宙船、音楽、クジラ、ほうき、ポケモン、人体、辞書、時、巨人の肩と、出るわ出るわ山と出会った。「初めて見た! すごい!」というものから「そういう見方があったのか!」という気づきまで、発見に満ちた数時間でしたな。

 特に印象的だったのが、子どもたちの発表。スゴ本オフは、「好き」を伝える場なので、大人も子どもも関係ない。自分がお薦めする作品を、好きなだけ語ればいいのだが、皆さん、分かっていらっしゃる。

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 大勢の大人が固唾をのんで見守るなか、自分の好きなものを伝えて、沢山のフィードバックと大きな拍手をもって迎えられるような経験は、(おそらく)この子らにとって、初の体験だろう。少し恥ずかし気に、そして誇らしげにプレゼンする子どもたちを見てて、なんかジワっとくる。それと同時に、その「好き」を大切にしてほしいと願う。

 そうなんだ、「好き」を大きな声で伝える場としてのオフ会であり、その「好き」でつながりあう場としてのここなんだ。このブログもそう、バーチャルな場所かもしれないが、あなたにとってのスゴい本は、きっとわたしは読んでいない。だから、ぜひとも教えて欲しい。これがスゴいよってね。

 ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。また、台風22号直撃の香港からSkypeで参加いただいたり、twitter経由でお薦めをいただいたり、リアル+ネットで色々混ざり合うことができ、感謝の限りありません。

 次のテーマは、「冒険」。この言葉から想起されるのであれば、なんでもOK。小説、漫画、ゲーム、ノンフィクション、音楽、動画、映画、舞台、サイトURL、イベントなんでもいいし、行きて還る冒険物語でも、アドベンチャーゲーム(古い?)でも、ベンチャー(投機)も冒険だし、アバンチュールだって「恋の冒険」になる。

 あなたのお薦めの「冒険」を、教えてくださいませ。最新のスゴ本オフ情報は、facebookスゴ本オフをチェックしてくださいまし。

おまけ

 スゴ本オフ「のりもの」で紹介いただいた本は以下の通り、参考にしてくださいまし。

クルマ

  • 『Esquire Japan Dec,1989』(エスクァイア マガジン ジャパン)
  • 『スーパーカー誕生』沢村慎太郎(文春文庫)
  • 『魂の駆動体』神林 長平(ハヤカワ文庫)
  • 『あかくん まちをはしる』あんどう としひこ (福音館書店)
  • 『お笑い 男の星座 芸能死闘編』浅草キッド(文春文庫)

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除雪車

  • 『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』バージニア・リー・バートン(福音館書店)

飛行機
  • 『ちがった空』ギャビン・ライアル (早川書房)
  • 『フランクフルトへの乗客 』アガサ・クリスティー(ハヤカワ文庫)
  • 『ローズ・アンダーファイア』エリザベス・ウェイン(創元推理文庫)
  • 『生存者』P・P・リード(新潮文庫)
  • 『未完の計画機 (命をかけて歴史をつくった影の航空機たち)』浜田 一穂 (イカロス出版)
  • 『夜間飛行』サン・テグジュペリ(新潮文庫)
  • 『Jetman Dubai(youtube)』Jetman(youtube)
  • 『スカイ・クロラ』森 博嗣(中公文庫)
  • 『ステルス戦闘機―スカンク・ワークスの秘密』ベン・R. リッチ(講談社)
  • 『ゼロと呼ばれた男』鳴海章(集英社文庫)

鉄道
  • 『はしれ、きかんしゃ ちからあし』小風さち(福音館書店)
  • 『ヒューゴ(きかんしゃトーマス)』-(-)
  • 『でんしゃ・しんかんせん (はっけんずかん)』なかさこ かずひこ、西片 拓史 (学習研究社)
  • 『マリアビートル』伊坂 幸太郎(角川文庫)
  • 『新幹線大爆破』 高倉健, 千葉真一, 宇津井健(東映)"
  • 『日本鉄道名所 勾配・曲線の旅 (4) 東海道線』宮脇俊三(小学館)


  • 『華竜の宮』上田 早夕里(ハヤカワ文庫)
  • 『エンデュアランス号漂流』A・ランシング(新潮文庫)
  • 『サードマン: 奇跡の生還へ導く人』ジョン・ガイガー(新潮文庫)
  • 『そして、奇跡は起こった!―シャクルトン隊、全員生還』ジェニファー・アームストロング(評論社)
  • 『能百十番』増田 正造(コロナ・ブックス)
  • 『老人と海』アーネスト・ヘミングウェイ(光文社古典新訳文庫)

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宇宙船

  • 『宇宙からの帰還』立花 隆(中公文庫)
  • 『女子高生、リフトオフ!』野尻 抱介(早川書房)
  • 『われらはレギオン』デニス・E・テイラー(ハヤカワ文庫)

ロードレーサー
  • 『サクリファイス』近藤 史恵(新潮文庫)
  • 『シークレット・レース』タイラー・ハミルトン(小学館文庫)
  • 『のりりん』鬼頭莫宏(イブニングコミックス)
  • 『疑惑のチャンピオン(映画)』ベン・フォスター(松竹)

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ホウキ

  • 『魔女の宅急便』角野 栄子(角川文庫)

ポケモン
  • 『ポケットモンスター サン&ムーン 公式ガイドブック』元宮秀介』(オーバーラップ)

音楽
  • 『イッツ・マイ・ターン』フィロソフィー(philosophy of tye world)
  • 『ライブ・ライフ』フィロソフィー(philosophy of tye world)
  • 『日本海夕日ライン』RYUTist(RYUTO RECORDS)
  • 『MACHINE(音楽)』BUCK-TICK(ビクター)

いろいろ
  • 『ヒャッケンマワリ』竹田昼(楽園コミックス)
  • 『Codex Seraphinianus』Luigi Serafini(Rizzoli)

カヌー
  • 『日本の川を旅する』野田 知佑(新潮文庫)

クジラ
  • 『リヴァイアサン-クジラと蒸気機関-』スコット・ウェスターフィールド(ハヤカワ文庫)

森本レオ
  • 『神菜、頭をよくしてあげよう』大槻 ケンヂ(角川文庫)

巨人の肩
  • 『アイデア大全』読書猿(フォレスト出版)
  • 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ふろむだ(ダイアモンド社)
  • 『問題解決大全』読書猿(フォレスト出版)


  • 『直線』ディック・フランシス(早川書房)
  • 『本命』ディック・フランシス(早川書房)

椅子
  • 『いす1グランプリ(イベント)』(羽生市商工会青年部)


  • 『ドゥームズデイ・ブック』コニー・ウィリス(早川書房)
  • 『航路』コニー・ウィリス(早川書房)

辞書
  • 『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』サンキュータツオ(角川学芸出版)

人体
  • 『デマコーヴァ』森山塔(小学館)
  • 『新装版 解体新書』杉田玄白(講談社)
  • 『天才感染症』ディヴィッド・ウォルトン(竹書房文庫)

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