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女の機嫌の直し方

 男が書いたら炎上必至、女の機嫌の直し方。

 胸に手を当て思い当たるトコロ多々あり、ヒヤヒヤしながら読む。妻と口論になったとき、論点を紙に整理しはじめたら激怒されたことを思い出す。「知性に性差はあるのか?」を書いたとき、女性読者から一方的に批判されたことを思い出す。

 本書のエッセンスは2chコピペ「車のエンジンがかからないの…」であり、ゆうメンタルクリニック「男と女の会話は違う!」にある。先に"正解"を書いておこう→「正しいのは常に女性であり、男性から共感をもって寄り添うべき」。この"正解"の裏付けと、実践的な対話を含めて解説したのが、本書になる。

 冒頭はこう始まっている。

女の何が厄介って、些細なことで、いきなりキレることだよな。それと、すでに謝った過去の失態を、何度も蒸し返して、なじること。

 著者は脳科学コメンテーター。なかなか面白い肩書で、「男性脳」「女性脳」という言葉を使いながら、主に自分の経験を基に"女の機嫌"のメカニズムを語る。「〇〇脳」というレッテルに警戒しつつも、わたし自身が苦労して手に入れた教訓と合致するので、お悩みの方には参考になるかと。

 なぜ、女は、思いがけないところで機嫌を損ねるのか。そして、いったん損ねた機嫌を直すのが難しいのはなぜか。この議論に対し、「何が正しくて、何が正しくないのか」という論点を持ち込んでも、全く埒が明かないという。

 つまり、ルールやロジックといった客観に照らして、「正しい・正しくない」という話は、全く通じない。なぜなら、主観(彼女)にとって心地いいか、心地よくないかという話なのだから。正解は「彼女の中」にあるというのだ。

 著者はその理由を、種の保存における自己保全の本能に求める。交尾が済めば即死んでもいいオスと異なり、メスは、子孫を残すために、自分の健康や快不快の状態に気を配る我の強さを持つ。つまり、女性は、「自分の快適さ」に対する責任が違うというのだ。

 男に向けた福音書の触れ込みで、「女ってこうなんですよ」という姿勢で書かれているものの、一方で男を「かわいそう」と哀れみの目で見ることも忘れない。女性の機微に共感せず、ルールやロジックを通そうとすると、妻の無視や職場での断絶を招くことになるからね。

 わたしの場合、「そういう女もいる」「そういう男もいる」といった形で、もっと緩やかに構えている。「男は~」とか「女は~」にしてしまうと、色めきたつことになるから。主語を大きくせず、自分の身の回りの女性に対し、もっと細やかな気配りが必要だと痛感させられる。

 とはいうものの、怒ってしまった女性にはどうすればよいか。著者は、真摯に謝るしかないという。いかなる理由であれ、機嫌が悪くなった彼女の気持ちは傷ついている。その「理由」に着目するのではなく、傷ついた「気持ち」を受け入れる。

 ほぼどんな状況でも使えるのは、「きみの気持ちに気付かなくて、ごめん」だ。これは著者だけでなく、わたしの経験からもお薦めする。目に見える(客観視できる)理由ではなく、目に見えない気持ちに寄り添うのだ。そして、特に役に立ちそうなのが「答えようのない質問への対処」の件である。

 「あなたって、どうしてそうなの?」
 「なんでわかってくれないの?」
 「一緒にいる意味がないでしょ?」

 上記が、3大答えようのない質問である。本来であれば、こんな質問を浴びせられないように話を持っていくのが男の器というものだが、ここまで読んでこられた方なら、どう答えるのが"正解"か、もうご存知だろう。答え合わせは p.148 をどうぞ。

 本書は、取扱説明書の最後にある「困ったときは」そのもの。西野カナを伴奏にお薦めする。

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