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スゴ本オフ@東京堂書店

 閉店後の書店で、本のお仕事をしてみよう―――ちょっと変わった企画で行ってきたのが東京堂書店。その顛末と、スゴ本オフの先行きについて書いてみよう。

 20:00に集合し、ちょっとだけ書店の仕事をお手伝いする。まず、雑誌のふろくのとじ込み。いわゆる雑誌の「おまけ」や別冊小本が逃げないよう、ゴムでくくりつけるのだが……簡単と思いきや、結構手間取る。女性誌だと本体もおまけも巨大で扱いに苦労する。なかでもゼクシィはほとんど鈍器で、抱え上げるのにも一苦労する。どんなにさり気なくおいても、同棲している or 通い状態の彼が黙殺できないくらい存在感がある。

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 次は文庫の補充。なんとなく棚構成が分かっていたので、すぱりすぱりと入れられるのが快感なり(テトリスの赤い棒レベル)。「深夜特急」1巻だけとか、「ボヴァリー夫人」上巻だけといった買い方をしているお客さんがいたようだ。安全策だがオススメしない。深夜に読み終えてしまい、続きが読みたくてジリジリと朝を待つことになるから。

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 そして、東京堂書店の中の人と企画会議。「この本が好きだ!」を熱く語るスゴ本オフを、ここ東京堂書店でやりたいという思いをぶつける。本を軸に人を集めてディスカッションする、いわゆる「にぎやかし」ですな。ただし、会議室やレンタルスペースで数寄物が集まるのとは違う。営業している書店をお借りするのだから、採算度外視というわけにはゆかぬ。

 いつものスゴ本オフは、「好きな本を持ち寄って、まったり熱く語り合う」形式だ。これを、書店で見つけた本をオススメするやり方にしたらどうだろう?売り物をプレゼンして、気に入った人は「買った!」宣言する。わたしが松丸本舗でやっていた、「松丸オフ」に近い。これは人数が限られてしまうが、書店を集団で徘徊し、コレハというのをレコメンド→気に入った人が買う、という方式(グループ・ブック・ハンティング)。これを拡張してみたらどうだろう。

 流れはこんな感じ。売上に貢献できるだろう。

  1. メンバーは書店を徘徊し、本を選ぶ
  2. 選んだ本をそれぞれ、5分で熱く語る
  3. 気に入った人は、それを買う

 スゴ本オフは二十名くらい集まるので、その中で完結してもいい。だが、一般のお客さまを巻き込みたい。実際、東京堂書店は面白いスペースがある。カフェが併設されており、買った本をすぐに読める。そこは、「店内とは別のゾーンだけど、店内の空気は伝わる」スペースなのだ。ここを上手く使えば、一般のお客さまも巻き込めるのではないだろうか(それとも、うるさがられるだろうか)。

 もう一つ、棚作りについて。本の目利きのおかげで、棚作りは隙がない。特に有名なのは、1Fレジ前の巨大な「台」だ。あれを何て呼ぶのか分からないが、新刊を中心に厳選された本が面陳してある。その選び方、並べ方、つながり方が絶妙なので、あの「台」を毎日眺めるだけで、現代の知の軌跡をトレースすることができる。ホラあれだ、電車の中吊り広告で、雑誌の目次を見て世の動向を知るようなもの(ただし、「台」の教養レベルはかなり上)。

 ただし、その「台」を除くと、書棚の本は、あまりにもキチっと分類されてしまっている。ジャンル分けがしっかりしていて、探しやすいように揃えている。松丸本舗の、遊びまくった錬り込まれた棚からすると物足りない。「本は“文脈”を持ち、つながりで存在する」から離れた、普通の並びなのだ。東京堂「書店」なのだから、この普通はあたりまえなのだが、遊べる・提案する棚があるといい。スゴ本オフ厳選棚を作りたいナリ。

 そして、いちばん大事なこと。スゴ本オフの常連さんの一人が言っていたこと→「本を通じて人の話を聞くのが楽しい、人と会えるのがいい」。そう、スゴ本の真髄は、人と会うこと。知らない本を知るためには、それを読んだ人に会うことから始まる。書店の最大の強みは、リアルであること。目の前に人がいて、触れる本があって、直接、声と言葉が伝わること。このナマの影響力は、9.7インチの比じゃない

 書店は、本と人とが出会う場所なだけでなく、本を通じて、人と人が出会う場所になる。読書会、ビブリオバトル、ブクブク交換―――図書館はもう気づいているし、一部の書店は既に取り組んでいる。

 次回のスゴ本オフは「東京創元&ハヤカワ」、これは鉄板でスゴ本が盛るぜ。その次は、ふたたび「食」か、「エロス」か「2012年の収穫祭」か……

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