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先生の赤本「入門 いじめ対策」

 一席ぶつのもいいが、具体的に動く。

 子どもが通う学校で、「ウチは大丈夫か?」と呼びかけやアンケートが実施されているそうな。大仰すぎると水面下に潜るぞーとは思うが、やらないより○。わが家では、寝しなに子どもに語ったり、夫婦でしみじみ話したり、参考書で「予習」してる。天下国家やゆとり教育の荒廃を嘆いても無駄、具体的に動いている。そこで見つけた、先生にとっての赤本を紹介しよう。

 小・中・高のいじめ事例から自殺予防までを扱った一冊。「入門」と銘打つ150p.足らずの本だが、中身はかなり充実しており、関連書籍の紹介は膨大といっていい。入門というより、むしろエッセンス本だな。類書より優れているのはII章、「いじめの緊急対応」になる。今のいま、いじめの対応について悩んでいる先生方は、II章から読むべし。

 とはいっても、特別な手法があるわけではない。「見守り」「個別指導」「保護者の面談」などは、容易に想像できる。違うのは、「必ずチームで対応せよ」と念押しするところ。他の教師、主任教師、指導員とチームで対応しなさいとある。「いじめの緊急対応」では、学校をあげて片時も本人から目を離さないように体制を組めという。教師が組織をあげて本気で取り組んでいる姿が無言の圧力になるんだって。

 また、被害者との面談での「べからず」集は、文字どおり反面教師として役立つ。言ってはいけない一言はこれだ。

  • 「気にするな」
  • 「それはいじめではない」
  • 「あなたにも責任がある」
  • 「もっと強くなろう」
  • 「○○さん(いじめの相手)にも、いいところがある」
  • 「みんなの迷惑も考えろ」
 面談は静かなところで時間をとって、絶えず「あなたは悪くない」メッセージを送れとある。最後には、勇気をもって話してくれたことを称賛し、「あなたを守る」姿勢を必ず伝えろという。また、「孤立させないための席替え」や「クラスで話し合っても限界がある」など、ノウハウ的に役立ちそうなものを類書から選んでくれている。これは、先生にとって心強いマニュアルになるだろう。

 III章の予防策は、具体的で分かりやすい。いじめは、もちろん無くすべきものだ。しかし、「いじめは、あってはならない」前提で見るのと、「いじめは普通にある」目で見るのと、自ずと結果は違ってくる。ホラあれだ、「バクはあってはならない」を強調しすぎると、バクが報告されなくなるのと同じで、「いじめはあってはならない」を強調しすぎると、いじめが報告されなくなる。

 だから、職員のアンテナ感度を上げろという。具体的にはここを見ろという。

  • 全校集会のとき、ある子どもの周りの空間が大きいと感じる
  • 休み時間にうろうろしている
  • 授業中、ある子が発言しても周囲の反応がない/冷ややか
  • 給食の配膳時、ある子の盛り付けの食品を食べない
  • 作品や写真へのいたずら
  • ある子のものが頻繁になくなる
  • 衣服の汚れ
  • 保健室のへの頻回来室
 そして、得られた情報をどう扱うかも具体的だ。情報交換をシステム化しろという。つまり、職員会議や職員打ち合わせの時間の最後に、児童生徒に関する情報交換の時間を設定するのだ。5分でもいい、気になることを自由に話す時間をもうけることで、インシデントを共有するのだ。

 たとえば、こんな感じ―――「□さんが、丁寧にに玄関掃除をしていた。しかし、他の子が掃除に協力的でないのが気になった」「○学年の△さんは、ときどき、独りで理科室の水槽を眺めている」など、なんでもない「けど気になる」ことを伝え合う。この辺は、スタンダップミーティングと同じノリやね。

 さらに、アンケートは定期的にやれという。特に、「学級の雰囲気と自己肯定感を把握する質問」は使えそう。これは、「雰囲気」と「自己肯定感」を点数で出してもらい、散布図にプロットしていくもの(googleったら、群馬県総合教育センターの[これ]が出てきた)。犯人探し・被害者探しというよりも、居心地の悪さを感じている人がいないか、学級のまとまりに差が生じていないかをあぶりだすツールのようだ。PDF概要版を確かめてほしい。

 本書の後半は怒涛の事例集となっている。「クラス全員から帰れコールで自殺を決意した中2女子」とか、「彼女をNTRれるという陰湿ないじめにあった高2男子」、さらには被害者が実は加害者で「あいつを『いじめっ子』にしてやる」など、かなりキツい話がある。学校側の対応も描かれているが、奏功した例もあれば、逆効果だった事例、感知できなかった話もある。過去問としてシミュレーションしてほしい。

 ただし、現場にとって、ただでさえ激務なのに、さらに負担増になることは確かだ。文部科学省が旗を振る「いじめ対策」は、パンフレットかチェックリストか、相談窓口の設置程度だ。本気でなんとかする気なら、予算をアサインするだろう。「いじめ対策」補助金や、「いじめ保険」といったビジネスチャンスとからめれば、メンタリングマネジメントはアウトソースできるのでは―――と妄想する。

 妄想さておき、具体的に動ける一冊。

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コメント

>「必ずチームで対応せよ」と念押しするところ。他の教師、主任教師、指導員とチームで対応しなさいとある。(略)教師が組織をあげて本気で取り組んでいる姿が無言の圧力になるんだって。

>面談は静かなところで時間をとって、絶えず「あなたは悪くない」メッセージを送れとある。最後には、勇気をもって話してくれたことを称賛し、「あなたを守る」姿勢を必ず伝えろという。

>「いじめは、あってはならない」前提で見るのと、「いじめは普通にある」目で見るのと、自ずと結果は違ってくる。

このあたりは『3月のライオン』の最新刊で具体的に再現されてましたね
私は中学校生活をネチネチ書く話が本当に苦手で、重松清や『鈴木先生』などは胃もたれしてとても読めないのですが、
『3月のライオン』は教師達のいじめ対処の描写がほんとにもう、溜息が出るほど素晴らしかったです
「ああいう大人もいるんだぜ」ってのが今いじめられている子にとって一番の励みになるのでは

投稿: | 2012.07.15 22:20

>>名無しさん@2012.07.15 22:20

教えていただき、ありがとうございます。「3月のライオン」、スルーしていましたが、俄然読む気になってまいりました!
わたしの観測反則範囲に限られますが、「ああいう大人」は結構います───わたしが子どもだったときと比較すると。

投稿: Dain | 2012.07.16 07:48

道義的に協力をお願いします
医療法人光臨会荒木クリニック院長松島龍太郎は詐欺師です.用心を…
広島大学歯学部教授50代頃から30年間以上長年月間に医師松島龍太郎は
犯罪詐欺師グループのサクラだったサクラから犯罪詐欺師グループの一員…
オレオレ詐欺同様の役割分担の役目をし
三上照夫本名三上昭夫に霊能力などないのに
三上に霊能力があるように医師松島龍太郎が協力し
犯罪詐欺師グループから医師松島龍太郎に裏金が流れていた事実
犯罪詐欺師グループの一員で多数を洗脳し騙し続けている事実
医師松島龍太郎は税金のかからないお金を集めるのが得意
三上昭夫が霊能力があるように医師松島龍太郎は協力し続け
三上昭夫の他界後には
三上昭夫がやっていた事と同様に
医師松島龍太郎本人が神おろしと言葉にし詐欺グループ巣で人々を集めてカルトをしていた事実
稲津の愛人の金倉.咲坂や
岐阜県関市武儀.熊沢今夫の子.旧姓熊沢日豊美と藤井や三上や竹島と
松島龍太郎達は.お金を騙し取り.強姦.盗賊.文書偽造.犯罪詐欺師グループです
詐欺師松島龍太郎で…
検索を…

投稿: 水 | 2012.12.13 06:10

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