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愛し愛されて生きるため「上手な愛し方」

 喧嘩で怒っている嫁さんへの唯一解は、ルール32にある。

上手な愛し方 ご存知のとおり、ヒートアップした彼女に対して、「やってはいけない」ことは山ほどある。冷静に反論、誤謬の指摘は、火に油。適当に「ゴメン」で済ますなら、「本当に悪いと思ってる? 」と逆ネジ喰らい、説明を求められるのがオチ。そして、説明に失敗すると、今度は火にガソリンになる。

 では、どうすればよいのか?

 ルール32は、「自分から先にあやまる」。さっきと一緒と思いきや、まるで違う。「なにを謝るのか」が違うのだ。ホントは自分が正しいと思っているのに、「ごめん」と言うのは偽善だろう。自分の意見や行動について、謝罪するわけではない。互いの意見の違いについての"議論"を"ケンカ"に変えてしまったことを謝るのだ。ケンカは一人でできない。つまり、ケンカを成立させてしまうほど自分が子どもじみていた、この一点に集中するのだ。

 異なる意見の是是非非を唱えるなら、火にガソリンの逆戻りだ。彼女は、論理的な結末ではなく、お互いの妥協点を見出すことではなく、単純に、純粋に、謝ってほしいだけのだ。自分の感情を害したことについて、「感情を害している」ことに鈍感なことについて、そもそも「アタシを怒らせた」という事実について、ひたすら謝ってほしいのだ。

 だからひたすら、ソコを突く。「こんなに怒らせてしまって、ゴメン」とか、「ボクがガンコだったよ」と"ケンカになったこと"を集中して謝罪する。ケンカを終わらせるためには、どちらかが先に謝る必要がある。それは、あなたの役目だ―――著者は言う、あなたが先に、大人であることを証明するのだと。

 本書で最重要のルールは既に述べた。だがこれは、「今」の「わたし」にとってリアルかつ実証済の黄金律なのだ。彼女や嫁さんがいない人は、第1章(ルール1~19)を、パートナーを見つけたなら第2章(ルール20~67)を、別れることを考えてるなら第3章を読めばいい。そこには、それぞれの立場にとって、あたりまえだけど、忘れがちなルールが並んでいる。ルール32は、知ってしまえば拍子抜けする"常識"かもしれない。だが、わたしは10年間の試行錯誤を経て、そこに行き着いたのだ。

 どうしたら愛する人と出会い、愛を確かめ、長続きさせることができるのか? 愛することは本能だが、本能だけで上手に愛することは難しい。愛には"秘密のテクニック"なんてなく、なにが一番大切かを、ときどき思い出す必要があるだけ。本書は、このリマインダーとして役立つ、愛の取扱説明書なんだな。

 たとえば、相手を選ぶもっとも重要な基準とは? と問うてくる。ルックス、地位、収入は時とともに失われるし、セックスの相性でパートナーを選んではいけないという(性的魅力を愛情と勘違いするほど危険なことはないから)→答えはマウス反転ほかのだれよりも、あなたを笑顔にしてくれる人こそ選ぶべき。それもただ笑わせるだけでなく、自分の失敗や悩みを笑い飛ばせるようにさせてくれる相手を選べ。

 あるいは、言葉で相手を承認せよと主張する。誰もが承認を必要とし、人間はそうできているそうな。そして、相手を承認する一番の方法は、「口に出して感謝する」に尽きる。「いつもありがとう」ではなく、「○○してくれて助かるよ」と、具体的に感謝する。要するに、言われたいことを、相手に言うのだ。本書には無かったが、tumblr経由で、「男は行動を誉めろ、女は性格を誉めろ」というのがある。「無口→知性的」、「おしゃべり→明るい」、「細かい→気がつく」など、ネガティブ語はポジティブに変換するのをお忘れなく。

 逆説的ながら訊けば納得できるアドバイスもちらほら「子どもよりパートナーを大切にする」や「愛はたくさん手渡せば、たくさん戻ってくる」などがそうだ。トドメはこれ→「愛とは時間のこと。相手が自分を必要としている分だけ、自分の時間を与え続けられるか」。愛し上手は愛され上手。「愛され女子のゆるふわコーデ」とか「モテる○○」といった、被愛者を目指して自分磨きに励むのでなく、能愛的に行くべし、生くべし。

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ビブリオバトル@文京区図書館

 行ってきた・見た・勝った。

 オススメ本をプレゼンして、聴衆に「いちばん読みたい一冊」を決めてもらうビブリオバトルに行ってきた(もちろん発表者として)。まったりアツく語り合う「スゴ本オフ」とは真逆のベクトルだけれども、テーゼは一緒「人を通じて本を知ること、本を通して人を知る」になる。

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 バトル形式とはいっても、殺伐感覚は無い。討論やディベートではないそうな。だいたい、話し手も聞き手も「本が好き」で共通しているから、未読本なら「そんな本があったのか!」になるし、既読本なら「そう読んだのか!」で和気あいあいとなる。持ち時間は1人5分でプレゼン+質疑応答を2分で1ターン、これを発表者分まわす。一巡したら投票して多数決で「チャンプ本」を決める。

 今回は文京区図書館で初開催のやつに参加してきた。若者からお年寄りまで、40人くらいの観客に、発表者は7名という構成。普通は大学や大型書店で実施されるので、図書館でやるのは珍しいらしい。スゴいやつから懐かしいやつまで、イイのを見つけてきましたぞ。さらに「死ぬまでに読みたい」長年の課題本も出てきたので、背中を後押しされた気分。

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 図書館ならではの特色は、プレゼン本にまつわる本が展示されているところ。「○○といえばコレも」を図書館がプロデュースしてくれている。いくつか撮ったのでごらんアレ。

 トップバッターは図書館員の方、高野秀行「ワセダ三畳青春記」をプレゼンする。三畳一間のボロアパートを舞台にした青春記だという。著者がアフリカの幻獣「ムベンベ」を追いかけてたことは、「コンゴ・ジャーニー」で知ってたが、こんな前章があったとは……

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 次は学生さん、城山三郎「素直な戦士たち」を持ってくる。懐かしい……って、若い娘さんが城山三郎というのも珍しい。これは動機が面白い。いわゆる受験戦争にハマった教育ママゴン(と息子たち)の狂想曲なんだが、なぜこれを選んだか?「わたし自身が、ムリヤリ勉強させられたから」だそうな。親の絶対命令「勉強しなさい!」がいかに子どもを蝕むかについて語る語る。城山作品には珍しいシリアスコメディで、今でも充分通用する。

 そして今度は住職さん、袈裟懸け装備で道元「正法眼藏」岩波文庫を持ってくる。すげぇ、リアルに読んでいる人はじめて見た。かれこれ15年かけて何度も読み直しているという。難解なのと受けての自分の移り変わりによってイメージが変転するのとで、死ぬまで読み続ける本になっている。そろそろ読むつもり(同じ理由で、人生最後の本になるんだろうなぁ)。

 あとは「もしドラ」「オタクはすでに死んでいる」「純愛カウンセリング」といったラインナップ。「もしドラ」は、40人の観客の半分くらい読んでいて驚く。長いことわたしの疑問だった「もしドラの女子高生は、電話帳くらいの何千円もする本を、中身を見ずに買ったのだろうか?」が解けたのはありがたい。エッセンシャル版だったのねッて……あれは引用集みたいなもの。あのフラグメンツからドラッカーを理解・分解・再構築するなんて偉いね。

ヴァギナ わたしのオススメは、2010年のNo.1スゴ本「ヴァギナ」。医学宗教人類学、文学言語芸術神話と多角的に徹底的に「あの場所」を考察した傑作で、読んだら人生変わるぞ、あそこは入り口じゃなくって、出口、しかも未来への出口だと思い知らされるぞと5分間アツく語ってきた。表紙がアレなのと、タイトルがストレートなので、引かれるかと思いきや、女性陣が食いつくように見入ってくれて面白かったぞ。

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 ちなみに、「スゴ本」が全然知られてなくてヘコんだが、そんなもの。「わたしが知らないスゴ本を伝え合う仕掛け」、リアルでも広めようっと。

 で、次回予告。6月26日(日)、紀伊國屋新宿南店で開催されるビブリオバトルにエントリー申込みしてきたぞ。入口は「本と出会える。人とつながる。ビブリオバトル in 紀伊國屋 2011年6月開催のお知らせ」からどうぞ。合戦も観覧も、喜んで受けて立ちますぞ。

ビブリオバトル案内

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東大生100人、オススメ100冊

 東大五月祭に行ってきた。

 東大生100人から借りてきた100冊のオススメ本の展示会だそうな。どういう本が並べられているか興味があるし、どういう見せ方(魅せ方?)をしているかは、もっと気になる。理II、理IIIの学部生が中心となって企画し、「あなたのオススメ本を貸してください」という呼びかけに集まった本、本、本を見てきた。

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 硬軟とりそろえているが、いいのを読んでるなぁと感心する。ハルヒやミシマは予想ついたが、カミュやオーウェルに浸る学生さんってちょっと想像がたい。"The Selfish Gene" がデンと鎮座してたのにのけぞる。「利己的な遺伝子」を原著で読もうという気概もさることながら、読んだんだろうなぁとひたすら感心する。

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 「詐欺とペテンの大百科」があるのは、立花隆がベタ誉めしてたからだろうか。「西の魔女が死んだ」を選んだのはきっと文学部の女の子だろうなと予想したら当たってた。このブログでもオススメした「夜の来訪者」「アルケミスト」「生命とは何か」そして「存在の耐えられない軽さ」があって、親近感覚増しまくる。

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 残念だったのが、本の見せ方。選者のコメントがワンペーパーで立てられているが、文字が小さすぎて読みづらいことおびただしい。本も「適当に置いてあるだけ」状態なので、スタンドやコーナーなどで"演出"すれば映えも良くなるだろうに……字数を絞って書店のPOP風にプレゼンすることを提案。ついでに「書店」そのものを持ってきて、展示即売会にすれば二度三度おいしいカモ。大型書店と手を組んで、プレゼンテーションを教えてもらう。書店はプレゼンス+売り上げを狙う。

 妄想たくましくしているのは、シェフみずから取り分けならぬ、選者みずからオススメの場。その本を手にした動機や、読みどころ、そもそもこの本をこの場に持ってきた理由を熱っぽく語って欲しい。でもって「これが気に入った人は、これも読んでいます」なんて本つながりの情報交換をするワケ。法文1号館219教室は奥まった狭い部屋にもかかわらず、人いっぱい状態だった。この企画にこれだけ集客力があるのだから、本を介した出会いも相当あるはず。

 本はノード、ノードに立つと、それを書いた人、読んだ人、気に入った人、気になる人が見えてくる。東大というブランドを生かして、ノードをつなげる仕掛けがあればなぁ……

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