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負うた子に教えられ「ゼルダの伝説」

 「ゲームで子育て」のつもりが、子どもに教えられたでござる、の巻。

ゼルダの伝説スカイウォードソード 「子どもに読ませたい本」があるように、やらせたいゲームがある。ピカイチはゼルダ。本なんて好きなものを勝手に読むだろうが、ゲームはそうはいかぬ。うっかり「無料です!」に騙されて時間とカネを吸い取られないように、とーちゃんが教えてやる。

 自分で考えることなしで、ただ刺激と反応をくり返す―――「ゲーム脳」で親を脅す商法は種切れだろう。今のゲームは緻密で複雑で、トライ&エラーを重ねながら、因果関係とパターンを見抜く必要がある。もちろん例外はあるが(無料です!)、わが家では禁止だ。こういうときこそ、温故知新「タダほど高いものはなし」を思い出せ。

 ゲームとは、現実のシミュレーション。対象を「観察」し、「目標」を定め、ミスをくり返しながら目標に近づく方法を模索する。さらに、別方向からアプローチできないか、他の要素から効率化できないか考えながら試す。リアルでは「試行錯誤」「FIT/GAP」と呼んでおり、失敗に不寛容な世間を生き抜くための強力な武器だ。

 「ゼルダの伝説」は、この「試行錯誤」に誘ってくれる。「行きたい場所」「入れたいスイッチ」「倒したい敵」があって、最初は上手くいかない。何かが足りないのか、もっと効果的な方法があるのか、考えて、試して、くり返して、正解を得る。このエウレカ!がごほうびなのだ。

 目を輝かせる子どもを傍らに、「スカイウォードソード」をプレイしながら、どうだ、とーちゃんスゴいだろ、と自慢する。人食い花をなで斬りにして、囲まれたら回転斬りだ。「これまでの経験」があるから、パターンは分かっている。新しく手に入れたアイテムは、そのダンジョン攻略のキーとなる。周囲をよく見ろ、やるべきことは全部試せ。

 ところが、ある「部屋」で詰まる。ロックされた扉の上に、巨大な一つ目がある。部屋の中央に立つと、「目」が開いてこちらを見つめる。説明によると、「尖ったものを見つめる習性がある」そうな。なるほど、剣を抜くと、切っ先を目で追いかける。ははーん、これは剣で突くのだなと思っても、届かない。じゃぁジャンプ切りだ、と跳んでもギリギリで目を閉じられる。むむッ、これはさっき手に入れた「パチンコ」でぱちーんと……できない。

 うんうん悩んでいると、息子が、「パパ、○○してみたら?」と言い出す。なんだよそれ、そんなアホな……と試すとあら不思議、息子が正しかったのだ。今までの経験に寄っかかって、「新しく試す」ことを怠ってたことに気づかされる。

 その後とんとんと進み、ある「敵」で引っかかる。そいつは無謀にも素手で向かってくるのだが、こちらの剣を受け止めてしまう。何度やっても、どうやってもダメージを与えられない。ハートも薬も使い切って、ダメかとあきらめてたら、息子「パパ、○○を狙って攻撃すれば?」と言い出す。ホントかよ、と試してみたら、あら不思議、息子が正しかった。ちゃんと「観察」してなかったのは、わたしだね。

 ありがたかったのが、「鬼ごっこ」。15個の「あるもの」を手に入れるのだが、「鬼」に見つからないように隠密行動する。見つかってしまうと、今度は鬼とのデッドヒートになる。一撃でミスとなり、せっかく手に入れた「あるもの」はゼロに戻されるというシビアさ。たくさんの「鬼」に追い回され半ベソかきながら、なんとかクリアする。それは、岡目八目。わたしよりも子どもたちのほうがよく見ており、「そっち行き止まり!さっきやられたよ」とか「そこから登れる!」など、ナビゲートしてくれたおかげ。

 こんな感じで、子どもに助けられながらゼルダしてる。ゲームは孤独に黙々とだったのが、家族みんなでワイワイ遊ぶようになった。もちろん、コントローラー持つのは一人。でも、これ試してみたら?とか、もっと簡単に倒せるんじゃない?とか、これであそこへ行けるね、などと皆でアドバイスする。試行錯誤していくうち、みんなで遊んでいる気になる。独遊びでなく、共遊している感覚、これは面白い。

 現在は心が折れそうになりながら鬼ごっこしてる。点在する場所をあちこちめぐるのは、島めぐりの「風のタクト」を、浮遊するように風に乗る感覚は「パンツァードラクーン」を、そもそもの世界設定は「1000年女王」を思い出す。剣に宿る精霊は、映画「コクーン」を彷彿とさせる。カートゥーンタッチの猫目リンクも可愛らしいが、この油絵タッチのリンクは凛々しい。マイベストゲーム「時のオカリナ」を越えてくれる予感にワクワクしている。「死ぬまでにしたいゲーム1000」を超えるゲームが、「スカイウォードソード」でありますように。

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コメント

正直、今回のこの記事を
ゲーム批判・否定・批評家達が、読んで頂きたい。
こんな記事が、雑誌に載っていればいいのに。

投稿: 間宮亮 | 2011.12.14 15:22

>>間宮亮さん

ありがとうございます、連中はゴハンを食べるためにゲームを叩いているのでしょう。
連中はゲームを攻撃することで満足し、より深刻な暴力的な犯罪を防ぐ方法から目を背けたいのでは……と思っています。「ゲームと犯罪と子どもたち」にまとめました。

ゲームと犯罪と子どもたち
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2009/07/post-d271.html

投稿: Dain | 2011.12.15 23:25

ご無沙汰しております。
先日、我が家も妻が(ドラクエβ版のモニターに合格したとの理由で)Wiiを購入しまして、この記事のことを思い出しました。先日『ニンテンドーインアメリカ』という本を読んで、任天堂イズムに感動したばかりなので、もう、ポチっと押すだけだったりします。最後のひと押しのために、ゼルダ推しの一言、もしくは子どもとやるならもっと良いゲームがあるというならそれを教えてください!

投稿: ぽかり | 2012.05.02 05:29

>>ぽかりさん

Wiiは、「みんなで遊べる」ゲームを目指しているようです。お子さんの年齢にもよりますが、これなんていかがでしょう。ダンナも嫁さんも気恥ずかしさをとっぱらって踊りませう。

「ハッピーダンスコレクション」が家族で奪い合いになっている件について
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2008/11/post-97ca.html

投稿: Dain | 2012.05.03 15:36

ありがとうございます!

「ハッピーダンスコレクション」。これは良い選択肢をありがとうございます。
解くことに執着して時間を取られそうなゼルダよりも、むしろ魅力的です。
奥さんと相談して購入を考えます。買って遊んだら、その成果をご報告します!

投稿: ぽかり | 2012.05.08 00:15

>>ぽかりさん

「ハッピーダンス」に限らず、ダンスゲーはやるほうも見るほうも楽しめますよ。特にソッチ系は不慣れなオッサンが子どもと遊ぶのにぴったりだと思いまする…
(今は"JUST DANCE"を検討中です)

投稿: Dain | 2012.05.08 21:57

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