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この「ゆん」大好き! 「佐藤くんと田中さん」

佐藤くんと田中さん
 目ェキラッキラさせながら断言、この「ゆん」はエエで。

 語れるほど読んでるワケではないが、「LOVELESS」のようなベトつき感や「妖精事件」みたいな絶望がない。サラっとヒヤっと非日常へ(でも萌えはあるよ、燃えじゃないよ!)。ぞっこん「ゆん」な嫁さん曰く、「ゆんらしからぬ、でもゆんなラブコメ」禅問答かよ…

 「転校生の佐藤くんが吸血鬼だと見破った田中さん」というプロットから膨らむお話が好きだ(予想調和な展開で)。怜悧なインテリ吸血君と、猪突猛進不思議ちゃんのお馬鹿な掛け合いが好きだ(シリアスとギャグの落差で)。メガネ+スレンダー(小柄)+秀才と一部女子の秘孔を直撃する佐藤くんの激しい独白が好きだ(東京大学物語マイルドみたいで)。「吸血鬼は手が冷たい」ことを確かめるためいきなり腕をからめて手をぎゅっと握る(反則!)田中さんが好きだ。「アンタの全てを知りたい」と普通ならゼッタイ顔真っ赤にしてもいえないようなことを、マジメ全力目と目を合わせて言い切る田中さんが好きだ。

 何度も読んで、掛け合いの「間」にニヤニヤしている。ラノベで見かける設定を上手ぁくネームに広げている。ふつうなら、ラノベ→コミカライズ→アニメで消費されてく物語世界を、「ゆん」ならではの語りで支える。

 この「ゆん」っぽさって何だろう。

 「あたしって、アンタの全てを知りたい女なの」という宣言は、コードでもなんでもなく、愛の告白だ。でも言ってる田中さんは吸血鬼への好奇心100%の動機。もちろん(賢い)佐藤くんはそんなことは100も承知、でも、コトバそのものに捕まってしまって赤らんでしまう、その恥らいにきゅーんとなるのだ。対話の勢いが「あなたを知りたい」→「あなたになりたい」→「あなたとひとつになりたい」と十六歳のように会話を膨らませてしまう。最後のセリフを言ってしまって初めて自分がどんだけ恥ずかしい告白をしていたかに気づいて田中さん照れまくる……とまれ妄想!

 そう、この照れ照れした気分にさせてくれるのが、「ゆん」の好きなとこだな。一字まちがえると、デレデレしてしまうが、寸止めで濁点を回避している、それが「ゆん」。

 無理に風呂敷を広げて収拾つかなくなるのでなく、最後まで描いてくれたらそれだけでありがたい。でもラストは、田中さんの密やかな願いをかなえてあげない寸止めになると照れ照れ妄想している。

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