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ビブリオバトル@文京区図書館

 行ってきた・見た・勝った。

 オススメ本をプレゼンして、聴衆に「いちばん読みたい一冊」を決めてもらうビブリオバトルに行ってきた(もちろん発表者として)。まったりアツく語り合う「スゴ本オフ」とは真逆のベクトルだけれども、テーゼは一緒「人を通じて本を知ること、本を通して人を知る」になる。

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 バトル形式とはいっても、殺伐感覚は無い。討論やディベートではないそうな。だいたい、話し手も聞き手も「本が好き」で共通しているから、未読本なら「そんな本があったのか!」になるし、既読本なら「そう読んだのか!」で和気あいあいとなる。持ち時間は1人5分でプレゼン+質疑応答を2分で1ターン、これを発表者分まわす。一巡したら投票して多数決で「チャンプ本」を決める。

 今回は文京区図書館で初開催のやつに参加してきた。若者からお年寄りまで、40人くらいの観客に、発表者は7名という構成。普通は大学や大型書店で実施されるので、図書館でやるのは珍しいらしい。スゴいやつから懐かしいやつまで、イイのを見つけてきましたぞ。さらに「死ぬまでに読みたい」長年の課題本も出てきたので、背中を後押しされた気分。

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 図書館ならではの特色は、プレゼン本にまつわる本が展示されているところ。「○○といえばコレも」を図書館がプロデュースしてくれている。いくつか撮ったのでごらんアレ。

 トップバッターは図書館員の方、高野秀行「ワセダ三畳青春記」をプレゼンする。三畳一間のボロアパートを舞台にした青春記だという。著者がアフリカの幻獣「ムベンベ」を追いかけてたことは、「コンゴ・ジャーニー」で知ってたが、こんな前章があったとは……

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 次は学生さん、城山三郎「素直な戦士たち」を持ってくる。懐かしい……って、若い娘さんが城山三郎というのも珍しい。これは動機が面白い。いわゆる受験戦争にハマった教育ママゴン(と息子たち)の狂想曲なんだが、なぜこれを選んだか?「わたし自身が、ムリヤリ勉強させられたから」だそうな。親の絶対命令「勉強しなさい!」がいかに子どもを蝕むかについて語る語る。城山作品には珍しいシリアスコメディで、今でも充分通用する。

 そして今度は住職さん、袈裟懸け装備で道元「正法眼藏」岩波文庫を持ってくる。すげぇ、リアルに読んでいる人はじめて見た。かれこれ15年かけて何度も読み直しているという。難解なのと受けての自分の移り変わりによってイメージが変転するのとで、死ぬまで読み続ける本になっている。そろそろ読むつもり(同じ理由で、人生最後の本になるんだろうなぁ)。

 あとは「もしドラ」「オタクはすでに死んでいる」「純愛カウンセリング」といったラインナップ。「もしドラ」は、40人の観客の半分くらい読んでいて驚く。長いことわたしの疑問だった「もしドラの女子高生は、電話帳くらいの何千円もする本を、中身を見ずに買ったのだろうか?」が解けたのはありがたい。エッセンシャル版だったのねッて……あれは引用集みたいなもの。あのフラグメンツからドラッカーを理解・分解・再構築するなんて偉いね。

ヴァギナ わたしのオススメは、2010年のNo.1スゴ本「ヴァギナ」。医学宗教人類学、文学言語芸術神話と多角的に徹底的に「あの場所」を考察した傑作で、読んだら人生変わるぞ、あそこは入り口じゃなくって、出口、しかも未来への出口だと思い知らされるぞと5分間アツく語ってきた。表紙がアレなのと、タイトルがストレートなので、引かれるかと思いきや、女性陣が食いつくように見入ってくれて面白かったぞ。

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 ちなみに、「スゴ本」が全然知られてなくてヘコんだが、そんなもの。「わたしが知らないスゴ本を伝え合う仕掛け」、リアルでも広めようっと。

 で、次回予告。6月26日(日)、紀伊國屋新宿南店で開催されるビブリオバトルにエントリー申込みしてきたぞ。入口は「本と出会える。人とつながる。ビブリオバトル in 紀伊國屋 2011年6月開催のお知らせ」からどうぞ。合戦も観覧も、喜んで受けて立ちますぞ。

ビブリオバトル案内

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コメント

いつも楽しく拝見させていただいています。
文京区の図書館を愛用している、スゴ本愛読者です。
スゴ本で取り上げられた本を図書館で借りて読んで楽しんでます。
なのに、これやってたの知りませんでした・・・orz
紀伊国屋でやるやつ、見に行ってみたいと思います。

それにしても「ヴァギナ」が文京区の図書館にあるとは驚きです。
これはまた読んでみなければ。

投稿: いず | 2011.06.08 19:59

すごいこれ!楽しそうですね!
ずっとDainさんのブログは見ててオフ会などに参加したかったのですが、日が合わなかったのでこれには何かしらの形で参加したいと思います。
本と人に出会える、すばらしい!

投稿: もあ | 2011.06.09 01:38

>>いずさん

本郷図書館で開かれたのですが、館長さんとお話できる機会を得ました。館長曰く、「文京区としても都としても、ビブリオバトルは初の試み」ですって。図書館便りのリーフレットに力を入れるなど、新取の気風にみなぎっているなぁ…というのが図書館マニアとしてのわたしの印象です。

>>もあさん

追々公開していきますが、「本と人の交流」は、こんな感じですね…

 1. スゴ本オフ(Book Talk Cafe)
 2. スゴ本オフ(本屋オフ)
 3. ビブリオバトル
 4. ブクブク交換

4.という名前の交流会があるのです。わたしは未参加ですが、出たらUPしますよ。

投稿: Dain | 2011.06.09 06:53

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