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努力の最適化「上達の技術」

 正しい努力の仕方。

上達の技術 伸び悩むアスリートや、受験勉強に苦労してる方には福音となるかも…あるいは「知ってたよ!」とウソブくかも。上達上手とは無駄な努力をしないこと。漫然と練習を重ねたり、やみくもにひたすらにガンバルだけでは、決して「最高の自分」にたどり着くことはない―――著者は警告する。むしろ、"時間"という貴重な資源のムダになりかねないという。だから、上達のルールにのっとった「正しい努力」をするべきなんだって。

 では、「正しい努力」「上達のルール」とは何か。以下の8章で応える。

  第1章 最高の実力をだす技術
  第2章 結果をだせる練習の技術
  第3章 勝負強くなる技術
  第4章 集中力を高める技術
  第5章 記憶の達人になる技術
  第6章 高いやる気を発揮する技術
  第7章 打たれ強くなる技術
  第8章 創造性を発揮する技術

 例えば第2章の「結果をだせる練習の技術」に、「分習法」と「全習法」が紹介される。運動課題を部分に分けて、順番に分けて練習をするのが「分習法」で、それぞれを結合して行うのが「全習法」だという。スゥイング練習が相当しそうやね。最初は分習法で、技能水準が上がるごとに全習法にしていくのがセオリーだそうな。なぜなら、練習のテーマを決めて、一つ一つクリアしていくことで上達効率が上がり、さらにモチベーションが高められるから。

 また、第3章の「勝負強くなる技術」に、反復練習のメリットが紹介されている。それは、「技の再現性」「技の省エネ」になる。まず、反復練習の究極の目的は、最高のプレーを高い確率で再現できるようになることだという。そして、むだな体力を使わなくなるというメリットがついてくる。反復練習により、より少ない酸素や消費エネルギーでやれるようになる。つまり、同じ結果を"ラクに"出せるようになるのだ。

 さいきん空手を始めたのだが、確かにこのセオリーに沿って効果を上げているね。構えからの突きや受けを個々に分解し、集中的に反復練習する。一つの動作に習熟すると、組み合わせる。ステップを登るように上達していくと、一連の動作が流れるように実感できる。おまけで、同じ型を反復していくうちに疲れなくなってきているのが分かる。無駄な力を使わずに、同じ突きや受けができるようになる―――これが「型」の目的だね。

 また、アフォーダンス理論が紹介されてて興味深い。人は、「感覚されたものが脳で情報処理されて運動を制御するシステム」ではなく、「与えられた環境に則した選択的システム」で生きているのだという。つまり、状況に応じた最適なプログラムを、そのつど脳が作り出しているのではなく、蓄積されているプログラムから、状況に適したものを選んでいるのだと。テニスで瞬時に体の動きをコントロールしてナイスショットを打つことは、「事前に知っていない限り」不可能だろう。文字どおり、「体が知っている」やね。

上達の技術 伸び悩み現象についても考察されている。練習期間(回数)に応じて、学習量(成績)が右肩上がりに伸びていくが、ある一定の時期になると進歩が鈍ることがある。いわゆる伸び悩みで、プラトー(高原)と呼ばれることは知っていた。これは名著「達人のサイエンス」[レビュー]で教わったことだが、たとえ上達が具体的な形で現れていないときでもあなたは上達しているという一言に、どれだけ勇気付けられることだろう。

 伸び悩みを打ち破るために、目標を正しく設定することが大切だという。よい目標は「自己ベストを更新」になり、よくない目標は「○○大会で一位」になる。なぜなら、自分のベストはコントロールできるが、他の選手はコントロールできないから。そこでイチローの至言を思い出す。

  1. 自分にコントロールできることとできないことを分ける
  2. コントロールできないことについては関心を持たない
  3. そして、自分にコントロールできることだけに集中する
 本書の著者は、イチローの思考を本にしているくらいなので、イチロー語録が多いのもうなずける。スポーツが中心だが、「上手くなりたい」ものを持つあらゆる人に一読をオススメ。

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