« 努力の最適化「上達の技術」 | トップページ | 3週間でやりなおす「高校数学の教科書」 »

子どもをダシにオトナが遊ぶ「子どもが体験するべき50の危険なこと」

 突然だが、掃除機オナニーというものをご存知だろうか。

子どもが体験するべき50の危険なこと T型ヘッドを取り外した吸込み口に突っ込んで、スイッチオンして、激しい震動に身を任せるという、非常に危険な行為だ。吸込み口は、ほぼ詰まった状態になる。そのわずかな隙間をムリヤリ空気が通ろうとするとき発生する気流が、すさまじい勢いで"揺さぶる"のだ。大きすぎて入らない御仁は蛇腹でやるとよろしいって開高健が言ってた。快楽とは摩擦ではなく震動である、これに気づくと世界が変わる。

 「子どもが体験するべき50の危険なこと」は、もちろんそんな提案はしない。だが、「電気掃除機で遊ぼう」の件で懐かしく思い出した。ここでは、吸込み口に大きなビンを近づけて音を出したり、細長い紙を吸い込ませて震動させたりする「実験」を紹介する。キチンと危険性を掲げ、「目が見えなくなる」(要するに、目玉が吸い込まれる)リスクも説明する。

掃除機のホースを絶対に顔に近づけないこと。衛生的でないうえに、強力な吸う力が目などに重大な危険を及ぼす。
冷静になって考えると、確かにあそこはキレイなものではないね……

 タイトルから連想する「危険」な本ではない。むしろ、危険とは何か、なぜ危険なのかを安全に体験させようという趣旨で書かれている。イマドキの子どもは、「あれをするな」とか「入っちゃダメ」とか、制限事項が多すぎる。がんじがらめのリミッターをカットするための提案本としても使える。

 さっそく試したのが、「電池をなめてみよう」。味蕾に直接刺激を与え、どう感じるかを言葉にするという実験だ。こわごわやってみたものの―――結果は「冷たい味がする」だって。電池の冷たさなのか、電気の刺激なのかは分からないが、興味深い。

 次は、「車を運転しよう」。わたしのヒザの上に乗せてハンドルを握らせる。「ハンドルを回す」という感覚と、タイヤが向きを変える感覚がダイレクトに伝わってきて楽しいらしい。早くオトナになってほしいような、まだ子どものままでいてほしいような、不思議な思いに包まれる。

 「ドライアイスで遊ぼう」や「太陽を見よう」や経験済みなので、「火遊び」か「野宿」がしたいなぁ……嫁さんに叱られながら、「次はどれにする?」とイタズラ顔を見合わせる。これ、子どもをダシにオトナが遊ぶ本なのかもしれないね。

  1. 9ボルト電池をなめてみよう - 電気の味見をする。
  2. あられの中で遊ぼう - 母なる自然に身をさらす。
  3. 完ぺきなでんぐり返しを決めよう - 学校で禁止される前にマスターする。
  4. フランス人のようにキスであいさつしよう - Faire la bise.(キスしましょ)
  5. 車の窓から手を出してみよう - 鳥のように空気を感じる。
  6. 釘を打とう - ハンマーでものをたたく技術をマスターする。
  7. 車を運転しよう - 1トンの鉄の塊を動かす。
  8. やりを投げよう - 本能を目覚めさせる。
  9. ポリ袋爆弾を作ろう - 何かを爆発させる。
  10. 電気掃除機で遊ぼう - 掃除が楽しくなる。
  11. 石を投げよう - 原始人になる。
  12. ドライアイスで遊ぼう - すごく冷たい世界。
  13. 紙コップでお湯をわかそう - 相容れない要素の出会うところ。
  14. 電子レンジに変なものを入れてみよう - お台所の電磁場で実験する。
  15. 走っている車から物を投げよう - スピードと重力と空気の抵抗で遊ぶ。
  16. 高いところから落ちてみよう - 五点着地法を身につける。
  17. 虫めがねで物を燃やそう - 太陽の強力な光をあやつる。
  18. ひとりで歩いて帰ろう - 自由行動の子どもになる。
  19. 屋根の上に立とう - そこに屋根があるからだ。
  20. ノコギリを使おう - ノコギリで木材を切る技術をマスターする。
  21. 目かくしで1時間すごそう - 目を使わないで世界を見る。
  22. 鉄を曲げよう - 火の力で金属を変化させる。
  23. ガラスビンを割ろう - 自分のカラをやぶる。
  24. 空飛ぶマシンを作ろう - ヘアードライヤーで気球を飛ばす。
  25. 太陽を見よう - 明るすぎて見えないものを見る。
  26. かっこいい殺陣を学ぼう - 映画や舞台の隠された技。
  27. パチンコを作ろう - 原始的な道具を自分で作る。
  28. 木登りしよう - 親指に本来の仕事をさせる。
  29. パフォーマンスに挑戦しよう - 楽しんでお金もうけ。
  30. 小川をせきとめよう - 歴史の流れを変える(少しの間だけ)。
  31. 地下にもぐろう - 地下世界を探検する。
  32. タイヤを交換しよう - 自分で車を整備できる大人になる。
  33. ゴミ箱に飛び込もう - 埋められてしまう前に使えそうなものをひろう。
  34. 家電品を分解しよう - 隠された秘密をあばく。
  35. ゴミの埋め立て地を見に行こう - ゴミ収集車を追いかけて、ゴミの行方を捜す。
  36. 友だちに毒を食べさせよう - しょっぱいクッキーでね。
  37. 強風の中で手作り凧をあげよう - 強さと感覚の限界をテストする。
  38. つなわたりをマスターしよう - バランス感覚を磨く。
  39. 食洗機で料理をしよう - 機械の隠れた才能を使う。
  40. ミツバチの巣を見つけよう - 毒を持つ生物との接近遭遇。
  41. 公共の乗り物で街を横断しよう - 世界のナビゲーターになる。
  42. レシピ本にさからおう - 自分だけの焼き菓子を作る。
  43. ナイフで削ろう - ナイフを使って木を削る方法を学ぶ。
  44. ロープスイングで遊ぼう - 自分で作ったものに命をあずける。
  45. 火遊びをしよう - 自然界でもっともおそろしい力をあやつる。
  46. 指を瞬間接着剤でくっつけよう - 指が使えない生活を体験する。
  47. ガラスを溶かそう - 火をすごく高温にする。
  48. 冷凍庫でビンを破裂させよう - スローモーションで見る。
  49. 野宿をしよう - 暗闇の恐怖に打ち勝とう。
  50. なにかしよう - 自分で活動を考えて、書いてみよう。


|

« 努力の最適化「上達の技術」 | トップページ | 3週間でやりなおす「高校数学の教科書」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18285/51946053

この記事へのトラックバック一覧です: 子どもをダシにオトナが遊ぶ「子どもが体験するべき50の危険なこと」:

« 努力の最適化「上達の技術」 | トップページ | 3週間でやりなおす「高校数学の教科書」 »